電子ピアノを買ったわけ
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実家にはもう何十年も弾いていない音の狂ったピアノがある。はっきり言って粗大ゴミなのだが、捨てようとした際に、「このように象牙を使ったピアノはもう少ないのでもったいないですよ」と言われそのままにしてあるそうだ。
さて、最近息子はそのピアノがなかなかお気に入りだ。実家に遊びに行くと鍵盤をよくたたいている。なかなかの前衛作品だ。
そこで私も、ピアノを久しぶりに弾いてみた。驚いたことに、モーツアルトのソナタとかバッハのメヌエットとか、定番のピアノ練習曲の最初の16小節くらいは楽譜を覚えている。小さい頃の指の記憶というのはすごいものだなぁ。
指の記憶は素晴らしいのだが、当然のことながら全く指は動かない。よれよれ弾いていると、面白いことに息子はそのへたくそなピアノにあわせて、お尻をフリフリ、なかなかのノリだ。
そのお尻フリフリを見たいがため、思い出せるものを片端から弾いてみる。時折ミスタッチしたかと思い、指を確かめるがどうも指のほうは正しくて、ピアノの音が違っているようだ。
息子の前衛作品の際には音の狂いが気にならなかったが、こうやって音階を弾いて音がずれているのはとっても気になる。
傍らで聞いていた夫は、息子の音感が悪くなるから、それ以上ピアノを弾くのはやめろという。
息子の音感を育てるという立派な理由が出来たおかげで、とうとう電子ピアノを購入した。40になった時に、「ピアノを趣味にする」と5年計画表に書いたものの、何ひとつ実行に移さなかった私だが、やっとその第一歩を踏み出せたのだ。
さてピアノが私の趣味になったかどうかは、次回のエントリーで。
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