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いまどきのシステム開発に主観的視点でメスを ~メスの入れ間違い御免~

技術者育成

2005/10/14

今日UTIのイベントで効果的な技術者教育のベストプラクティスに関するセッションを実施しました。そこで触れた内容について書いてみます。

技術者研修は非常に難しいとおもいます。会社組織における技術者研修は単なる要素技術の研修であってはなりません。もちろん、要素技術も必要ですが、それを突発的に単体で受講しても会社としては成果は望めないということです。

研修を実施するときに忘れてはならないのが、スキルパスです。会社としてどのような人材が必要でそのロールに至るまでにどのようなパスがあるかを設定し、そのスキルパスに則してどのような研修が必要かを検討する必要があります。つまり、目的を明確にすることです。そのスキルパスに則した講座がいくつかあるわけですが、それらの講座一つ一つにも目標を設定し、そのコンテンツを受講することで何が得られるのか(何を得なければならないか)を明確化する必要があります。

このように会社で必要なロールを設定しそのロールになるために必要な研修を設定し、それに則して研修することが本当にその組織で必要な人材を育成できるかどうかを左右すると考えます。

また、それだけでなく、研修を実施するにしても効果を出すためにいろんな施策を実施する必要があると思います。まず、本当にその研修を受けて成果が望める下地があるのかを確認するために事前診断を行い、足りない箇所の補足や、講座のカスタマイズ、レベルの設定をする必要があります。講座を実施する際も動機付けを受講者に対して行い、何のために何を習得するのか意識させる必要があります。研修実施後は目的を達成できているかどうかを事後評価し、達成度を図ります。足りない箇所があればそれを補う補講も必要でしょう。

研修が終了したらそれで終わりではなく、組織が求めた成果が得られたかをチェックし、そうでないなら何が悪いのかを検討し、講座構成の変更、目的、目標の再検討などを考える必要があります。そのようにして、常に研修が適切なものになっているかをチェックし、改善し続ける必要があります。それを組織的活動として実施し、習熟度レベルを上げて行かなければなりません。

非常に難しい事ですが、会社として有能な人材を育成したいのであれば必要な活動です。

そんなことを考えて今、提案活動を行っているのであります。

そんな話をしました。

世の中の人材開発は遅れています。

人材開発の目的、目標、短期計画、長期計画が考えられている所は驚くほど少ないのです。それを組織的に改善するプロセスが定着しているレベルの会社は日本にいくつあるのでしょうか。

それを増やしていくのが私の仕事でもあるのですが。

やまぞ~

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山田隆太

山田隆太

株式会社豆蔵 コンサルタント
ソフトウェア開発の現場にソフトウェア工学を浸透させるべく奮闘中。
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