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[書評]“香り”を使った嗅覚マーケティング

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最近、“香り”を使ったマーケティングが注目を集めています。アロマテラピーや香水など、匂いそのものを扱ったサービスの他にも、自社ブランドを想起させる手段の1つとして香りを使ったマーケティングが使われるようになっています。


広がる企業の「香り」活用~ホテルやショールームからオフィス、店舗まで
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香りに関する興味深い調査結果を紹介しよう。マーチン・リンストローム著の『五感刺激のブランド戦略』(ダイヤモンド社、2005年)によれば、嗅覚の記憶が感情に直接作用する重要度は45%で、視覚の58%に次いで高い数字だ。


香ばしいコーヒーの匂いだったり、清潔感のある香りをマーケティングに使って成功している企業は実はすでに存在します。スターバックスは当初からカフェ内での全面禁煙を推進することによって独特の空間演出を行なっていますし、LUSHは敢えて店先で自社商品のデモを行なうことで街中に石けんの香りを発散していますね。


このように暗黙的に用いられてきた“香り”が、今後どんどん生活の様々なシーンで使われていくことは必至でしょう。たとえば混雑する満員電車では、フィトンチッドという木の精油成分を拡散させることによって、イライラを軽減させるという取り組みが行なわれています。「香りで癒される携帯電話」なんかも発売されてますね。



個人的には森林資源を有効活用するために、この香り成分を応用したマーケティングを展開しようと考えています。幸いなことに、私たちが手入れしている山梨県の森林はヒノキが主で、もっとも精油成分が取りやすい樹種として知られています。とくにヒノキは、お風呂や家具なんかでも人気のある香りですね。


また、東京都内の銭湯に対して、季節の香りを使った普及啓蒙施策を提案しようと動いています。中山間地域で捨てられてしまう花や葉っぱ、あるいは間引きした果実などを、入浴剤として薬効成分とともに銭湯でキャンペーンする作戦です。


香りは記憶に残りやすく、ふとしたときに懐かしい香りを嗅ぐと落ち着いたりします。そんな心の安静をもたらすような香りをたくさん都市に持って来れたら、毎日が楽しくなってくるのではないでしょうか。



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