これまで、通信サービス事業者はモバイル接続の提供でリードし、過去数十年にわたり、接続サービスは安定した収益と利益を獲得しています。その一方、CPaaS(Communication Platform as a Service)やクラウドなどの第三者がデジタル市場に進出し、開発者エコシステムを構築する中で、多くの通信サービス事業者は単なる接続提供者の役割に留まっており、通信サービス事業者は自社インフラ上で増加するネットワークトラフィックを効率的に収益化できていない状況となっています。
接続サービスの収益が低下する一方で、デジタルおよびプラットフォームベースのサービスの価値が高まっています。プラットフォームベースの商取引は市場経済の急速な成長を促進しており、通信サービス事業者はこの新しい流れに対応するのが遅れていると指摘しています。
このような状況下で、5GネットワークとAPIの融合が通信サービス事業者に新たな機会をもたらすといいます。テレコムネットワークAPIを活用したアプリ開発者プラットフォームを通じて、カスタマイズ可能でプログラム可能な接続を提供することで、デジタル市場において重要な役割を果たすことができるとしています。
すでに商用APIは、詐欺検出、位置情報、デバイス情報、オンデマンド品質などの分野で利用されており、IDCでは、通信サービス事業者がAPIの利用と開発者の参加を加速させると予測しています。
IDCのアナリストは、
テレコム業界はこれまでAPIの収益化に成功した例もありますが、今回の新しいネットワークAPIへの取り組みは、ハイパースケールクラウドプロバイダーや主要なCPaaS企業を含む主要なテレコムサービスプロバイダーによって支持されています。しかし、これらの取り組みが長期的に成功するかどうかは、APIアグリゲーターやシステムインテグレーターといったエコシステム全体が市場教育と採用のために必要な価値を提供できるかにかかっています。
とコメントしています。
IDCのレポート「Worldwide Telecom and Network API Forecast, 2024-2028」(IDC #US52187824)は、テレコムおよびネットワークAPI市場の初の予測を示しています。この予測では、通信SP、APIアグリゲーター、その他の業界関係者がターゲットとするAPIへの企業開発者の支出を取り上げています。さらに、この予測では、市場の成長を促進する要因や阻害する要因、市場参加者への推奨事項についての重要な洞察を提供しています。