« 2010年9月17日

2010年9月20日の投稿

2010年9月21日 »

IDF 2010 San Franciscoが行われたので、その感想を書いてみます。

IDF 2010の目玉はなんと言っても2011年初頭に発売されるSandy Bridgeの概要を発表されたことでしょう。「Intelが次世代CPU「Sandy Bridge」の詳細を発表」や「なぜSandy Bridgeはそんなにパフォーマンスが高いのか」が詳しいです。Sandy Bridgeの特徴は、GPUを搭載し、SIMDの拡張がメインに見えますが、シングルスレッド&消費電力あたりの性能向上も果たすようです。

これだけ見ているとMerom系からNehalme系へのジャンプアップよりも、Nehalme系からSandy Bridge系にジャンプアップした方がより多く機能が追加されているように見えます(もっと言えば、ヒルズボロのチームよりもハイファのチームの方が優秀に見える...)。

また、Sandy Bridgeはモジュール式でCPUを設計して多品種を作りやすくなっています。ただし、AMDも同様の方法をとっているため、PC向けCPUには必須の選択のようです。L2やHTの有無や一部機能をdisableにする方式よりも、シリコンを変えたほうが経済的でしょう(設計や試験などを考慮に入れるとどこまで経済的かわかりませんが)。Sandy Bridgeのダイ写真を見るかぎりGPUの脇はデッドスペースで、ちょうどCPU2コア分の幅です。4コアSandy Bridgeがダイサイズが23x平方mm程度らしいですが、2コアでGUPを半分にすると150平方mmをきるのではないかと思います。

Nehalem系の45nm世代はあまりの大きさにモバイル系(デスクノート系を除く)には持っていけず32nm世代まで待つ必要がありましたが、Sandy Bridgeはそのようなことがなさそうです。

ただ、Sandy Bridgeで気になるのは、GPUの部分です。2011年にはAMDも2つのCPU(LlanoとOntario)がGPUを搭載します。AMDはどちらのCPUもDirectX 11に対応します。2009年からDirectX 11が登場しているためOSとハードは既に対応した製品が出ていますが、2011年の時点でDirectX 10で登場するのはどうでしょうか?現時点ではDirectX 11に対応したソフトがそれほど多いわけではありません。ですが、登場時期(2011年)及びその後2年ばかり使用されることを考えれば、少しトレンドに沿っていないように思えます。

また、GPU部分をGPUにしか使用しない選択は、Larrabeeの取り扱いに失敗した形跡に見えます。AMDも今のところ単にGPUを搭載しただけで終わっていますが、GPU部分は決して小さくないことを考えると、GPUをGPGPUとして使用できるようにしたほうが良いのではないかと思います。OpenCLやDirectX 11が普及すれば使用するケースが増えるかも知れませんが、今のところ単にGPUをくっつけただけに見えます。

Sandy Bridge以外は、メディアタブレット向けのOak Trailが興味が引きました。2011年にはx86のメディアタブレットが大量に出てきそうです。OSも選ばないようですし、参加メーカも多い様なのでARM系メディアタブレットと競争が激しくなりそうです(メディアタブレットカテゴリには良いことです)。携帯ゲーム端末サイズの製品が展示されていたようですが、Intelが今まで作成してきたAtomの見本はほとんど出てきていないので、本当にこのサイズで出てくるか心配です(たぶんコストの問題で生産できないのでしょう)。

今回のIDFは、Sandy Bridge一色でした。ハイファのチームがTOCKの出番のためか、非常に期待されました。Sandy Bridgeはシングルスレッドも向上するようなので、Nehalem
系よりもパフォーマンスが大幅に上がりそうですし、GPUを搭載することでローエンドGPUは駆逐されそうです(性能しだいではミドルローレンジも対象になるかも)。まだまだCPUは発展するものなのですね。

【Intel/CPU】
AMDのBulldozerとBobcatの感想(Hot Chips 22)
Top500 CPUアーキテクチャの推移の考察(2010.6)
CPUの進化に関して
GPU競争の行方
SPECcpu2006の推移(2006.7~2010.4)

櫻吉 清(さくらきち きよし)

« 2010年9月17日

2010年9月20日の投稿

2010年9月21日 »

» このブログのTOP

» オルタナティブ・ブログTOP



プロフィール

櫻吉 清

櫻吉 清

IT業界ウオッチを趣味としている。知的好奇心の趣くままに何でもチャレンジして、とりあえず壁にぶつかってみる。

詳しいプロフィール

Special

- PR -
カレンダー
2013年4月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
kichi
Special オルタナトーク

仕事が嫌になった時、どう立ち直ったのですか?

カテゴリー
エンタープライズ・ピックアップ

news094.gif 顧客に“ワォ!”という体験を提供――ザッポスに学ぶ企業文化の確立
単に商品を届けるだけでなく、サービスを通じて“ワォ!”という驚きの体験を届けることを目指している。ザッポスのWebサイトには、顧客からの感謝と賞賛があふれており、きわめて高い顧客満足を実現している。(12/17)

news094.gif ちょっとした対話が成長を助ける――上司と部下が話すとき互いに学び合う
上司や先輩の背中を見て、仕事を学べ――。このように言う人がいるが、実際どのようにして学べばいいのだろうか。よく分からない人に、3つの事例を紹介しよう。(12/11)

news094.gif 悩んだときの、自己啓発書の触れ方
「自己啓発書は説教臭いから嫌い」という人もいるだろう。でも読めば元気になる本もあるので、一方的に否定するのはもったいない。今回は、悩んだときの自己啓発書の読み方を紹介しよう。(12/5)

news094.gif 考えるべきは得意なものは何かではなく、お客さまが高く評価するものは何か
自社製品と競合製品を比べた場合、自社製品が選ばれるのは価格や機能が主ではない。いかに顧客の価値を向上させることができるかが重要なポイントになる。(11/21)

news094.gif なんて素敵にフェイスブック
夏から秋にかけて行った「誠 ビジネスショートショート大賞」。吉岡編集長賞を受賞した作品が、山口陽平(応募時ペンネーム:修治)さんの「なんて素敵にフェイスブック」です。平安時代、塀に文章を書くことで交流していた貴族。「塀(へい)に嘯(うそぶ)く」ところから、それを「フェイスブック」と呼んだとか。(11/16)

news094.gif 部下を叱る2つのポイント
叱るのは難しい。上司だって人間だ、言いづらいことを言うのには勇気がいるもの。役割だと割り切り、叱ってはみたものの、部下がむっとしたら自分も嫌な気分になる。そんな時に気をつけたいポイントが2つある。(11/14)

news094.gif 第6回 幸せの創造こそ、ビジネスの使命
会社は何のために存在するのでしょうか。私の考えはシンプルです。人間のすべての営みは、幸せになるためのものです――。2012年11月発売予定の斉藤徹氏の新著「BE ソーシャル!」から、「はじめに」および、第1章「そして世界は透明になった」を6回に分けてお送りする。(11/8)

オルタナティブ・ブログは、専門スタッフにより、企画・構成されています。入力頂いた内容は、アイティメディアの他、オルタナティブ・ブログ、及び本記事執筆会社に提供されます。


サイトマップ | 利用規約 | プライバシーポリシー | 広告案内 | お問い合わせ