永井さんの朝カフェの中継で再認識させられた「インスタント・メッセージング+Web会議 ≒ Twitter + Ustream」
永井さんをはじめとする皆様の試みについては、ご本人を含めて既にいくつか言及されているのでここでは触れませんが。。特に、新潟からリモートで参加されたという竹内さんの記事を見ていて、思いついたことである。
「Ustream+Twitterって、企業内ではテレカンファレンスやWeb会議+インスタント・メッセージング という組み合わせで、数年前から存在する道具立てとは言えないか。。」という話である。
もちろん細かいことを言えば、「インスタント・メッセージングの一斉同報送信」と「つぶやき」とでは intentionalなaudienceの有無とかプッシュ・プルの違いとかはあるだろう。が、「Twitterをマーケティングに利用する」というような、不特定とはいえ何らかのAudienceを最初から想定する場合、両者はかなり似通ってくると感じる。
技術的な意味づけよりも、Public Cloud 的な道具立てになることで敷居が下がり、個人レベルで企業間で利用されることにより、この種の活用法や認知度が変わるような気がする。10数年前の電子メールしかり、コミュニケーション・コラボレーション系のテクノロジーは、ConsumerからBusinessへと普及するものである。
そういう意味で、インスタント・メッセージングやWeb会議の売り込み方が、TwitterとUstreamのおかげで変わるかも知れない。
極論すれば、「インスタント・メッセージング=高機能な企業向けTwitter」 などと言い切ってしまうのである。
こういう言い方をすることで、Web会議とインスタント・メッセージングが、やっと「出張削減ツール」から一歩踏み出した価値を認めてもらえるような気がする。
例えば、
- 1) インスタント・メッセージングによる社内一斉同報で、忘れ物・落し物を探したり、「うちのボス席はずしなんですけど、今どこで見かけませんでしたか?」、「さっき、xxx階の廊下でxxxさんと立ち話してました」と秘書さんたちが連携する
→ Twitterで事故、災害状況などを現場でつぶやく。それを集めて、現地の被害状況の全体像を知る
- 2) メインテーブルで会議している後ろで、リアルタイムにインスタント・メッセージングが飛び交い、「次のxxxさんの発言をさえぎって、xxxxの件の質問を浴びせろ」など、「リアルタイム根回し」が行われる
→ Twitterでリアルタイムなイベントの経過をつぶやく人が存在し、それを見ながら「つぶやきの世界」でも議論が進む
というような使い方の説明である。
私自身は、数年前までこの種のツールを売り歩く立場だったので、上記のような使い方をセミナーなどで主張して回ったが、当時のAudienceにはあまりヒットぜずに口惜しい思いをした記憶がある。
当時は、
1) は、携帯電話で直接、ボスをつかまえれば十分じゃないの?
2) は、後ろに座っている人がメモを指し入れるので十分では? そんなに何人もリアルタイム会議に加わっている暇ないよ
と言われて重要視されなかったし、ベンダー側もあまり言わなかったvalueである。
が、今なら改めて「市民権を得つつあるTwitterになぞらえて説明する」ことで、Web会議とインスタント・メッセージングの底力を理解してもらえるのではないだろうか?
実際、私の身の周りでは、社内の電話会議やWebセミナーにおける「リアルタイムな裏根回し、進行管理」が結構、頻繁に行われている。
パワーポイントのような資料だけをWeb会議の共有アプリケーションにして画面に表示し、リアルタイムな質問募集や、「終了まで後5分」のようなTimeKeepingをプレゼンテーターのインスタントメッセージングに送付するようなやり方だ。
今であれば、インターネット上で中継されている事業仕分けなどで、仕分け人側・仕分けられる役所側双方に、インスタント・メッセージング参謀(Twitter参謀)が付いていて、「今の発言はこう切り返せ」という指示が飛んでいてもおかしくはない。中継を見ながら、「スパコン開発がNo2では意味がない理由なんて、いくらでもあるだろう」とつぶやいて、リンク情報を送付したくなった人は少なくないような気がする。
国会答弁でも「官僚の答弁禁止」とか言いながら、失言防止のために発言席の上にいつのまにかPCが密かに設置され、Twitterにおける世論の反応と副大臣や秘書官からのインスタント・メッセージングでのアドバイスがリアルタイムに表示されているような日が来ているかも知れない。
さらに強く主張したいメリットであるが、Twitterやインスタント・メッセージという書き言葉を介在させることにより、Globalで会話するときに、「英語のリアルな会話では負けるが、書き言葉ならそこそこ勝負できる日本人」の特徴が生きるのである。さらに、最近のインスタント・メッセージング・ツールには、翻訳機能を入れたようなものもある。
機会があれば、英語でTwitter中継されているGlobalな会議に、日本人代表の一人として気の利いたコメントでツッコミを入れてみたいものである。