小学生もIT営業も習得すべきスキルは同じ
先日子供が通う小学校の授業参観がありました。午前中4コマの授業のすべてが公開されていて、出入り自由という形式です(以前ブログにも書いたのですが、オープン形式の教室なので本当に出入り自由なのです)。この中で、さほど積極的な理由があったわけではないのですが、国語の授業を覗いてみることにしました(ちなみに5年生です)。
この日のテーマは「対話成功のコツを考えよう」でした。まず、テレビ番組(たぶんNHKの「あさイチ」)のトークコーナーで、司会者とゲストが会話するビデオを見ます。そして、二人がどのように会話をしているのか、会話がスムーズに進むようにするために二人がどのような工夫をしているのか、について、生徒たちが挙手して発表し、先生が板書する。それをもとにさらに先生が考えるポイントをあげて生徒たちに考えてもらう、といった流れでした。
自分が小学生時代にこんな高度なことやってた記憶がないので、素直に感心しました。より考えさせる教育にフォーカスしていて、先生方がそれを実現しようと奮闘されている姿が伝わってきました。
この授業参観の1週間ほど前に、会社で営業系の研修を受けていました。おおまかなテーマとしては、Executiveクラスのお客様に対して効果的なセリング活動を行おうというものです。製品の良さをアピールする、お客様の問い合わせに適切に対応する、というのは営業として当たり前です(これをやることも決して容易なことではありませんが)。でも、それだけではExecutiveクラスのお客様は、信頼できる営業とはみてくれません。お客様の本当に実現したい課題はなんなのか、それにはどういったことが解決策としてあげられてどのような効果があるのか、ということを先回りして提示することで、他社との競合を回避することができ、ベンダーではなく相談相手として見てもらえるようになる、というものです。
そのために考えるべきこと、準備すべきことをチームディスカッションで検討し、時にロールプレイを行い、そして発表するというのが研修の中身でした。
授業参観では、隣の人と二人で話し合ってください、という時間もありました。それを眺めながら、ああ先週自分もやったなぁ、と思ったのです。
小学生の国語の授業と営業のためのスキルアップ。教材と手法とレベル感の違いはありませんが、よりよいコミュニケーションのために何が効果的かを考える、という観点では全く同じなのではないかと思いました。こういうスキルというのは、この教材のこの箇所を覚えれば遂行できる、という絶対的なものがあるわけではありません。相手の立場や性格、置かれている状況によって臨機応変に対応する必要があります。そのための基本は小学生の学習と大きく違いはない、いや、それどころか、子供のころからの蓄積がきいてくるものなのではないでしょうか。
教育の大切さ、継続してスキルアップさせようとする意識の必要性、こういったことを考えた授業参観でした。
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