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木曜日、30度の暑さの上に知恵熱が出てボーっとしていると、夕方、雷がなった。「ああ、これで少しは涼しくなるかな」と思っていたら、電話が鳴った。以前から連絡を取ろうとしていたA氏からだ。留守電にメッセージを残してから数日が経過しており、「取材は無理なのかなー」と諦めかけていた後なので、感動で声が震える。ーー思えばこれが、最後の電話だった。さようなら、フランステレコム。窓の外は、雷とともに横殴りの雨。

その晩、かかってくるはずの友人から電話がない。変だな、と受話器を取ってみると「ガー」という音。「?」 暑さと知恵熱にまかせて、そのまま寝ることにした。

金曜日の朝。やっぱり間違いではなかった。電話はおかしい。受話器をとると「ガー」音。我が家は広さがわずか28平方メートルしかないが、モジュラーを差し込む口は3箇所ある。他の2箇所を試してみても「ガー」。携帯電話から電話してみるが、電話は鳴らない。

062005それでも困らなかった。本当に用がある人は、携帯電話か、電子メールか、郵便か、直接自宅に来るはずだ。発信する分には携帯電話があるし、ISPがADSLパッケージの一部として提供している電話サービスがある。ADSLのボックスにモジュラーを差し込んでいる電話から発信できるのだ(つまり、我が家には(FAXはないが)電話器が2台ある)。ちなみに、この場合、フランス国内は無料、国際通話もフランステレコムより安いので、発信用にはこちらを利用することがほとんど。ただ、2つ電話番号があるとややこしいので、最初から持っているフランステレコムの番号しか人には伝えていない。

金曜の午後、フランステレコムに問い合わせてみた。どうやら木曜日の雷が原因だという。電話口の人は、散々待たせた挙句に「今日中に直るはずだから」というが、現時点で私の電話は、受話器をとれば「ガー」。沈黙を保っている。

この国でも、固定通信事業者は競争に立たされている。少し前に通信事業者同士が合併して、2番手以下の順位が入れ替わるなど、市場は大きく動いている。が、フランステレコムはこの余裕、である。

フランスでは現在、私のISPをはじめ、多くのADSL事業者が市内あるいは国内は通話無料というサービスを提供している。Skypeもある。もちろん携帯電話もある(携帯電話事業者も、ランチタイムや週末など、時間や通話先を限定してあれやこれやの割引キャンペーンを打っている)。こんなとき、固定通信事業者が出る対策といえば、「通話料金は下げて基本料金を上げる」だ。フランステレコムも例外ではない。今年に入って基本料金がまた上がった。現在、2ヶ月で約31ユーロ。

受発信にADSLの通話サービスを利用する人は増えたが、友人の多くは、念のためにフランステレコムの契約は残している。わたしも、1年ほど前からフランステレコムを解約しようかと迷いつつ、何かあったときのためにと残してきた。

これがいい機会かもしれない、解約しようかな。ちなみに、偶然にも知恵熱の原因は、お隣の国の固定事業者が開始するこのサービスをいろいろと調べていたからです。

写真は、ばかでかいフランスのモジュラー。

sueoka

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末岡 洋子

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欧州在住、フリーランスのライター兼ジャーナリスト。

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