社員が遵守すべき規範の公開 ~IBMビジネス・コンダクト・ガイドライン
私が一営業担当者の立場で、このように社外(IBMからみて)のブログで自分の意見を発信していくことについて、その裏付けとしてIBMソーシャル・コンピューティング・ガイドライン(以下、SCG)の存在があることを以前のブログでお伝えしました。このSCGは社外にも公開されているもので、このガイドラインに沿っていれば、社外で発信していくことが認められている、むしろ、積極的に推奨されているということをご説明しました。
SCGは、サマリーと詳細事項から構成されているのですが、その両方の一番最初のガイドとして、IBMビジネス・コンダクト・ガイドライン(以下、BCG)に従うように定められています。
では、このBCGとはいったいどのようなものなのでしょうか。
BCGはすべてのIBM社員(IBMerと呼んでいます)が遵守することを求められています。いわば、IBMerの規範や基本法といったようなものです。IBMに入社するときにこのBCGを熟読し、これを遵守することにサインするように求められます。入社時のみならず、毎年一回、同様に内容を確認して同意することが必要です。SCGもそうですが、IT環境やビジネス環境は日々変化するため、毎年少しずつ改定されます。そのため、毎年の同意が必要なのですが、これによりBCG遵守を改めて意識することにもなっています。
IBMerにとって、もっともあってならない行為がBCG違反です。BCGに違反すると、解雇を含む懲戒処分を受ける可能性があります。
日常の社内外での活動において、これは何かおかしいのではないかと感じた場合には、BCGに違反しないかを自問し、確認するという習慣をIBMerは持っています。
BCGはSCGと同様に、IBMのWebサイトで公開されていますので、そちらをぜひご覧いただきたいのですが、代表的な項目をいくつかご紹介いたします。
(下記の文章は説明のために私が書き起こしたものであり、BCGの文言ではありません)
■報告および報復の禁止
社内で違反の疑いがあるときにそれを報告することを求め、報告した社員に対する報復行為の禁止が絶対に許されないことを明確にしています。
■専有情報・機密情報の取り扱い
どのような情報が専有情報なのか、それを適切に扱わなければならないということについて、記載しています。
■市場での行為
購買取引先、競争会社、官公庁との関係、贈り物や接待行為で気をつけること等が書かれています。
■私的な活動とIBM 社員としての立場
仕事中であるかないかを問わず、私的な行動がIBMの不利益にならないように注意しなければならないことが、いくつかのケースに沿って書かれています。
会社のもっとも重要な規範を詳細部分まで社外にオープンにしていることは珍しいことのようで、私も営業先のお客様にBCGについて何度か聞かれたことがあります。本当に守っているのか、一字一句まで読み込んでいるのか、といったようにです。一営業担当の社員として別に格好つける必要もないので、そのままの個人としての意見を答えているのですが、BCGはIBMerのDNAとして染み付いている、一字一句そらんじているわけではないが、自分の行動の規範として常に意識している、というのが私の感覚です。
オルタナティブ・ブログでこのIBM BCGについて過去に取り上げられたことがありますが、まだまだIBMのこうした仕組みついて関心を持っている方も多いのではないかと思い、あらためてご紹介しました。
ご関心のあるかたは、ぜひBCGをご覧になってください。