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2005年もあと2カ月に入るという間際、欧州モバイル市場に大きな波が起こった。10月31日、スペイン最大手の通信事業者Telefonicaが、英国オペレータのO2を買収する計画を明らかにしたのだ。買収金額は177億ポンド(約3兆5400万円)。以前から買収のうわさが絶えなかったO2だが、TelefonicaがO2を手に入れることになりそうだ。

06102005_022_s02は英国が誇るオペレータの1社で、英国でのシェアは英Vodafone、独T-Mobile、仏Orangeの3社とほぼ4分している。ドイツ、アイルランドでも展開しており、スペインぐらいしか欧州に大きな市場を持たないTelefonica(携帯部門はTelefonica Moviles)にとっては、以前から格好の買収ターゲットとなっていた。買収のうわさはここ1年あったと思うが、Telefonicaのお尻に火をつけたのは、今年8月に明らかになった独Deutsche Telekom(T-Mobileの親会社)とオランダRoyal KPN(KPN Mobileの親会社)による共同でのO2買収計画。また、仏France Telecom(Orangeの親会社)によるスペインのオペレータAmena買収決定も、無関係ではないだろう。

欧州市場は、英Vodafone、仏Orange、独T-Mobileなどのオペレータが複数国で展開するという複雑な構図だが(詳しく知りたい方は、古い記事ですがこちらを参照)、このところ、じわじわと淘汰が進んでいる。通信バブル崩壊の痛手から回復したオペレータは、資金を効果的に使って生き残ろうと必死な様子。これまですんなりとはなびかなかったO2も、177億ポンドならと判断したのだろうか? ちなみに、O2は英British Telecom(BT)のモバイル部門が2001年にスピンオフした会社。そのBTは、MFCでモバイル部門に再参入を図っている真っ最中だ。

さて、TelefonicaとO2は市場がダブっていない。なかなかのマッチングだと思うのだが、iモード提供という点でも一致している(O2のiモードに関するインタビューはこちらに)。

なお、欧州のメディアの報道を見ると、この買収計画に待ったをかけるオペレータがでる可能性もあると予想している。欧州の通信業界にとっては、しばらくは目が離せそうにないニュースだ。

iモードで一つ余談を。Telefonica、O2と聞いて、真っ先に浮かんだのは、両オペレータが共通してiモード開始前に行っている“プレスツアー”だ。自国のジャーナリストを日本に招待し、日本の携帯文化を見せる(啓蒙する)というものらしい。このプレスツアーに参加したというスペインと英国の記者に、別々の場所でこの話を聞いたのだが、共に「渋谷に連れて行かれた」といっていた。iモードを提供する国は、どこもこのプレスツアーをやっているのだろうか?

*写真は、ロンドンで見かけたO2ショップ。Vodafoneの赤に対し、青が同社のカラーだ。ちなみに、Orangeはオレンジ、T-Mobileはピンクである。

sueoka

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末岡 洋子

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