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モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

« 2007年6月15日

2007年6月17日の投稿

2007年6月19日 »

パームの創業者であり、出戻りの経営者でもあるジェフ・ホーキンスは僕がもっとも尊敬するクリエイターの一人である。(ついでに僕の理想のクリエイターand/or経営者を、別のエントリーにあげておいた)


最近彼は、D5カンファレンスでFoleoというデバイスを発表した。このデバイスは、スマートフォンを持ち歩くユーザーへのメール送信補助ツールとしての役割を与えられているものだが、CNETの記事のインタビューによれば目指すところは実は別にあると言う。

この記事で彼が主張しているポイントと思うところは以下の2つ。

  • 進みすぎたアイデアを製品化しても、最初はなかなか理解されない。
  • だから、まず本当の目的を理解させようと試みるのではなく、最初の顧客を得るために分かりやすい売り口上を使う(Palm Pilotはもっとも小さなコンピュータを目指すモノだったがスケジュール管理ツールとして販売した)
Foleoは2キロ近い重さを持っているうえ、CPUは貧弱。起動は驚くほど速いが、日本で流行しているB5モバイルノートと比べて、それを購入したくなるようなメリットはかなり薄い気はする。しかし、ホーキンスのような天才が考えることだし、隠された本質(超アーリーアダプターとしての最初の顧客の、その次の一般的なユーザーに向けてのメッセージ)は、今のわれわれには思いもつかないことなのだろうと思う。


僕は残念ながら平凡な頭脳しか持たないが、FeedがWebと並ぶトラフィックに成長すると信じて、この数年間Feed事業に取り組んできたし、Feedを書くツールが必要だろうと考えてきたが、それがすぐには理解されないと思ったからこそ、Feedリーダーを先に作ってきた。だからホーキンスの指摘には深く同意するものだ。
(WebだってGoogleという本当に役立つ検索エンジンが出てくるまでは停滞期にあったし、Blogがでてきて誰でもWebに情報を書き込めるようになったからこそ大きくブレイクした。書く、という積極的なツールはFeedにも絶対必要なものだ)


ホーキンスはiPhoneにも言及していて、Foleoでは自ら大きなスクリーンと大きなキーボードを外部補助ツールとして提供する身だからこそ、ソフトウェアキーボードを採用したiPhoneの試みについては若干否定的な印象を受ける。
ジョブズもまた天才だから、どちらの考えが上を行くのかはわからないし、共存していくアイデアなのかもしれない、とも思う。

いずれにしても、僕は批評家ではないし、分析することで生計を立てる身でもないから、ひとのアイデアについてあれこれ考えあぐねるよりも、自らのアイデアを具現化することを考えるし、ひとのアイデアの評価よりも、そのアイデアを生み出すための彼らの思考回路や取り組み方を参考にしたいと思っている。真似るべき、模倣するべきはアイデアそのものではなく、彼ら優秀なクリエイターの「姿勢」や「気合い」なのだ。


自分の頭の中にあるもの、心から発動される想い。それらを具現化するためのやり方や戦略であるならば、彼らに多く学ぶべきだろうし、許されるものと思う。






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僕が目標しているクリエイターand/orCEOを、ちょっと列挙してみる。
なんでこのひとが好きなんだろ、と考えることは自分の趣味や好みや志向を知るためには良い方法である。


以下は順不同。なぜなら、それぞれの業界や専門によって、才能の発現の仕方は違うから。

  • スティーブ・ジョブズ@Apple
  • ジェフ・ホーキンス@Palm
  • トム・フォード@元GUCCI
  • 故・藤田田@マクドナルド
  • マーク・アンドリューセン@元ネットスケープ

ジョブズについては、いまさらいうまでもないだろう、僕は常に公言しているし。
技術者でもなく、デザインの勉強をしたことがあるわけでもなく、(IT系の)クリエイティブ・ディレクターとしてはいまや世界最高の人物になった。欠点ともとれる偏狭や気性の激しさも外から見ている分にはユニークで、たまらない魅力になっている。

ホーキンスは、脳の研究からコンピューティングに入った変わり種。ジョブズの華やかさはないのだが、シンプルなアイデアを具体的な製品に昇華させる能力は天才的だ。アイデアを言葉にして表現することについても長けている。


トム・フォードは、アメリカ人でありながらイタリアの名門ブランドを立て直した一流のクリエイティブ・ディレクター。デザインの力を、製品だけではなく、PRや広告、会社としてのスタンスにまで一貫して広げた、稀なる経営者だと思う。本人もカッコいいけどね。ゲイだという事実も(僕はストレートだけど)この業界からすれば特徴であっても欠点ではない。


藤田田(でん)さんは、日本が誇る「ユダヤ商人」(^^)。彼の著書は、中学時代の僕のバイブルだった。
金儲けをあれだけ爽やかに有言実行できるひとはいない。今話題の(?)グッドウィルの折口さんも言ってることは同じだが、残念ながら、爽やかさでは藤田さんには遠く及ばないから・・・。容姿でははるかに勝る折口さんだが、藤田さんは遥かにクールだ。
藤田さんで思い出すのはユニチャームの故・高原会長とのパネルディスカッションで、高原さんが社員に人間としての在り方みたいな訓示を毎日与えている、というスピーチをしたところ、そんなことは無意味だと冷たくコメントしてたこと(笑)。かっこ良かったなー。


最後のマーク・アンドリューセンは、インターネットを、というよりWebを、僕たちがカンタンに手にすることができるようになったきっかけ作りをしてくれたひと。ブラウザがOSにとって代わるということに最初に(ちゃんと)気づいた人物でもある。まあ、Web自体がさらにブラウザにとってかわる、という速度が彼の予想より速かったからこそネットスケープは瓦解しちゃったわけだけど。




最後に、クールだな、と思うプロダクト、ブランド、会社を上げておく。

  • Goolge
    言うまでもなく世界最高のITテクノロジーベンチャーだから。シングルプロダクト、シングルビジネスモデルで、あれだけの会社を作れると証明した凄い会社。
  • Apple
    これまたいまさらいうまでもないが、いまや世界でもっともクールなハードウェア企業。OSというかソフトウェアも凄いけど、ハードとソフトを一体化させて、さらにそれを美しいインターフェイスでまとめる技術/センスは尊敬するしかないと思う。彼らのおかげでソニーは精彩を欠いている気がする。
  • ハーレーダビッドソン
    愛馬だから、というわけでもないが、時代遅れの技術を、デザインとブランディングで一級品に仕上げ続けている奇跡の会社だと思う。だって、僕のスポーツスターなんて1200ccなるのに、400ccの中型バイクやビッグスクーターに出足で負けますよ(笑)、でも最高なんです。
  • ポルシェ
    ボクスターもカイエンもケイマンもカッコいいけど、やっぱり911。ハーレーとは違って、時代遅れの技術にこだわって、性能面でも一流に仕上げたど根性会社だと思う。ドイツらしい。こだわってこそ、特徴がでるというもの。
  • ネットスケープ
    もう覚えているひとも少なくなってきたけど、ネットの世界では流星のように夜空を切り拓いて消えていったもっともクールなベンチャー。ロックっぽい。事業的には成功したとはいえないが、創業チームも投資家もみんなハッピーだからいいんじゃない?その遺志(?)はいまだにFirefoxに引き継がれているし。


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プロフィール

小川 浩

小川 浩

株式会社リボルバー ファウンダー兼CEO。ソーシャルプランナーユニット「オガワカズヒロ」のクリエイティブディレクター。著書に「Web2.0Book」「仕事で使える!Facebook超入門」「ソーシャルメディアマーケティング」「アップルvsグーグル」など。

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