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昨日ご紹介したKlout Score。自分のTwitterアカウントで試された方もそこそこいらっしゃったようです。今朝Klout Scoreの自分のページにアクセスしたら、昨日とは違った方々が自分のマトリクスにいらっしゃいました(^^; 
(注:Klout Scoreに登録して自分のTwitterアカウントの指数を算出してもらうと、結果ページにマトリクスが表示されるようになっている。そのマトリクスで自分のTwitter界における影響力発揮パターンがCasual、Climber、Connector、Personaに4分類される。広いオーディエンスにリーチしており、強い影響力がある人は右上象限のPersonaにプロットされる)

「測定(数値化)できないものは管理できない」と言ったのはドラッカーでしたが、その影響があってか、米国のマーケティングでは何でもかんでも数字にして、経過を測定し、資金投入の効果があったかなかったを検証するのが常です。それが日本にも移入されて、広告の成果が数字で計測されていることは周知に通り。

仮に、仮にですよ、既存のマスメディアの広告が様々な要因からあまり効果がなくなったとします。それに代わって、Twitterに代表されるソーシャルメディア経由のマーケティング(実態は現在広告として考えられているものとまったく異なったものになるのでしょうけれども)が有効だということになったとします。
すると、資金を投入するクライアントの発想としては、利用メディアの選定にあたって、テレビの視聴率に相当するものがあった方がよいということになるでしょう。その際には、Klout Scoreのような非常にロジカルな指標が好まれるということはないでしょうか?

Klout Scoreをベンチャーとして興した人たちの頭にあるのは、おそらく、ほぼ間違いなく、そういうことだと思います。彼らは、Twitterが対消費者マーケティングの主流となる時代において、テレビの視聴率に相当するものを自分たちの手で作ってやろうと考えて、この指数をデザインしたに違いありません。

すると、仮にですよ、Twitterがソーシャルメディアの中心となり、B2C企業のマーケティングも従来のマスメディアから軸足がTwitterにシフトしたとすると、何が起こるでしょうか?

当然、Klout Scoreの関連パラメータに好影響を与えるような諸活動が盛んになるのでしょうね。例えば、ある集団において決め事をして、Klout Scoreが上がるようなツイート、RT、@付きコメントを膨大に発生させる等々。すると、Klout Score側でもそれを察知してその種の行動はスパム的な扱いではじくようにアルゴリズムを組み替える。するとまた頭のいい人がそれを潜り抜ける技を発揮して…。

というような世界はあまり考えたくありません。ほんとそうです。

タラ・ハント著「ツイッターノミクス」は、Twitterなどのソーシャルメディアが贈与経済(同書中ではギフト経済と表記)的な原理で動いているということが書いてあります。私も最近はようやくとそのことがわかってきました。あの世界で動いている原理は、互恵、互助、贈与、共感、といったものです。
それを踏まえて言うと、Klout Score的な影響力指数が彷彿とさせるテレビ広告の視聴率競争のようなものは、Twitterには合わない。そんなものはTwitterのなかで、おそらく、スルーされる。そんなものを活用しようとする企業は「ウッフィー」をなくす。そんな風に思いませんか?

ビジネスにおけるTwitter活用については、今後も考え続けていきますが、既存のマーケティングに見られる「資金投下→指標による結果計測」とは異なるアプローチでないと、ダメだろうなという気はしています。

dimaizum

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プロフィール

今泉 大輔

今泉 大輔

株式会社インフラコモンズ代表取締役。
国内の太陽光、木質バイオ、石炭火力の発電案件。海外の天然ガスに関係した案件の上流部分のアレンジメントを行っている。その他、リサーチ分野として、スマートグリッド、代替的な都市交通、エネルギーの輸出入。電力関連の近著も。

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