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WWDC 2011でいくつかの発表がありました。その中でiOS5の発表を聞くと、MacBook AirへのiOS搭載の確率が上がったと思ったからです。

iOS5のざっくりとした評価は、総裁の"iOS5の新機能を10文字でまとめた。"が分かりやすいと思います。

ここで、Appleの販売台数を図示してみました。iPodの初年度は、正確な数字は出ていませんが、翌年の前年同期比から出しました。

(出典:Apple)

Apple TVの販売台数はありません(数字を出したくないほどなのかな?)。各カテゴリの売り上げまで出していないため、出荷台数比率=売り上げ比率ではないでしょうが、それでもMac OS XよりもiOSの方がより出荷台数は多いことになります。iPodのうちiPod touchの出荷台数は分かりません。

また、Google Insights for Searchで4つの製品の検索状況は以下になります(iMac、MacBook、Mac Pro等をMacに加算してもそれほど増えなかった)。

検索結果と出荷台数に相関関係は少し薄いですが、MacとiOSの相対地位が逆転しても不思議ではありません。

この状況でiOS5で"PCフリー"は当然の帰結のように思えます。いや、これは"Macフリー"、"母艦フリー"、"iOSが母艦"と言い換えてもいいのではないかと思います。これで、MacBook AirへのiOS搭載への外堀は埋まったように思えます。他に、外堀を埋める要素は以下になります。

・ARMの高速化へのロードマップ
・iOSガジェットのCPUの自社設計(製造は現在Samsungだが)

iOSガジェットのCPUの自社設計していることを考えるとiOS搭載デバイスが多ければ多いほど、コスト競争に勝てます。iPhone、iPad、iPod touchで採用され、Apple TVもCPUがチェンジされています。次はどこに採用されるか?となれば、最も低性能なMacBook Air/MacBookが対象になるのは自明な帰結です。

性能に関しても、ARMのロードマップを考えれば杞憂でしょう。A5は、45nmプロセスのデュアルコアのCortex-A9です。2012年にはシュリンク&高周波数版か、シュリンク&4コア版が登場するでしょうし、2013年にはCortex-A15搭載版が登場するでしょう。もしかすると、コアの性能化をより推し進めるために、NVIDIAやQualcommのようにコアに独自設計を盛り込むかも知れません。

これにiOS5で母艦フリーになったことで、Macの呪縛から逃れて、iOSガジェットをメインとして使用することも可能です。

また、iPadはお世辞にもキー入力が便利なガジェットとは思えません。ハードウェアキーボードを搭載したクラムシェルタイプ(クラシックノートタイプ?)を待っているユーザはいるでしょう。

もし、AppleのCEOが"筆記用具を再発明してみた"と発言してiOS搭載のMacBook Air(iPadよりちょい重めで現行のMacBook Airより軽い)を出してきても何も不思議ではないでしょう。

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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