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英語のプレゼンの準備は周到に、でも度胸も大事

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永井さんの「思い出すだけで辛くなる、最悪のプレゼン」に触発されて、私も若かりしときの恥をさらけ出すことしたい。

まだIBMに入社して2~3年目くらいだったと思う。営業から、顧客の役員に英語で担当製品の紹介をしてほしいと頼まれた。

「えっ、でも私、プレゼンするほど英語なんて出来ません。」
「英語会話のクラスでは結構流暢に話していたじゃない。その役員は日本に長くて日本語が結構堪能なんだよ。だから英語と言ってもさぁ、ちゃんぽんでいいんだよ。俺だって片言で話してなんとかなっているんだから」

当時、英語会話の先生を呼んで社内で英語会話のクラスが開かれていた。英語会話と言っても海外出張に行く時に必要な英語会話程度のクラスだった。
私の発音がきれいだったので、とっても英語が出来そうと勘違いされたらしい。

若いということは無謀で偉大だ。
私は自分の英語の実力が、ビジネス英語に耐えられないことは理解していた。しかし、役員にプレゼンするという機会を絶対に逃したくなかった。(入社年度の若い私にこの仕事が来たのは「英語」だったせいだ)

無知というのは度胸をうむ。私は他人の英語のプレゼンテーションすら聞いたこともなかったので、なんとかなるさと楽観的に引き受けたのだ。

そんな調子で営業に頼まれた案件だったので、納期もなく、プレゼン資料をなんとか翻訳し、その資料をなんとか棒読み出来る程度の英語の準備しか出来なかった。

さて、当日、日本人特有の言いわけから始まるプレゼンテーションだった。
I am so sorry that I do not speak English very well, but I will try to do my best...(ちなみに、今ならどんなに下手でもこんな言いわけはせず堂々話すところは進歩かなぁ)のようなことを(流暢には)言ったら、その役員が英語で「だったら日本語でよいよ」とおっしゃってくださった。

肩すかしを食った感はあったが、ほっとして、緊張の糸が緩んだ瞬間のことだ。情報システム部長がたいそう流暢なそれも格調のあるビジネス英語で「いえ、IBMには英語に堪能なスペシャリストを連れてくるように要請しておりますから、英語でやりましょう」と言ったのだ。

目が点になりました。。。。英語に堪能なスペシャリストって・・・誰??

そこからの私はただひたすら、日本語を決して話さないことだけを意地になって頑張り、英語で話し続けた。

どうやらその情報システム部長は、営業が若い女性を連れてきたのだから、製品のことは余りわかっていなくても、帰国子女で英語くらいは話すのが上手なのだろうと思っていたらしい。そしてそうではないとわかり、気の毒に思って下さったらしい。(自分の立場もないと焦ったに違いない)

私のモタモタする英語を聞いては、彼が流暢にサマライズして、「こういうことだよね?」と言い、私が「Yes」と応える、なんともさえない、でもなんとか通じる説明会が終わった。

役員に聞かれた質問はすべて回答できたので、「まぁ、英語は下手だったけど、中味は悪くなかったよ」と最後は情報システム部長も褒めて(??)下さった。

今思ってもこのくそ度胸はあつかましい。
でも、こういう経験を通して(英語が下手だとはっきり言われた初めての経験だった)、私のビジネススクールへの留学の道につながったと思う。

あれっ?まるで準備が悪くても英語のプレゼンを引き受けろという結論みたい?(笑)

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