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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

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2008年1月2日 »
僕が勝手に選んだ今年の十大ニュース。


1位:iPhone登場
インターネット業界、携帯電話業界、家電業界、PC業界、そして今後はゲーム業界など、複数の市場にまたがる大きなニュース。ITに関心のない層でもiPhoneをほしがる人は多い。デザインとビジネスモデルの秀逸さ(批判も多いが)、ケータイにPCのOSとWebを持ち込んだ画期的な仕組みなど、この製品が近い将来にわたってもたらすだろう革命は、まだ端緒がみえているにすぎない。

2位:Google 「Android」発表
Appleとは異なるアプローチでGoogleがケータイ市場の制圧に乗り出した。ケータイOSと称されることも多いが、ケータイ上でのアプリ開発のためのオープンプラットフォームといえる。
iPhoneがハードウェであることもあるが、Appleがあくまで人間的な情感やライフスタイルに訴える戦略を撮っているのに対し、Googleはアンドロイド(人造人間)というネーミング(もともとそういう名前のベンチャーを買収したからではあるが)からして冷たく、論理的であっても機械的な姿勢を崩さない。非常に好対照な会社だ。

3位:GoogleがFeedBurnerを買収
Googleはありとあらゆる情報を整理し、検索可能にすることをミッションとしており、そのミッションの実現と、ビジネスの成立を両立することをひたすら考えている会社だ。だから今は検索できない領域を無くすことを採算度外視でも行なうし、同時にあとづけであっても、検索可能とした領域に広告プラットフォームの触手を拡げていくことを考える。
FeedBurnerを買収したということは、Feedもまた魅力的な広告掲出用の媒体になるという証明であり、僕たちにとっては嬉しくも恐ろしくもある事件だった。

4位:FacebookにMicrosoftが2億4000万ドルを出資
150億ドルという破格な企業価値を与えられたFacebookはまだ一度も黒字を計上したことのない会社だが、このディールでわずか2%にも充たない株式と潤沢なキャッシュを交換したことになる。いや、うらやましい。

5位:Google、OpenSocialを発表
Facebookに出資したかったのはGoogleも同じだろう。Microsoftに先手を打たれたことへの腹いせでもなかろうが、複数SNS上で利用できるオープンなアプリケーション開発用のプラットフォーム「OpenSocial」を発表することで対抗することになった。

6位:Facebook Platformを発表
OpenSocialは、複数のSNSをまたがることで、突出した一つのSNSが巨大な閉鎖空間としてWeb上にかぶさることを防ごうとするGoogleの意思である気がする。
Facebookが発表したFecebook Platformは、Facebookという一つのSNSをプラットフォームとして、その上で動くアプリを作るための外部APIだ。Facebook自身は、自分たちの強みを、Facebookユーザーが織りなす人間関係(ソーシャルグラフ)と、そのソーシャルグラフを利用して構築されるアプリケーションとにあるとしている。知らぬ間に自分の交友関係自体が広告の対象になる。ちょっと気持ち悪い。

7位:Technoratiの創業者が辞任
デビッド・シフリーCEO兼創業者が辞任。Technoratiは資金面でもかなり苦しんでいるそうだし、スプログとの戦いにBlog検索というカテゴリ自体が疲弊しているようにみえる。いまだにBlog検索ならTechnoratiを使っているのは僕だけではない、と思うので、来年はよいニュースを聞きたい。

8位:Amazon がSimpleDBを発表
AmazonがリリースしたWeb上でのデータベースサービスは大きな可能性がある、と思う。
実際、Webのアプリケーションを実行するのに高度なRDBMSはそれほど必要ない。アプリケーション開発をする際にどれだけ使えるものなのかは僕には分からないが、ありとあらゆるものがオープンかつSaaSに流れていくという動きは加速していくし、Amazonはそのリーダー的存在であることを証明する素晴らしい試みだと思う。

9位:iPod touch登場、Mac OS X搭載
iPhoneがある国ではあまり意味のない存在?いや、たしかにそうともいえるのだが、Appleの製品ラインで、Mac OS Xを搭載した製品は、いまやパソコン、ケータイ、TVキット、iPod、というように大きく広がっており、一つのプラットフォームでさまざまな機器が統合されていくさまは美しい。
iPod touchのことをiTouchと間違えて呼ぶひとが多いが、それだけタッチパネル操作で動くガジェットとして、IT業界以外の普通のひと(Rest of people)の心にも響く商品なのだと思う。
Appleは数年前にデジタルハブ戦略として、さまざまなデジタル機器とそれらを使うデジタルライフの中心にMacがある、としていたが、いまはMac OS Xがある、と言い換えた方がいいかもしれない。Windowsへの自信が揺らぎ、依存度を下げざるを得ないMicrosoftとは真逆かな。

10位:ビル・ゲイツ、いよいよITから完全に引退へ
ビル・ゲイツは20世紀最高のビジネスパーソンの一人だったと思う。 でも少なくともIT業界では21世紀最高となることはあきらめたらしい。
OSがプラットフォームの時代では彼は最強だった。Webがプラットフォームの時代ではGoogleに負けた。そして、バーチャルとリアルが互いに干渉し合う時代では、もはや勝負にさえならないと自覚したのかもしれない。ビジネスパーソンとして別の戦場を選んだのは賢明だし、国際社会のためにもよい結果となるだろう。そういう見切りのつけ方はクールだと思う。

1-2フィニッシュしたのは共にモバイル関係のニュース。

僕の中でもモバイルインターネットへの関心は高まる一方だ。

とはいえ中高生向けのサービスには興味がないし、そういうモデルを考案するセンスも知識も持っていない。少なくとも大学生以上の大人が使えるサービス。それをMODIPHIエンジンを使って実現することはチャレンジングであると思う。


・・・今年最後のエントリーとします。

1年間ご支援いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

来年もまたよろしくご高配賜りますよう宜しくお願い致します。


では、よいお年をお迎えください。
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hiro

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プロフィール

小川 浩

小川 浩

株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。ソーシャルプランナーユニット「オガワカズヒロ」のクリエイティブディレクター。著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Facebook超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「アップルvsグーグル」など。

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