オルタナティブ・ブログ > こんなところにも、グローバリゼーション2.0 >

日本や日本人って何だろう。改めて「海外」を考えるヒントを身近な話題から

英語が社内公用語化する時代の「アウェイ体験」のため、海外大学院のマネージャー向け研修に参加してみるのはいかが?

»

サッカーW杯が終わり、海外チームに所属・移籍した選手の活躍に関する情報がスポーツニュース通じて報道され始めている。彼らは、「もう一段強くなるために、海外のリーグで有力選手とともに切磋琢磨したい」という思いで、日本から旅立ち、自ら「アウェイの世界」に身を置くことを決意した。

ビジネスの世界も同様であろう。「英語が社内公用語化する時代」の到来に向けて、言語面だけでなく文化面でも橋渡し役を担うべく、「アウェイで現地市場の感覚を理解する必要性」について語られることが増えてきた。

まだ30歳前後の若い世代で大企業に就職できた方は、2-3年間の期限で海外赴任とか海外留学などのチャンスを会社から与えられることもあるだろうが、40歳を過ぎて最前線で働いている立場では、それほど長期の余裕を与えられることも少ないだろう。

一方、常に即戦力であることが求められる立場としては、海外進出に関しても即効性のある「実になる研修」を期待したいところだ。
そこで、オススメなのが、海外のビジネススクールが開催している1週間程度の「テーマ特化型研修コース」を活用するという方法である。

前回
にご紹介したのは、この種の研修コースでテーマの一つに「ソーシャル・メディア関連のコースが増えてきた」という話である。

私自身は、B2B Marketingに関するコースに5年前に参加したことがある。Harvard Business School のこちらのコースだ。

日本では、「Marketing = Consumer業界向けの話」という感覚が根強く存在しており、B2B関連の講座などにめぐり合うことが少なかったため、「本場の講座を味見してみるか」という感覚でこのコースを選んだ。

メインの教授も変わっていない。インド人コンビである。特にDas Narayandas,は、ハーバードのマーケティング分野における看板教授だった方だ。
B2B Strategy ということで、チャネル戦略に多くの時間を割いていたのが印象的だった。

取り上げられていたケースとしては、Salesforceのような(当時の)Startup企業などIT系企業のケースがいくつも含まれていた。創業時の事業である計測機器部門を切り離した後のHPにおけるセールス体制変更だとか、インターネットブーム後のCISCOのチャネル戦略転換など、当時はHotだったが今のIT業界では歴史になったようなケースも多く含まれていた。

これらが見事な順番に並べられており、B2Bマーケティングの基本としてのBuyingBehavor分析から、チャネルの行動原理、価格・価値戦略、SalesとMarketingの連携、営業・マーケティングリソース投資のROIなどへ講義が展開される。今まで実務を通じて得てきた断片的な経験知が、一つの大きなセオリーに紡がれて内製化されて行き、自分の血となり肉になっていくのが実感される。

最近は、ハーバードと言えばTVと書籍でおなじみ「白熱教室」だが、フルタイムの学生向けだけでなくこちらのExecutive向け研修でも、「白熱したDiscussion」はハーバードの名物であった。そもそも、「会社のご褒美(成績優秀賞)」で会社の費用負担により研修に出してもらったのだが、遊びではなく内容は真剣そのものだった。

1日3ケースで相当ハードだったのを覚えている。毎日、夜に遊びに行く余裕など皆無であった。

「1日の平均的スケジュール」

7:00- 8:00 Breakfast
8:00- 9:15 Morning Discussion group
9:20-10:40 Case Study (1)
10:40-11:00 Break
11:00-12:20 Case Study (2)
12:20-13:20 Lunch
13:30-14:10 Afternoon Discussion Group
14:15-15:35 Case Study (3)
15:35-18:00 Individual preparation (
仮眠 & 会社のメールチェック)
18:00-19:00 Dinner
 19:00- 3:00 preparation (8時間で3caseを読破)
 3:00- 6:00 睡眠

宿泊や食事つきのコースなのだが、大学の学食で(といってもExecutiveコースなので、結構、リッチな食事ではあるが)、ご飯やおかずをケータリング用のDoggyBagに詰め込んで自室に持ち帰り、深夜までケースを読むだけでも大変という詰め込みぶりである。

(宿泊施設の内部:ちょっとしたビジネスホテルなみ)
20050606

「こういうのを20科目ずつ体験するのがフルタイムMBAの世界なのかな?」という良いシミュレーションになった。この体験が、「出張・通勤ベースでの自費留学」で学位取得を目指すという、後のシカゴ大学グローバルMBAコースへのチャレンジにつながっている。

費用的には当時の為替レートで大体80-100万円で1週間という感じである。今のレートなら70万円くらいだろうか。
学位も出ない研修(修了証のみ)ではあるが、「アウェイの洗礼」を肌で感じるには、格好の環境だったと感じる。

もちろん安くはないが、往復のついでに週末にNYに立ち寄って遊んでくることなども含めて、「渡航費込みで10日間100万円の豪遊」と思えば、個人でもギリギリ手が届く範囲のものである。

休暇取得も1週間であれば、不可能な範囲ではないだろう。
転職の節目だったり連休を活用して休暇を取得し、車の買い替えでランクを落とすとか家族での海外旅行を1-2回我慢すれば、100万円というのは何とか捻出可能な範囲だと考えられる。

他の出席者は、個人での起業家以外には、SUN、Oracle、MicrosoftなどやはりIT関係者が多かった。他には、3M、BASFなど産業財の企業が多い。地域・民族的には、東欧系で米国企業に就職したような感じのプロフィールの人物が多かったような気がする。

ITの本場である米国で、各国の企業から派遣された多国籍の幹部候補生と「白熱教室してみる」と言うのは、なかなか得がたいものの「Priceless」ではなく「お金で買える経験」になっているのである。だからこそ、円高の今がチャンス。似たような研修を国内で安価に受けようとすると、講師も生徒も日本人で30-50万円というところが相場ではないだろうか?

その差額が、「有名大学MBA教授の講義」「世界中から集まる優秀な人材との触れ合い」という、国内では味わえない付加価値になるのであろう。

実際に体験してみてビックリしたのは、米国の有名学校(特にビジネススクール)における、しっかりした産・学連携の強さである。ケースの当事者となる企業の経営者がわざわざDiscussionを聴講し、内容についてコメントしにやってくるのである。

「ケースに書かれた状況で、実際の当事者としての自分の判断はどうだったのか? 授業に参加する生徒の発言と同じ選択肢をなぜ採用しなかったか?(または、どこまで考えて同じ行動をとったか)」などのフィードバックがなされる。この辺は、さすがHaravardのネームバリューを感じさせられたところだ。

こういう体験をした後、一方、日本の大学はどうだろうか? と考えてみることがある。
失礼ながら、「学」が一番遅れているが故に、「官」からの天下り教授みたいなケースも増えているのではないか?と思うことも稀にある。

ベンチャー企業の方やこれから海外展開を考える、「英語を公用語化しようと考える」ような中堅企業の方々は、幹部候補生の社員向け研修に、この種の海外講座を是非活用してみてはいかがでしょう?

マーケティング関係だけでも、テーマ別にこのような種類の幅広いコースが用意されている。

そのほか、組織・人事論、エネルギー問題など、もっと幅広いテーマについてもカリキュラムが用意されている。

個人に対する税制優遇のようなインセンティブの方法もある。

ご興味のある方は、他の大学も含めていろいろと検討を進めてみてはいかが?

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する