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運用保守のグローバル化

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運用保守のグローバル化が進んでいる。

IBMやHPといったグローバルIT企業の社内ヘルプデスクが中国やアジアで運営されはじめたのは5年以上前のことである。中国やアジアが選ばれるのは人件費ほかコストを抑えられるからだ。コストと同時にグローバル企業が拠点を選ぶポイントとして重要なのが言語力で、英語の日常会話力である。グローバル展開する企業の多くが欧米諸国のため、求められる言語は欧米文化に即した日常英会話となる。単に英語ができても欧米の文化や商習慣、価値観などが身についていないと、コミュニケーションギャップの元となってしまう。

国際的に活躍する大規模企業は、IT資産の全てを本社の所在する国で調達しようとする。海外拠点に点在する事業所や支店は、本国の方針に従って資産が配分されることになる。ハードウェア保守など現地法人で請負う業務もあるが、サポート業務が現地法人に切り離されることは少なく、本国主導で中国やアジアにオフショアされ、英語での遠隔対応となる。金融や商社などの大手外資系企業の日本法人でもすでに社内システムの問合せは英語でしか受け付けてくれない、といったところも少なくない。

このような背景から、ITサービスプロバイダといったサポートを請負う日本の企業には、「外資系企業の現地法人支援業務」という引き合いが生じてくる。これは、海外のサービスデスクが対応できない業務のことであり、バックアップテープの交換や物理的な電源のオン/オフ、ケーブル配線、ネットワーク配線など、現地で物理作業を伴う業務のことである。多くの国際企業の本国のIT構想は壮大で、緻密に計画されている。全体図から細部に至るまで、プロジェクトに関わるすべての人に理解できるようにドキュメントが揃っている。多くの組織や人を動かす経験と英知の集大成であるといえよう。そのような組織配下で現地のITサービスプロバイダは本国からの指示通りに作業するのだから、楽な仕事ではあるが面白みがない。
現地プロバイダと本国とのやりとりには温度差なのか仕事の進め方なのかはわからないが、ときにコミュニケーションがうまくいかないこともある。こちらが通例と思っていたIT設置手順をふまなかったとか、権限不足や想定外の事態に陥り予定どおりに進まず無駄な日をすごすことも。どこからどこまでがお互いの作業かをメールや電話で何度も確認。会って一緒に話しながら作業をすれば即終わるものを、全体もゴールもお互いのこともよくわからないなかで事前に打合せをすることのむずかしさ。。IT技術以外のテクニックが問われている。

ところでここで思うのが、日本の企業で海外展開しているケースではIT戦略はどうなっているのか、ということである。中国やアジアでオフショアしたとして、言語は英語だけには絞れない。日本語を流ちょうに話す現地人を採用するとなると人材が絞られるし、採用コストも高くつくことになる。IT資産やITサービス全体を見える化し、日本の本社が主導となって現地法人のIT運用を行っている企業はどれだけあるだろうか。また、現地法人あるいは現地ITサービスプロバイダを自在に動かせるだけの計画と作業工程を明示できるだろうか。

グローバルの波に乗るには、言語の壁以外にも越えなければならない壁がいくつかありそうだ。

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