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デジタルでBtoBセールスはできるのか!?

クロスセリングは営業が決めるのではなく

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IBM入社以来の経歴についての記事でも書いたのですが、私はIBMの全製品を担当する営業を経て、今は限られたソリューションのみを担当する営業です。具体的にはクラウド型のアナリティクスソリューションを担当しています。
特に、セルフサービスBIに位置づけられるクラウド型分析サービス「Watson Analytics」の注目度が高く、度々Webセミナーを開催して情報をご提供しています。

Watson Analyticsは、コグニティブ・コンピーティングのWatsonの技術を活用することにより、統計のスキルを持たなくても分析ができることを売りにしています。そのため、IBMの統計解析・分析ソリューションの「SPSS」を利用している方には向かない、必要ないソリューションだと考えていました。 ところが、お客様と会話すると、自分は統計学の知識がありSPSSを使いこなしているけど、そこまでのスキルがない社内の他のユーザーに使わせたいと言うのです。SPSSだと自分が考えた分析手法でいつも同じような分析しかしない傾向があるので、Watson Analyticsを使ってまず分析の「あたり」をつけてみたい、あるいは、思ってもみなかった相関関係を見つけてくれるかもしれない、と考える方もいます。

私が担当するもう一つのソリューションである、クラウド型のデータベース「dashDB」とWatson Analyticsとの連携についても、具体例は省きますが、こちらが想定していなかった目的、用途での使い方をお客様からお聞きすることもあります。

こうしたいわば新しい発見は、お客様との会話の中から生まれてくるのです。

よく、クロスセリングという言葉を営業現場では使います。お客様がある製品に関心を持ったら、その製品と親和性の高い別の製品を一緒にご紹介しようという手法ですが、組み合わせる製品は営業担当者、もしくは会社があらかじめ決めておくのです。 ただ実際にはこちらの想定通りではなく、お客様の考える組み合わせの方がよほど合理的で優れていることもあるのです。

はじめからこれと決めて提案するクロスセリングではなく、お客様から最適な組み合わせを教えてもらう、あるいは引き出すような営業手法、これこそがカスタマー・セントリックなやり方なのではないでしょうか。 私は自分の中で勝手にそのことをシナジーセリングと名付けています。正しい言葉ではないかもしれませんが、あぁ分かるよと言って共感していただける方がいればうれしいです。

IBM 中山貴之のWeb Page (平日は毎日更新中)

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