スピーチは難しい
先日、社内でスピーチをすることがあったのですが、自分としては大失敗の結果となりました。何がいけなかったのか、失敗を繰り返さないためにはどうすべきなのか、思い出したくない記憶なのですが、備忘録を兼ねて、というより自分への戒めとして、この場で振り返ってみようと思います。
部門、といっても自分の営業部ではなく、私の所属するデジタルセールス事業という大きな単位での朝礼の場で、2分程度でスピーチをしてほしいという依頼がきました。お題はデジタルの手法を用いた活動の事例です。デジタルセラーを自認する私としては楽勝のテーマ、というほどではありませんが、話せるネタはあります。
テーマに沿ってスピーチの内容を書き、コンセプトに合致しているかを所属長に確認してもらってブラッシュアップ。2分程度なのでさほどの量でもなく、コンパクトによく書けたと思い、2日前にはもう終わった気分でした。
当日、所属長から前振りされた後、私のスピーチです。聴衆はざっと100人ほどでしょうか。オフィスフロアで自席から聴くスタイルなので、登壇者はちょっとした台の上立つのですが、ここに上がった瞬間、さっと頭の中から内容が飛んでしまいました。
短い内容なので、紙を読むのはかっこ悪いかという思いと、朝の通勤時にスマホのメモ帳に書いた内容を何度か読み込んでいて、大丈夫だと楽観していたのです。
自分は長く営業をやっていることもあり、お客様の前で話をするのに緊張するなんてことはないですし、製品説明のプレゼンを外部のセミナーでやったこともあります。ですが、今回大勢の前に立つと別次元でした。こちらに無言の視線が集まるのを感じて、冷静に話をすることができなくなったのです。予定していたことを飛ばしたり、逆に同じことを繰り返したり。ヤバイヤバイと思って焦ったのでしょうか、声はうわずり、足が小刻みに震え始めました。この震えは他人から見てわかるレベルだったのかはわかりませんが、自分で震えを止めようとしてもダメなんですね。さらに、内容が飛んでいきます。
当初はスムーズに喋れれば少し軽い調子でライトなトピックを入れようなんて思っていたのですが、まったくダメ。早々に切り上げることとしました。たぶん、最後は中途半端な終わり方と思われたと思っています。
小学生の娘が、たまに朝礼でスピーチをするとのことで、前日にアドバイスをすることがあります。スピーチといっても2-30秒ほどなので、簡単に構成を見た上で、内容が決まったら本番を想定して実際に話をさせます。翌日どうだったと聞くと、うまくいったとのこと。
この娘にアドバイスしてやらせていることを、自分ではやらなかったのが、最大の失敗だったと思っています。つまり、リハーサルです。一言一句ではなくても、通しで話してみることで、どこが詰まるポイントなのか、どこが忘れやすいポイントなのかが、わかったと思うのです。
そうすれば、多少緊張しても、持ち直せたのではないか。そう思っています。
一対一の営業トークと、大勢の聴衆を前にしたスピーチはまったく違う。当たり前のことを思い知らされました。紙を読みながらだったら多分問題なかったと思います。何も見ずに、がだめでした。ちょっとなめてました。訓練も必要なのだと思います。
次にどこかでスピーチする際には、今回の失敗を糧に、少しでも改善したいと思います。
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