経営戦略系スキルはIT営業にも重要
先日のブログの通り、会社の業務の一環として、とあるビジネス系の研修を受講しました。それから3週間、ブログにも書いたとおり、学んだことを忘れないように意識をしながら、仕事に取り組んでいます。
この研修の参考図書として、2冊の書籍が示されました。
いつもであれば、研修の終了後にはいつの間にか研修を受けたこと自体忘れてしまうのですが、今回は研修の内容が興味深かったので、あらためてこの2冊を読み返してみました。研修前にも一応読んだのですが、特に重要と自分が判断した部分しか時間的に読めなかったのです。
(エッセンシャル版)マイケル・ポーターの競争戦略(早川書房)
マイケル・ポーターは非常に著名な経営学者であり、これまでのビジネス系の研修で名前は何度も目にしていたのですが、体系立てて学ぶことがありませんでした。「ファイブフォース分析」「3つの競争戦略」「バリューチェーン」という言葉はご存知の方も多いのではないでしょうか。私も聞いたことはあったのですが、なんとなくしか理解していなかったものが、研修受講とその後の書籍購読により、かなり部分まで理解することができたように思います。研修では具体的な事例「ビジネスケース」が中心に紹介され、「ファイブフォース分析」等を事細かに解説されたわけではなかったのですが、あとで書籍を読み返すことで、研修中に説明された具体的なケースはこういうことだったのか、と改めて理解を深めることができました。
企業分析シナリオ(第2版)(東洋経済新報社)
企業分析シナリオは、B/S(貸借対照表)、P/L(損益計算書)、キャッシュフロー計算書を中心に、どのように企業の経営状況、そして戦略を分析していくか、という本です。売上粗利益、営業利益、経常利益、税引前利益、当期純利益。このあたりについてはフィナンシャル系の研修でこれまでも触れているのですが、違いについて曖昧な部分もありました。
今回、研修の中で、実際の企業のB/S,P/Lを分析してみることがあり、業界によって、また企業によって特色があることを学びました。その記憶が新しいうちに、この本を読むことで、利益という言葉の正確な中身ももちろん、企業の様々な指標を見れば現在の置かれている状況、目指している方向性を(まだ大したレベルではありませんが)読み取ることができることができるようになったように思います。
一営業担当である私が、お客様のCXOと相対して経営次元の話をすることはさほど多いことではありません。しかし、局面によってはセールストークの中でそういった話をしなければならないことが出るかもしれません。そのときに、経営の観点まで考えた提案であることが相手に伝われば、少なくともマイナスの評価にはならないと思います。また、直接そのような話にはならないにしても、経営の観点まで意識したシナリオを自分の中で組み立て、その成果物としての提案をするのであれば、具体的で説得力のあるものになると考えています。
日常の活動の中ではどうしてもITの最新状況、技術動向といった観点に重点を置いた営業活動になってしまいますが、このようなビジネスや経営の観点を意識した提案ができるよう、日々心がけることが重要だと考えています。IT営業の皆さん、ぜひ意識していきませんか。私も頑張ります。
(参考)
この研修修了により獲得したデジタルバッジです。
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)