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Amazonから噂になっていたAndroidタブレットが発表されました。年末商戦を優先したため、RIMのBlackBerry PlayBookにそっくり(ODM先が一緒だから?)とか言われていますが、私は性能を落としてもっと軽いものがでるのではないかと思っていました。

Amazonは、Kindle Fireで3Q'11で100万台発売すると言っています。メディアタブレットの2011年の発売台数が6,400万台を予想されています("PCとスマートフォンとメディアタブレットの出荷台数予測(Sep'11)")。このため、四半期で100万台は市場の10%近くを狙うことを意味しています。

2010年のKindleは800万台販売されたと言われています(Amazonは正式なデータを公開していないので正確なところは分からない)。ただしこれは端末が100ドルに落ちたため達成できたと言われています。

100ドル前後言えば、ディスコンになって99ドル(安いタイプ)で投売りされたHPのTouch Padが売れに売れていたことがありました。このカテゴリの価格設定としては100ドル前後が目安な様な気がします。

このため、Kindle Fireは若干高い感じがしなくもありませんが、200ドルは他社から比べても安価部類です。200ドルの低価格設定はAmazonが取り扱っているコンテンツの消費用端末の役割があるため、低価格化できると言う物でしょう(ビジネスモデルが良く出来ている)。

このあたりはGoogleがAndroid端末を開発しているのと同じで、自社のメイン業務をサポートする端末を販売するのはリスクが少ないビジネスモデルになります。このため、端末のみを売ることをメインにするメーカにはこのような争いには苦しいかも知れません。

シャープのGALAPAGOSがいまいち波になれないのは、このあたりに問題があるのかも知れません(本も一緒に売ってはいますが)。ただし、AmazonはKindleを発売して一年間でたった24万台しか販売できず苦戦しましたが、それで撤退せずにやり抜いてKindleを立ち上げたことを考えるとビジネスは続けることも大切なのではないかと思えてなりません。

Amazonは本の販売をメインとしているため、Kindle Fireの差別化をそれほど重要でないと思いますが、Amazon Silkは面白いか取り組みに見ます。Opera miniのやり方と一緒じゃないの?と思わなくもないですが、こちらの方がよりサーバに負荷をかけている感じがします。このあたり、GoogleのChromeに盛り込んだ先読み等の機能も盛り込めばWEBブラウジングがもっと楽になるかも知れませんね。

Kindle Fireは自社コンテンツ消費端末の役割があるため低価格で販売できます。他社が高性能なメディアタブレット(CPUとかGPUとか)で差別化してきても、Amazonはその競争に乗らなくてもいいため独自路線を貫くことが出来ます。ゆくゆくは本を読むためにもっと特化した後継機種が出てくるかも知れません(軽いのを期待!)。

AmazonのKinld Fireでどの程度市場に受け入れられるかまだ分かりませんが、Kindle端末と見れば既存製品の価格比程度は売れると思うので、3Q'11のAmazonの目標は達成できると思います。もしかすると年末商戦に向けて大幅にディスカウント(100ドル前後)して強引に販売数を増やす対策を打ってくるかも知れません。そのようになると、メディアタブレットの出荷台数はGartnerの予想よりも多くなるかも知れません。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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