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前回(Javascriptベンチを取ってみた(May 7,2010))から、Chrome 5.0がstableに格上げ、Opera 10.60alphaの公開、Firefox 3.7 a5preの64bit版作成などがあったためJavascriptベンチを取ってみました。

Javascriptベンチは、SunSpiderV8 Benchmark SuiteDromaeo(Dromaeo Javascript Testsのみ実施)、PeaceKeeperTASKSPEEDで測定しました。

測定したPCは、Phenom II X4 940BE(3.0GHz)、Windows 7 64bitです。以下がその結果です。

Browser Sun Spider (ms) V8 Bench mark Suite (score) Dromaeo (runs/s) Peace keeper (points) task speed (ms)
Opera 10.60 264 4,170 3,371 8,806 1,974
Chromium 6.0.426.0 (4898) 277 5,328 6,220 8,570 2,090
Chrome 6.0.422.0 dev 284 5,127 6,096 8,131 2,245
Chrome 5.0.375.55 306 5,335 5,550 7,165 2,659
Webkit r60251 307 2,922 2,164 5,178 2,159
Chrome 5.0.375.70 beta 308 5,239 5,491 7,528 2,694
Opera 10.53 318 4,063 3,222 6,775 2,205
Safari 4.0.5 420 2,324 181 3,895 2,627
IE 9.0.7766.6000 513 855 166 2,189 -
Firefox 3.7 a5pre 611 1,046 166 3,833 3,460
Firefox 3.7 a5pre 64bit 629 1,021 140 3,728 3,961
Firefox 3.6.3 784 560 98 3,648 4,673
IE 8.0.7600.16385 4,216 140 - 1,048 -

SunSpiderとTASK SPEEDは数字が小さいほど速く、V8 Benchmark Suite、Dromaeo、PeaceKeeperは数値が大きいほど速いことを示しています。

Alpha版ですがOperaはSunspiderの結果に関してChromeを振り切って未だ1位の位置にいます。ただし、正式版に限れば、ほぼ同じ程度の数字になっています。

概ね速いブラウザ(Opera、Chrome、Safari)のSunspiderは、Phenom II X4 940BEクラスで300ms前後まで来ています。それ以外はかなり後方にいます。ただしIEも、FirefoxもJavascriptエンジンに投資を明言しているため、ベータ版などのその性能向上の一端を示されるかも知れません。

また、NetApplicationsのブラウザシェアをグラフ化してみました。

IEの下落が予想外に少なかったです。これは何を意味しているのでしょうか。昨年のMay'09も先月から上昇に転じていました。このため、季節的要因なのかも知れません。ただし、去年がプラスに転じていたのが、今年は微減に変わっていることを考えるとIEの求心力低下は止まっていないと判断が可能です。

Firefoxも伸びず減少しました。Firefoxはここ1年間で先月より減少した月が、5回もあります。頭打ちの様に見られます。Firefoxは今年中に4.0が出る予定のため、今は苦しい時期なのかも知れません。

そこで"ブラウザシェアを予測してみた(Chrome拡張)http://blogs.itmedia.co.jp/kichi/2010/05/chrome-6811.html"を元に来月のブラウザシェアを予測してみます。答え合わせはしなくても良いですよ。

ブラウザ May'10 share(%) Jun'10 share(%) (予想)
IE 59.75 58.6±0.4
Firefox 24.32 24.7±0.5
Chrome 7.04 7.6±0.2
Safari 4.77 4.8±0.1
Opera 2.43 2.4±0.1

【Javascriptベンチ】
Javascriptベンチを取ってみた(May 7,2010)
Web Wrokersを使ってマルチコアを使い尽くしてみた(Javascriptサンプル)
素数を Web Workersを作って計算してみた(Javascriptサンプル)

櫻吉 清(さくらきち きよし)

COMPUTEX TAIPEI 2010が行われました。私はPCユーザとしては、自作派(CPU好き派?)なのでCOMPUTEX TAIPEIの記事は楽しめます。そこで、COMPUTEX TAIPEI 2010の感想を。

タブレット型

2010年は、タブレット元年とも言われている(?)ためPCメーカもタブレット型に参戦してきています。製品の多くはWindows 7を搭載したタブレットPCのようです。また、AndroidやWindows Embedded Compact 7等を搭載したメディアタブレットタイプもあります。

現時点ではiPadの独走状態のタブレット型ガジェットですが、Windos系もしくはAndroid系がどこまでシェアを拡大できるでしょうか。私としては、Atom&Windows 7のタブレットPCは用途限られると考えるため、もう少し軽いものをお願いしたいところです。

3DMark 11

DirectX 11対応の3DMarkが2010年の第3四半期に予定されています。MSIがスポンサーのようですが、GPUメーカやCPUメーカがスポンサーにならない分いいでしょうか。

私は、ベンチ厨でもあるので3DMark 11はテッセレーターを多く使ったものになれば面白いと思います。今から楽しみですが、DirectX 11のビデオカード持っていないんですよね...

AMD、Fusionの披露

AMDがようやくCPUにGPUを搭載したFusionを披露しましたが、どうもLlanoではなくOntarioだったようです。Llanoは、モバイル・デスクトップのメインのCPUになる予定で、早ければ2010年の終わりに出荷されると噂されていました。Ontarioは、Atom対向製品のためNetbook以下のカテゴリ向けです。

IntelのSandy BridgeもGPUを搭載しますが、Llanoと違ってDirectX 10です。

このため、Llanoがデモされれば順調であることの証明でもあり、2010年に出荷の噂も現実味が帯びるかと思われたのですが、公開されたのがOntarioのためLlanoが順調でない可能性もあります。

ですが、Intelの警戒を弱めるためにもここでブラフを打っておくのも一つかも知れないと思うので、Llanoでない製品を見せた可能性もあるかも知れません。本当のところはわかりませんが。

Intel、Atomをプッシュ

オーバークロック専用製品であるCore i7-875K/Core i5-655Kや次世代の主役のアーキテクチャであるSandy Bridge関連以上に、IntelはAtomをプッシュしていたような気がします。

IntelがAtomを発表したときにMID(モバイル・インターネット・デバイス)を連呼していました。私は"そんなの普及しないよ"と思ったものです。つい最近まではそのとおりMIDよりもNetbookの方が普及していました。

ですが、時代がようやくAtom本来のターゲットであるメディアタブレットが花開きそうです。ただし、Atomは搭載した製品はまだNetbook以外成功はしていません。

それでもAtomが守備範囲内に金鉱脈が眠っていそうです。それを掘り当てるためにAtomをプッシュしているようでした。私の予想では32nm世代のMedfieldでAtomが爆発的に採用が増えるのではないかと思っています。そのための下地を作るために、タブレットPC・メディアタブレットに採用を増やすために現時点のAtomでプッシュしているのではないでしょうか。

■ノートPCの外付けGPUは毎年発表されるけど...

Express Cardスロットに接続する“外付けGPU”が毎年発表されながら製品化されていません。需要がないのでしょうか?現在のところモバイルの唯一の欠点はGPUを交換できないところだと思っています。CPUよりもGPUの方が機能追加が早いですが、ノートPCでは交換もできません。このため、外付けGPUには一定の需要があると思うのですが、一向に製品化されません。もう出ないカテゴリの一つなのかも知れません。

■まとめ

COMPUTEX TAIPEI 2010の今年の目玉は、やはりタブレット型に尽きるでしょう。これらが製品化されて、どの程度売れるのかわかりませんし、Netbookの売り上げにどの程度影響を与えるかわかりません。

Gartnerは、タブレットPCは100万台、メディアタブレットが1,000万台と予想しています。これはネットブックの4,000万台と比べると小さいですが、果たしてどこまで売れるでしょうか。私は今のところタブレットPCには未来がないと考えているため、苦しい戦いになるのではないかと予測しています。ただし、価格次第ですが。

Intel/AMDは、将来に向けての話でした。このあたりは、両社とも今発表できる新製品はないため、マザーボード及びビデオカードを製造を担っている台湾メーカ向けへのアピールでしょうか。

【PC関連】
GPU競争の行方
CPUの進化に関して
PC出荷台数予測は上向きにリフレッシュ
PCの定義って何?
iPad レビュー~もう少し軽ければな~

櫻吉 清(さくらきち きよし)

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