最初のプレゼンは最大にして最低。本番の大切さを知った。
みなさんのプレゼンで失敗した思い出を告白していらっしゃるので私も。3人連続IBMという流れを切ってすみません。
思い出すだけで辛くなる、最悪のプレゼン(永井孝尚のMM21)
外国語のプレゼンの準備は周到に、でも度胸も大事(マリコ駆ける!)
英語のプレゼンで負った脛の傷跡(THE SHOW MUST GO ON)
私の最初のプレゼンテーションは大学時代です。担当講師の受け持つ授業で、ゼミを代表してマーケティングについてプレゼンテーションをする機会をもらいました。ですのでお仕事というわけではないのですが、京都御所の隣のキャンパスにある明徳館という最大級の教室で聞き手は200名くらいだったでしょうか、相手は1年次後輩なのですが舞い上がりました。しかも階段教室ですので視線もビシビシと集まります。
結果は惨憺たるものでした。ゼミの文化として「誰が、いつ、何人指名されるかわからないので原則として全員が発表の準備と練習をしてくる」ということがありましたので、それなりに場慣れはしておりました。また、これまでにゼミで発表した内容を再編集した発表であったので、練習不足や内容の理解不足ということもありませんでした。
ですので永井さんの二日酔い、マリコさんのサプライズ、岩永さんの土壇場での尺変更のようにコンディションが悪かったというわけではありません。しかし早口だったこと、聞き手は「これから」マーケティングについて学び始めるということ、そもそも授業だから聞きに来てるわけで自分の話に興味を持ってくれているわけでないこと、10年たった今思い出しても失敗したところがすぐに10以上思いつきます。舞い上がってしまったんですね。緊張して固くなったのでなくて「ハイ」になってしまったというやつだと思います。思い出すだに辛いです。あと聞いてくれた人ごめんなさい。
それはさておき、リアルコムの竹内さんと以前お話した際にこんなことを聞きました。
「飛行機のライセンス取るときって、飛行中に教官が『ブチ』ってエンジン切るんだよね」
本当になにかあれば教官が回復してくれるにせよ、上空何千メートルでエンジンが切れたら緊張すると思います。シュミレータでも教科書でも操作の訓練はできると思いますが、自分と教官の命を賭けて実際にやってみること、それが重要なのではないかと思います。
同じように山梨大学医学部附属病院のサイトにある「病院の使命」でもこのようなことが掲げられています。
大学病院は、将来の医療を担う医療人を養成する役割があります。
患者さん方にご協力をお願いいたします。
臨床教育の充実は患者さんの治療につながります。山梨大学医学部附属病院 病院の使命 <http://www.hosp.yamanashi.ac.jp/outline/shimei/index.html>
誰もが研修医よりもベテランの医師に診てもらいたいと思うことでしょう。しかしベテランの医師も昔は研修医だったわけで、若い頃は注射針がうまく刺せないとか手術で危ない思いをしたという人もいるのではないかと思います。痛い思いや苦しい思いをするかもしれませんが、研修医さんの将来の活躍を思って協力することが大切ですね。
ビジネスの現場でも同じことが言えると思います。社内や外部研修などでいくらプレゼンテーションの練習をしても、本番でのセッティングが変わることは少なくないですし、プレッシャーの度合いも違います。なによりプレゼンテーションは聞いている人の雰囲気が非常に重要です。自分の人事権を握る人であったり、自分の提案を買う決定権を持つような人にプレゼンする場合と、自分の知り合いにやるのとではやはり勝手が違うと言えるでしょう。
もし自分が聞き手だった場合、未熟なプレゼンを聞いてどう感じるだろうか、と考えてみました。それが「不慣れ」なものなら意地悪して楽しむかもしれません。それが「未熟」すなわち、まだ表に出すのが早いのに連れてきたとか、基本的な準備不足だったりすれば怒るかもしれません。しかし「不慣れ」を怒るのはビジネスマンとして失格ではないかと思います。(愛のムチはあげるかもしれませんが)自分だって昔はそうだったじゃないか、自然とそう思える素敵なおっさんになれるようにこのブログに書いて残しておこうと思いました。若手は最前線で成長します。勝つことも重要ですが、負けることのほうが学ぶことが多いかもしれません。この不景気で若手に冒険させる余裕は少ないかもしれません。負けさせるなどとんでもないかもしれません。しかしそこで若手を守りすぎるのもまた失うものがあるように思います。