研修営業 初めて物語1~何から学ぶか?
研修の仕事に携わるようになってから16年目。そして、Six Starsを立ち上げようと決意してから間もなく6年目。こんな私にも初々しい新人時代がありました。秋の異動で、初めて研修担当になる方もいらっしゃることでしょう。そんな方のために、私の過去の経験をお伝えすることで、社員の成長に役立つ研修を企画、運営するためのヒントをご紹介します。
当たって砕け過ぎ・・・の新人時代
研修会社に入社したのは1995年4月21日。新入社員研修も落ち着いた頃でした。
入社後数週間は入社した会社が取り扱うプログラムや商品に関する研修を受け、その後1ヵ月ほど、上司が担当するクライアントへの同行、担当する研修のお手伝いをしながら聴講など、商品知識を身につける期間でした。
しかし、研修について全く知識がなかった私は、お打ち合わせの席での用語の意味が分からずチンプンカンプン。例えば、「考課者」、「アセスメント」、「複線型人事」、「キャリアパス」、「ポジティブアクション」といった言葉をお客様がおっしゃるのでメモを取りますが、それが一体何を意味しているのか、全く理解できていませんでした。
もちろん、一般用語として言葉の意味を調べればわかりますが、その言葉が何を意図するのか・・・それがわからなかったのです。そのため、何かモヤモヤとした気持ちがずっと心の中にありました。
入社から2ヶ月目を迎える頃、お客様へ一人で訪問する営業活動がスタートします。にわかに学んだ用語を並べながら、何か仕事につながる糸口はないかと必死に話します。しかし、採用にも関わり鍛えられた人材育成担当者には、私の話の内容のなさは一目瞭然。
ある会社で、「貴社の一番の違いは?」と、尋ねられ「講師です」と答えるレベルです。(本質的な回答だったと思う一方で、やはりこれでは仕事にはなりません)当たって砕け過ぎですね。
成果を上げたい意欲はあるものの、知識も研修会社としての営業としてのスキルも身についていない私には、仕事のきっかけがどこにあるのかすら掴めないまま、数ヶ月が経過していました。営業として成果ゼロは本当に厳しい現実です。
何から学んで良いものやら・・・
成果が出ない毎日を送りながら、ふと思ったことがありました。それは、"研修って何のためにやるんだろう?"ということです。もちろん、社員の成長に役立つことをすることは分かっていましたが、何かそれだけではないものがあるはず・・・。
言葉が意図することがわからないことと通ずる何か。それが何か、その時には全くわかりませんでした。でも、そのモヤモヤした気持ちを引きずっているのが嫌だった私は、友人に頼み、企業の人材育成の責任を預かる経営者の方に話をお聞きする時間を作っていただきました。
私がお聞きしたかったことは、次のようなことでした。
私:人材育成の仕事をするようになって、わからないことがあって教えていただきたいんです。
企業の経営者と言うのは日頃、どんなことを考えていらっしゃるんでしょう?
経営者:(しばらく考えた後)「ビジョナリ―カンパニー」という本を読んだことがありますか?
まずは、その本を読んでみるといいですよ。その本には、私だけでなく、多くの経営者
が目指したい会社の方向性と言うのが書いてあります。
長く社会に役立つ会社を作る。それが、私たちの仕事ですから。
私:ビジョナリ―カンパニーですね。わかりました。買って読んでみます。
この時のやり取りは、今でも昨日のことのように鮮明に覚えています。この助言がなかったら、私はもしかしたら人材育成の仕事を続けられていなかったかもしれないと思うほど、大きな価値の転換になりました。
明日は、ビジョナリーカンパニーを、どう仕事に活かしたのかを少しだけご紹介します。
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