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会社名を明示して実名でブログを書く~積極的な発信を奨励するガイドラインの存在

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ITmedia オルタナティブ・ブログは、"IT系実名ビジネスブログ・メディア"であるとして、「IT系企業あるいは類似した職場に所属しており、実名でIT執筆が可能な方」の参加を募集しています(ブロガー募集ページより:その他のタイプの記載もあり)。オルタナティブ・ブログは、会社の代表の立場の方の発信が最も多く、社名は出さずにIT系企業の技術者といったプロフィールを表示している方がそれに次ぐ、という感じでしょうか。オルタナティブ・ブログに限らず、また、IT系であるかどうかを問わず、一般に日本国内では企業のビジネスパーソンが会社名を明示して実名でブログ等の場で情報発信をしているケースは少ないようです。


まだ日本では企業に所属する個人としての実名での発信は少ないようです。これは、情報漏えいの懸念や統制の観点で企業側が情報発信を規制している、あるいは、明確な規制がなくてもそのような発信はできるはずないと社員が思い込んでいるためでしょうか。Facebookでも所属企業名は明記しない、という方は多いですよね。


私は企業の代表者でもなく、広報部門に所属しているわけでもなく、一介の営業担当者に過ぎませんが、このように会社名を明らかにしてブログという手段を使って情報発信をしています。それってまずくはないのか、外資系はそういうものなのか、とお思いの方もいらっしゃるでしょうか。実は、外に向けて発信してもよい、という明確なガイドラインが社内に存在しており、その枠内でこのように活動することができるのです。


さらに、このガイドラインは一般に公開されており、IBMのWebサイトでどなたでも見ることができます。
「IBM ソーシャル・コンピューティングのガイドライン」

このガイドラインの中から、ポイントをいくつか抜粋してご紹介します。

「IBMは、ソーシャル・コンピューティングでのオンライン・コミュニケーションを通じて、 IBMerをグローバルな意味でのプロフェッショナル、イノベーターおよび企業市民の一員として育てることに力を入れています。これらの個々の交流は、もはやマス・コミュニケーションではない、コミュニケーションの広がりという新しいモデルを示しています。」

ソーシャルの持つメリットを十分に活かして、新しいコミュニケーションモデルを広げていこう、という考えに立っています。

「多くの企業が従業員のインターネットへのアクセスをどのように制限しようかと頭を抱えていた中、IBMは1997年に、社員の皆さんがネットを使って外の世界に出て行くことを奨励しました。」

割と早い時期から外部に発信することを制限するのではなく、むしろ奨励するというスタンスを明確にしました。

「IBMは、IBMer同士の、あるいはIBMとパートナー、お客様、私たちが参加している数多くのコミュニティーのメンバー、および社会一般との対話も重要であると考えています。(中略)物事の考え方をやりとりすることで、IBMerが重要な利益を引き出したり提供したりすることができると信じてやみません。」

「身分を明かして活動しましょう
当社は透明性と誠実性が重要であると考えており、匿名での活動は禁止しています。IBMでの業務に関連して記載する際には実名を使い、身元を明らかにし、あなたがIBMに勤務していることを明示するように奨励します。」

「一人称で語りましょう
自分自身の意見で、個性を前面に打ち出し、思っていることを語りましょう。」

実名を出してIBM社員であることを明示し、自分の意見を表明することを奨励しています。

そしてこんなことも。

「読者や同僚に敬意を払いましょう」
「喧嘩を仕掛けてはなりません」

また、私のブログのプロフィール欄にも入れていますが、免責文として以下を入れるようにということもガイドされているのです。

※このサイトの掲載内容は私個人の見解であり、必ずしも私が所属する会社、組織、団体の立場、戦略、意見を代表するものではありません。

ということで、これまでもこれからも、このブログの内容はすべて中山個人の見解です。

このように、社外にメッセージ発信を推奨される中で、ガイドラインを遵守しながら書いている、ということをご理解いただけたのではないでしょうか。
こういう環境にある企業所属のビジネスパーソンはまだまだ日本では少数派かもしれませんね。


ガイドラインには「日々の仕事を忘れないでください」とありますので、このブログは少しずつ継続していきたいと思います。

IBM 中山貴之のWeb Page

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