原発問題、この後どうなる?大前研一氏のビデオから更に考えてみる。
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大前研一氏が語っているセミナーのようなものがYouTubeで掲載されています。
全部で75分というのは長すぎるけど、「今後の対策」は45分過ぎあたりから。
前半は「やっておけばよかった発電所対策」の話が中心。
この中で、非常電源用の火力発電所を作る話なんかは、そもそも設計段階の安全率の想定を遥かに超えたレベルの自然災害なので、今回の地震は史上5番目でしたが、史上最大規模の地震を設計基準にしたところでそれを超える規模が発生すれば、「何やってもキリがなかったでしょ。」という気もします。非常電源を地上の高いところにおいても、その高さを超えた津波が来れば無力化するのは同じなので。。この辺は、費用対効果を考慮した社会的コンセンサスの問題だと思われます。論理的に一貫性のない設計矛盾とか外部電源が1箇所しかないという部分を除いては、設計者の安全基準を責めるのは酷な気がしました。
大前氏本人も語ってますが、「 日立時代に出入り業者として東電にいやな思いさせられた」 気持ちが多少入っているのかも知れません。
ドームで原子炉を覆うとか新たなクレーンの敷設が必要とか、 現地のプラント復旧策については、ほとんどその通りなのでしょう。さすが、元原子力博士という感じです。
重要なメッセージは、今の小康状態を続けながら、根本的に放射能発生源の元を断つまでに3-5年はかかってもおかしくはない長期戦であるということです。
さらに、個人的に都民としての今後の対策については、 もう少し追加して考えるところがあります。(まだまだ今日・明日の問題で大変な被災地の方々にとっては、違和感のある話だと感じられることも多々あると思いますが、ご容赦ください)
1) 放射能対策
まだまだ不確定要素が多く発生源が断たれない中で、東京はたまたま風に恵まれて「結果オーライ」 で無事だっただけだと個人的には認識しています。
参考:地震発生後の風向きを考慮した3/20までの放射能拡散状況シミュレーション
上記はドイツのWebサイトですが、これを見ると、東京をギリギリかすめて茨城、千葉あたりから太平洋に抜けて、ハワイ、アラスカ、カムチャッカ半島あたりが当事者として今回の放射能拡散を見ており、世界中から「日本は早く放射能拡散をなんとかしろ」と言われる可能性もありそうな気がします。
こういう環境の下で、各自治体ではモニタリングが常態化し、「( 光化学スモッグ警報のような)放射能注意報・警報」 の中で生活するようになるような気がします。
今の時代だと、 GoogleのStreetViewや気象庁のアメダスをミック スし、地図と風向きをマッシュアップしてシミュレーションした「明日の放射能予測」 みたいなのが毎日公表されるような中で生活することになりそうな予感。
適切な例えかどうかはわかりませんが、 都内で暮らすということは、「データ的には安全だけど、 なんとなく気持ちの悪いレントゲン室の隣部屋で生活する」とか「 マンションで隣部屋が怪しい宗教団体の部屋になったような感じ」 だと認識しないといけないような気がします。 黙って耐えているだけでは事態は改善しなさそう。少なくとも、 チェルノブイリで廃村になった地域の「隣村になってしまった」 くらいの自覚と備えは必要なのかも知れません。
現実問題として、 まだまだ予断を許さない状況であるにもかかわらず、 都内では自分たちには何事もなかったかのように日常が再び始まろうとしています。
TV番組は通常編成でお笑い番組などが復活し、 政府もパニックを防ぐために、 日常が戻っていることを演出しようとしているように感じられます 。
計画停電と電車運行の問題が落ち着けば、 良くも悪くも都会の賑わいも戻ってくるのでしょう。
日常が戻ることそのものは悪いことではない。
「備えよ常に」の精神で、いざという時にパニックさえ起こさなければ。
なお、現在、関係者の方々の努力により外部電源回復から全ての冷却機能が復活すれば、多くの心配事が杞憂に終わる可能性もゼロではありません。もちろん願わくば、そうなってほしいとも思います。
2) 電力不足、停電対策
大前研一の施策案ですが
太陽光発電と電気自動車による家庭内蓄電をミックスしたスマート・グリッドの導入が中長期的には加速するでしょう。 経済産業省が今まで考えていることが加速すると思います。 ITの世界で言えば、 データセンターへの集中と自社持ちサーバーやPCの能力をミック スした設計になり、 どちらに比重をおくかは時代による技術に応じて10年間隔くらい で変わっています。 電力インフラの世界はもう少し技術変化が長期的だと思いますが、 今回の事故をきっかけに集中から分散に比重が移りそうな気がします。
資源貧国の日本としては、原子力への再投資は困難であり、火力の復活も一時的にはともかく、恒久的には環境問題とエネルギー政策の観点で無理があるでしょう。「新しい技術で復活する日本」を目指す立場としては、太陽光発電で個人需要をできるだけ個人でまかないながら節電とセットで考えるという視点が必要だと考えます。
また、 単純にビル内自家発電などの導入も義務化されて進みそうな気がします。専門外なのでよく知りませんが、高層ビルで「 外部からの電力供給が断たれてエレベータが止まる」 などというのは、今の建築基準として許されていたのでしょうか?ビルの規模によっても異なるのでしょうが、その辺の基準値が変わるかも知れないですね。
さらに、1)2)両方から出てくる副次的効果として、
また、「デフレの正体」のような人口動態論も含めて10- 20年スパンで考えると、 そもそも高齢化で農村部の人口がガンガン減ってくる時期なので、今回の震災をキッカケに 都市も農漁村も「選択と集中で見直す」という「日本全国再総合開発計画」 が必要なのでしょう。今回の避難民の方々の行き先に関しても、「 東北の農村部から西日本の農村へ移住」という話が出ているそうです。前述の大前氏のビデオにも、複数の漁村・漁港を集約する代わりに、ハイテク水門で漁港を守って高台から通勤する大規模集約化漁村のような話が語られています。
もはや世界各国で人口の7割は都市に住む時代。「国土の均衡ある発展」という看板は維持できないでしょう。
「 選択と集中による特色ある発展」 に加えて、道州制とか地方自治体の再合併のような話が絡んでくるかも知れ ません。 既存の選挙区割に固執する既存政党の政治家がここにまで手をつけられる かは微妙でしょうけれど。
ドームで原子炉を覆うとか新たなクレーンの敷設が必要とか、
重要なメッセージは、今の小康状態を続けながら、根本的に放射能発生源の元を断つまでに3-5年はかかってもおかしくはない長期戦であるということです。
さらに、個人的に都民としての今後の対策については、
1) 放射能対策
まだまだ不確定要素が多く発生源が断たれない中で、東京はたまたま風に恵まれて「結果オーライ」
参考:地震発生後の風向きを考慮した3/20までの放射能拡散状況シミュレーション
上記はドイツのWebサイトですが、これを見ると、東京をギリギリかすめて茨城、千葉あたりから太平洋に抜けて、ハワイ、アラスカ、カムチャッカ半島あたりが当事者として今回の放射能拡散を見ており、世界中から「日本は早く放射能拡散をなんとかしろ」と言われる可能性もありそうな気がします。
こういう環境の下で、各自治体ではモニタリングが常態化し、「(
今の時代だと、
適切な例えかどうかはわかりませんが、
現実問題として、
TV番組は通常編成でお笑い番組などが復活し、
計画停電と電車運行の問題が落ち着けば、
日常が戻ることそのものは悪いことではない。
「備えよ常に」の精神で、いざという時にパニックさえ起こさなければ。
なお、現在、関係者の方々の努力により外部電源回復から全ての冷却機能が復活すれば、多くの心配事が杞憂に終わる可能性もゼロではありません。もちろん願わくば、そうなってほしいとも思います。
2) 電力不足、停電対策
大前研一の施策案ですが
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夏のピーク対策として、
節電インセンティブをつけた料金を導入しペナルティ分は復興資金 に充当するような話は、おそらく実現化するでしょう。是非やるべき -
サマータイムについては、
日本標準時を切り替えるところまでは( システム対応のコストと混乱回避のため)やらないにせよ、 会社の就業時間を朝7時から夕方3時までに2時間シフトさせるよ うなことは経団連中心に行われそうな気がします。業種別就業時間などの導入もありえるでしょう。 -
夏の高校野球中止(季節変更)もありえるでしょう。
文部科学省と朝日新聞に誰かがプレッシャーかければすぐにでも進 みそう。。。
資源貧国の日本としては、原子力への再投資は困難であり、火力の復活も一時的にはともかく、恒久的には環境問題とエネルギー政策の観点で無理があるでしょう。「新しい技術で復活する日本」を目指す立場としては、太陽光発電で個人需要をできるだけ個人でまかないながら節電とセットで考えるという視点が必要だと考えます。
また、
さらに、1)2)両方から出てくる副次的効果として、
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リスクマネジメントの視点から、都心回帰よりも遠距離郊外通勤(小田原あたり)が見直されたり、
在宅勤務が増える。 -
同じ都心回帰なら、徹底して都心にこだわる。夏場の計画停電でも対象外といわれている3区(港区、中央区、千代田区)にこだわりが増える。今回の計画停電の地域割りの結果は、
土地価格にも影響しそうな気がします。 中途半端な都心は結局停電の対象になり、 救われたのは環状八号線と荒川の内側だけというのがよくわかった 。http://teidenjapan.appspot. com/ -
大阪(またはシンガポール、香港などの海外)
に本社機能を移すか分散する企業も増えるでしょう。残念ながら、日本撤退・縮小に走る外資系企業は増えるかも。
また、「デフレの正体」のような人口動態論も含めて10-
もはや世界各国で人口の7割は都市に住む時代。「国土の均衡ある発展」という看板は維持できないでしょう。
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