「アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書」を読んで(ちょっと省略形ですが)
»
「アメリカの小学生が学ぶ歴史教科書」(ジャパンブック)、という本を読みました。
行きつけの書店で目立つ位置にこの本が置かれるようになったのは 、トランプ大統領誕生が決まったあたりだったように思います。 その紹介POPには、 トランプ大統領誕生をきっかけにアメリカの文化を知ろう、 英語の勉強としてだけでなく、文化・教養にも役立つ、 といったようなことが書かれていました。
私は英語に親しむという観点で、 これまでも簡単なレベルで書かれた要約版の小説などをたまに読ん でいました。その延長で、英語の勉強半分、 アメリカの歴史観を知ること半分、 といったくらいの感じで読んでみようかと思ったのです。経験的には小説よりもノンフィクションやエッセイの方が読みやすいので、歴史の記述であればいけるだろうし、だめでも日本語訳を見れば理解できるかな、と。
私は英語に親しむという観点で、
コロンブスによる新大陸「発見」から始まり、 ベトナム戦争あたりまでが網羅されています。ところどころにちょっとしたトピックスが入っていたり、図や絵も多用されていたりして、内容的にはなかなかおもしろいものでした。英語もアメリカの小学生が読む、ということで、基本的には平易なものでしたが、言い回しなどでこういう表現をするんだ、なんて思ったりして、参考になるくだりも多かったです。
ですが、白状しますと、半分程度で英語を読むのはやめてしまいました。英語の学習として絶対に読み切るんだ、というつもりでしたら大いに有益ですが、先に書いたように歴史を知るという目的が半分だったため、日本語の方を読みきったほうがいいかなと思った次第です。
イギリスの植民地からの独立に至るまでの部分と、南北戦争の部分についての記述が、単に史実のみを書くのではなく、いかに対立と苦悩があって、それをどう克服していったか、ということにも多くの紙幅を割いているのが印象的でした。自由と寛容の精神がどう育まれてきたのか、時には批判を含めながら書かれており、自国の賞賛だけではないところに、懐の大きさを感じたのです。
この本からトランプ大統領誕生の背景がわかる、なんてことはもちろんありませんが、アメリカがいまのアメリカになった理由、アメリカ人の世界観といったことが少しだけわかったような気がします。アメリカが本社の会社に勤める立場としてはちょっとだけ役に立ったような気がする、そんな本でした。
イギリスの植民地からの独立に至るまでの部分と、南北戦争の部分についての記述が、単に史実のみを書くのではなく、いかに対立と苦悩があって、それをどう克服していったか、ということにも多くの紙幅を割いているのが印象的でした。自由と寛容の精神がどう育まれてきたのか、時には批判を含めながら書かれており、自国の賞賛だけではないところに、懐の大きさを感じたのです。
この本からトランプ大統領誕生の背景がわかる、なんてことはもちろんありませんが、アメリカがいまのアメリカになった理由、アメリカ人の世界観といったことが少しだけわかったような気がします。アメリカが本社の会社に勤める立場としてはちょっとだけ役に立ったような気がする、そんな本でした。
IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)
SpecialPR