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クライアントの言葉に傷つくことのあるSIの方や、SIの言葉に何か騙されているような気がしているクライアントの方へ

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GMが破産法(Chapter11)を申請した。

事前に様々な報道がなされていたので、特別な驚きは無いが、「やっぱりそうなんだ」という感じ。

実は約十年前、GMに入れるかも?という機会があった。

日本でサターンブランド展開をしようとしていた時、中途採用募集も様々なメディアでされていて、丁度その頃、岡山の自動車ディーラーで営業をしていた自分は、当時、明日が見えない、という心と、毎月繰り返される同じ生活の中で活路を求めるべく、いくつかの会社に、就職意向の希望を送ってみた。

ほとんどの会社がスルーする中、GMのとある方が、

「今度、広島に行く機会があるので、良かったらお話しませんか?」

と誘ってくれた。

逃げ出したい気分で居た自分は、二つ返事でその誘いにのった。

ところがその約束の当日、その数日前に成約していただいた中古車のお客様との約束を叶えるため、自分は朝から岡山の軽自動車協会にてプレートナンバーの希望を取るべく並ぶことになった。

今でこそ、登録車や軽自動車も希望ナンバー制度があるが、当時は登録車はコンピューター発番による連番(今時点が何かはわからない)、軽自動車は手作業による順番発番だったので、軽自動車ならまだその発番時点に並びさえすれば希望番号の取得が可能だったのでそれを条件に成約してもらったこともあり、その要望を果たすべく朝から並んだのだ。

確か、午前9時の時点で希望番号まで約100台ぐらいあった、と思う。

広島での約束は午後2時。

昼の12時には軽自動車協会を出ないと間に合わなかったが、その時点では希望の番号までまだ50台あまり残っていた。

お客様に対して、「努力はしますけど」というお話はしていたものの、確実に希望の番号が取れる旨までは約束していない中、自分の中では葛藤があり、

「(並んでいるのは自分だけなので)どうせ誰も真実はわからないのだから、だめでした」

と後で言い訳するのか?、それとも自分自身の納得感を得るため、きっちり並びきろうか・・・?

もの凄い葛藤があった。

GMの人は東京から移動する、と言っている中で、移動中連絡が取りづらいのも(当時の通信環境から言って)ある中で、自分が遅れることを伝えにくい、というのもあった。

自分の将来 と お客様の満足感

を天秤に掛ける中、結果として、自分はお客様の満足感を取った。

お客様の希望番号を取ったのが、午後2時10分過ぎ。

それ以前の段階でGMの人に連絡は取って、遅れる旨の話はしていたものの、結果として会えたのは午後5時過ぎ。

たわいも無い雑談をして、「また、連絡させてもらいます」といった以降の連絡は全く無い状態で、後にも先にもGMと接点を持つことは無かった。

その後、サターンは日本を撤退し、またそれから幾年とった昨晩、GMの本体はChapter11を申請した。

あの時、自分がGMに対して誠意を見せて当初の予定通りの約束時間に間に合ってお話をできていたら自分のGM行きが決まることがあったのかどうかわからない。時間に間に合う・間に合わないの問題ではなく、自分の人間性や専門性からGMとしては「必要の無い人間」と判断されていたのかどうかはわからない。

ともかく、縁は無かった、ということなのかもしれない。

自分の人生と引き換えに、と言えば大げさだが、少なく共希望するナンバーを取得した中古車をご購入いただいたお客様からは、

「本当にありがとう」

というお声を掛けて頂いた。

”一瞬”のことかもしれないが、自分はそれで満足した。それでいいのかもしれない。

GMは数々のブランドを持っている。ブランドそれぞれが生き残る時、GMである必要性は必ずしも無いのかもしれない。

今後の発展をお祈りしたい、と思う。

追伸:自分が会おう、としていたのは日本GMの人である。日本GMはChapter11の対象じゃない、ということで、充分な資金をもって今後も運営可能、と言っている。破綻の話はそもそも関係無いのかもしれない。なんしか、今後の発展をお祈りしたい、と思う。

t-senoo

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妹尾 高史

妹尾 高史

某輸送用機器製造メーカー勤務。国内四輪販売会社向けのITによる業務支援企画部門所属。
ミニ鍵盤奏者、という新しいミュージシャンカテゴリーを開拓中。

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