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仏France Telecom(FT)がFMCに向けて新たな事業戦略を開始した。同社がフランス、英国などの国で提供している携帯電話オペレータ事業「Orange」、ISP事業の「Wanadoo」、フランスで展開しているIPTVサービス「MaLigne」をOrangeブランドに統一するというもの。Equantなどの法人向け事業も「Orange Business Service」として展開するという。
同社はこれにあたり、FMCサービスをいくつか発表している。まず、携帯電話では、月額30ポンド以上を支払うポストペイド加入者向けに、「Orange Broadband」としてブロードバンドアクセスサービスを無料で提供する。また、今年9月には、1つの電話番号で携帯電話と固定電話を利用できる「Unik」を提供する。ブロードバンドサービス加入者は、WiFiを利用して自宅ではWiFi/IP電話として、外出時は携帯電話として利用できるもので、英国ではすでに英British Telecom(BT)が同様のサービスを「BT Fusion」として開始している。このほか、HD TVサービス、モバイルTVなどのサービスも発表している。
最初のブロードバンド無償サービスだが、英国の携帯電話チェーン店Carphone Warehouseが4月、自社の通話サービス加入者向けに提供を開始して話題となっている。これにより、フランスに比べると穏やかに見えた英国のブロードバンド市場が一気に活性化してきたように見える。実際、AOLが英国事業部の身売りを検討という報道もある。
英Vodafoneは赤、BTは青、Orangeはオレンジと、英国ユーザーにとってはわかりやすいブランディングとなった。
実際、FTにとって英国市場は要だ。というのも、Orangeは元々香港のHutchson Whampoaのオペレータ事業で、それを最終的にFTが手に入れた。現在でもOrangeは、Vodafone、O2(Telefonica)、T-Mobileとシェアを分け合う4強の1つだ。
FTによる買収の経緯を説明すると、最初にHutchsonからOrangeを取得したのはドイツのMannesmann。だが、英VodafoneがこのMannesmannと合併することになり、独禁法違反の観点からOrange事業の切り離しが必要だった。そこでFTが名乗り出て獲得した。
FTがOrangeに興味を示したのは、英国市場進出やOrangeがすでに3Gの免許を取得していたこともあるが、オランダKPN Mobileへの仕返しもある。KPNはその前に、FTと争った後にドイツのE-Plusを取得しており、FTは苦汁をなめた。Orangeを狙っていたのは、FT、KPN、Telefonicaなどで、FTはMannesmannがHutchsonから取得したときよりも高い価格でOrangeを手に入れた。これは1999年~2000年の話で、まだテレコムバブルが崩壊する前だ。
Telefonicaはその後、O2を買収することで英国市場に参入している。また、Orangeを売ったHutchsonはその後、3G専業オペレータ("3")として英国市場に再参入している。
*写真はパリ市内のFrance Telecomショップ。新しいキャッチフレーズは"Open"となる。
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