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もうすぐ9月になる。欧州では、9月以降12月末まで、携帯電話メーカー各社による新製品発売ラッシュを迎え、にぎやかな次期が続く。携帯電話はクリスマスプレゼントとして定着しており、各社はこの期間に年間総販売台数の多くをさばく。欧州携帯市場にとって、この4ヶ月は重要な時期だ。

欧州では今年が3G元年と言われている。英Vodafone、仏Orange、独T-Mobileなど、欧州の主要オペレータは昨年秋より次々と3G通話サービスを開始、今年の年末商戦でさらなるプッシュをかけると思われる。

日本や韓国と同様、成熟市場の西欧州だが、米IDCが先に発表したレポートによると、今年2005年の西欧州・携帯電話市場の年間成長率は11%と、順調に推移する見込みという。けん引役となるのは、3G端末と音楽などのメディア端末。第2四半期、3G端末は164%増で成長し、同期出荷された全端末に占める割合は12%となったが、IDCでは通年ではこの数値は14%に増加すると見込んでいる。

062005_002_sベンダー別シェアだが、フィンランドNokia(35%)、韓Samsung(16%)、米Motorola(15%)、英Sony Ericsson(11%)、独Siemens(6%)。激しい2位争いを続けているMotorolaとSamsung、西欧州ではSamsungがわずかにリードとなった。Samsungは実際、今期は前年同期比113%増で成長しており、これには驚いた。IDCのレポートでは、低迷し続けるSiemensのパイを食っているのがSamsungと分析している。Samsungを持っている友人がすぐに思いつかないが、フランスでは女性に受けている気がする(かといって、私の友人に男性が多いわけではないです)。私の周りではSony Ericssonが増えたが、Sony Ericssonはシェアを1ポイント落とした。最大手のNokiaだが、西欧州でもシェア値を増やしたほか、今期は世界ベースでの3G端末(出荷台数ベース)でも好調な成績をおさめ、首位だった韓LGを押さえ、首位となったようだ。

先に“3G元年”と書いたが、正確には、欧州で最初に3G通話サービスがはじまったのは2003年のこと。香港のHutchison Whampoaの英国子会社、3(“Three(スリー)”)が、2003年3月3日(03.03.(20)'03と3が並ぶ日)に英国で3Gサービスを開始した。初年度は伸び悩んだが、昨年はじめから加入者を順調に伸ばし、2004年末時で302万人と発表している。他社が様子をうかがいながら用心深くローンチしたことを考えると、やはり3の果たした役割は大きいと思う。

ちなみに、その欧州における“3G先進国”、英国でのおもしろい調査結果が出た。それによると、WiFi、GPRS、3Gの違いが分かる人はわずかに5%。オペレータ、端末ベンダー各社の積極的なマーケティング活動にも関わらず、95%は3GとWiFi、GPRSの区別がついていないのだそうだ。驚く一方で、一般ユーザーにとって技術とは利用できればそれでよいのだから、とも思う。

ちなみに、外出先でのデータアクセス手段を聞いたところ、75%がWiFiと回答。2%が3Gデータ通信カード。なお、Blackberryと回答した人は14%もいたという。ロンドンにはStarbucksをはじめ、WiFiサービスのあるカフェやパブがあふれているから、これには納得(その割には、ホテルではWiFiをはじめインターネットサービスがあまり一般的ではないのが不思議だ。外にインターネットカフェがあふれているからだろうか)。ユーザーの70%が週1回以上のペースで公共アクセスポイントを利用しているという。

がこれはあくまで英国の話。私の本拠地フランスは、これにはまだ程遠い状態だ。なお、英国ではWiFiユーザーの過半数(58%)は、WiFiサービスを利用するために、飲み物や食べ物を購入するとのこと。

*写真はパリで増えているSamsungのショップ(実はいま韓国にいることもあってSamsung)。後ほど、他にも写真をアップします。

sueoka

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末岡 洋子

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欧州在住、フリーランスのライター兼ジャーナリスト。

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