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リサーチャー目線でKindle関連の資料を巡ってみると非常にびっくりします。すごい数字がいっぱい出てくる。

Amazonの2009年10-12月四半期の純売上高は前年同期比42%増の95億2,000万ドル、営業利益は同75%増の4億7,600万ドル。営業利益が7割以上増えるというのは尋常なことではありません。Amazonの業績は今が絶好調のようですね。

これを支えているのが何とKindle。AmazonにとってはKidleのおかげで「この世の春」がキタ━(。A。)━(゚∀゚)━(。A。)━!!という感じではないでしょうか。

昨年の感謝祭前後にAmazonでもっとも売れた商品がKindleだったそうです。
残念ながらAmazonはこの数字を発表していません。皮算用ですが、一般的に感謝祭~クリスマスの時期には年間小売の3割が集中すると言われています。米アマゾンの年間売上(同社総売上の半分)の3割が36億ドル。数百万点を扱う同社の中でトップセラー=Kindleが仮に5%売れたとすると、1億8,000万ドルになります。まぁ妥当な水準というところでしょう。しかし電子書籍端末の売上、しかも11月~12月の売上としてはすごい数字です。

すごいのがリンク先にあるグラフの写真

これは昨年5月にKindleの新型端末DXが発表された際にジェフ・ベソスが使った発表資料。同社ではKindle端末およびKindle版書籍の販売実数については公表しない方針だそうですが、(1)現在では書籍部門の売上の35%をKindle版が占めること、(2)Kindleバージョン2が発表された2009年初頭にKindle版の売上が急増したことを公表しています。写真は(2)に関わるものですね。

以下は同社1月28日付けプレスリリースからの超訳。
「Kindleはすでに数百万のお客様に使っていただいている。彼らは実にたくさんの本を読むんだ。現在では従来型の書籍が10冊売れるごとにKindle版が6冊売れるまでになっているんだよ(顧客1人当りの購入冊数が多いわけさ)。」

というわけで、Kindle関連のネタは尽きません。これと併せて米国電子書籍市場の動向、対抗するソニーの電子書籍端末、そしてこれから出てくるiPadの電子書籍端末としてのアナリスト予測などを組み合わせると、非常におもしろい図式が見えてくると思います。

ということで、その関連の最新情報を2月25日木曜日20時から赤坂で開催される飲み会的イベントで発表します。(飲み放題付きで3,000円、お安いです)

SocialWeb2.0Party 第3夜 「ソーシャルアプリ、ソーシャルゲーム、ニッポン元年! mixi、モバゲー、GREE オープンプラットフォーム化とキンドル、iPad発売で加速する電子パブリッシングーその現状と未来―」

iPhoneを活用した電子書籍プラットフォームとして注目を集めつつある「Handbook」のインフォテリア株式会社 代表取締役社長/CEOの平野洋一郎さんも特別講演をなさるそうです。ふるってご参加下さい。

dimaizum

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プロフィール

今泉 大輔

今泉 大輔

株式会社インフラコモンズ代表取締役。
国内の太陽光、木質バイオ、石炭火力の発電案件。海外の天然ガスに関係した案件の上流部分のアレンジメントを行っている。その他、リサーチ分野として、スマートグリッド、代替的な都市交通、エネルギーの輸出入。電力関連の近著も。

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