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“山スカ”に見るライフスタイル消費

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近年、消費流通の分野で注目されているのがライフスタイル消費です。無難で均質な商品を大量陳列するGMS型ストアが飽和し、IKEAやドン・キホーテ、ヴィレッジ・ヴァンガードなどの個性的な陳列が注目を集めるのは、その先に提案しているライフスタイルが見えるからです。


高感度かつリーズナブル、一見して矛盾した商品陳列を可能としているのは、単なる安売り合戦から脱却して消費を創造している点にあります。情報化にいち早く対応し、感度の高い層に集中的に発信することによってブームをつくり出し口コミを広げる手法です。


象徴的なのが、“山スカ”と呼ばれるアウトドア用のスカートですね。これまでアウトドアといえば、どうしてもパンツルックのどちらかといえばゴツめの服装が中心だったのが、機能性とファッション性を兼ね備えた“山スカ”が登場することによって、先鋭的な若い女性にアウトドアブームが起こっています。

アウトドアブームは“単なる流行”ではない。「山スカ」大ヒットの裏にある消費者の欲求変化を掴め! 登山やアウトドアが、瞬間的、一時的変化である「ファズ」だとすれば、その裏にある、お客様の欲求の大きな変化こそが本当の「トレンド」です。ではその変化とは何か。このトレンドが「達成感を味わいたい」「充実感を得たい」「少しだけ自分の限界に挑戦してみたい」という非日常の消費傾向があると私は考えています。

普段の生活の中に、ドキドキがなくなってきている。刺激を求めているのだけれど、そんな経験をする機会が減っている。未経験のことにチャレンジしたいのだけれど日常では危険すぎるし、そこまで冒険したくない。でも山やアウトドアならそれができるかもしれない。そんな思いが若い女性を山に走らせているのです。


“山スカ”自体は決して高い商品ではありません。でもその周辺でたとえば靴や帽子、手袋などにファッション性の高い商品を展開することによって、ライフスタイル提案全体として大きな消費を喚起することができます。


IKEAではいち早く、カタログにAR(拡張現実)を取り入れるなど、最先端のIT技術を利用したローコストなライフスタイル提案を展開しています。アウトドアのようなアナログ分野でも、このようなIT技術を活用したプロモーションの可能性は大きいでしょう。


もちろん、当社がこのような消費スタイルの変化に目をつけて事業展開を行なっているのは言うまでもありません。


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