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本書はバスケットボールの名監督のリック・ピティーノ氏の自己啓発本です。本書のなかで特に心に響いたものを列挙しました。

・自尊心を高めることが重要
・努力が大切
・成功するかどうかは自分にかかっている
・変化を起こして人生を変えるのに遅すぎることはない
・人はみなプライドを持っているから、それを人前で傷つけられることをとても嫌う
・ポジティブな姿勢を貫く
・過去への後悔や未来への心配ではなく現在の課題に集中することは大きな恩恵をもたらすポジティブな態度
・些細なことでも誤解を生じると人間関係がこじれる
・自分が何を言うかよりも、どれだけ相手の話を聞くかが重要(聞くことと話すことの適正な割合は4:1)
・偉人達の人生を検証すると、非凡な業績を上げたのは、運命や神の思し召しによるものではなく、非凡な規律に従ったからだということがわかります
・成功に近道はないことを肝に銘じなければなりません
・あなたを偉大にするのは粘り強さです
・努力すればするほど、屈するのが困難になる
・失敗が本当に悪いものとなるのは、それをあきらめる口実に使うときだけです

努力が大切とかポジティブな姿勢等は良くある自己啓発本と変わりないのですが、叱るときの工夫やコミュニケーションに関しては、スポーツ界のコーチ特有の傾向がみえているように思えます。ある世界的な強いサッカーのユースのコーチの話で、選手から人前でしからないでほしいと要望を受けたそうです。そのチーム(サッカーをそれほど知らない私でも知っている強いチーム)のユースに勧誘されるほどの選手のため、プライドをずたずたにされる行為は耐えられないのでしょう。ですが、これはなにも鼻が高いプロスポーツ選手だけに適用されることでしょうか。一般的な職場等にも適用されると思います。それはぞんざいに扱われれば誰しも気持ちがいいものではないですからね。

コーチのためかコミュニケーションに関するアドバイスが多い感じしました。特に聞くことと話すことの割合に関しては、試してみたいものです。コミュニケーションとは話し合いを行うことではなく、納得しあうことでしょう。この場合に、より上位側もしくはコミュニケーションをとりたいと思っている側は伝えることで納得できても、聞く側が一方的な情報伝達で納得できるでしょうか。当然そうはなりません。聞く側が納得するには同程度の話したいはずです。4:1の割合は伝える側が意識としては必要な数字だと思います。

スポーツでは最後まであきらめずに挑戦し続けるのが大切と言われています。特に大逆転のケースなどはその最たるものです。このため、本書でも同様な言葉出てきますが、某有名なバスケットボール漫画の名言である"あきらめたらそこで試合終了ですよ。"がそのことを最もわかりやすく表現していると思います。

これは当然スポーツだけではなく、「渡辺くん、あきらめたらそこで試合終了だよ」とかにも使用されます(同じ勝負事だけど)。また、あるWEBサービス系が成功した理由に"あきらめなかったこと"をあげる方もいます。あきらめないことが唯一の成功へのプロセスなのかも知れません。

また、人材採用条件"PHDの精神を持つ"と本書内で語っています。P=Poor(知識欲に飢えている勉強熱心)、H=hungry(絶対に成功するというハングリー精神)、D=Driven(野心的な目標を掲げ、猛烈な勢いでそれを追求する)とありますが、これはプロスポーツ業界だけではなく一般的な企業にも合致します。このため、スポーツ系自己啓発本と狭い範囲で考えて読む必要はないと思います。

本書で取り上げられていることはすぐにでも実践可能ですし、どのようなことでも普遍的に重要なことがいくつもあります。今の自分の状況を改善するためにも少しでも使えそうなことは採用していきたいと思います。

【本】
"ハーバードの「世界を動かす授業」"の感想
"失敗の技術"の感想
"巨象も踊る"の感想
HTML5ガイドブックの感想
"採用は2秒で決まる!"の感想

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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