思い出すだけで辛くなる、最悪のプレゼン
心の奥底にしまっておきたい気持ちもありますが、もしかしたら反面教師的に参考になる方もおられるかもしれません。
自分への戒めにもなるので、あえてブログに書きます。
今でこそ、流暢ではありませんが、私はそれなりにプレゼンが出来るようになりました。
しかし元々はとっても苦手でした。
入社研修の頃に行なった3分間スピーチでは、しどろもどろで何をしゃべっているか分らず。(でも、他の新入社員も似たようなものでしたが)
しかし、今回の話はプレゼン等の経験も色々と積んだもう少し後になってからのこと。
十数年前、ある製品を担当していた頃の話しです。
海外で各国の社員やマネージメントが多数参加し、数日間のコンファランスを行いました。
私の仕事は主にチームリーダーを補佐することで、プレゼンはしなくてもよい立場でした。
二日目の夜、歓迎会がありました。
ここの国の人達の飲みっぷりはすごいものがあります。
午後6時から始まった宴会は宮廷料理に始まり、2次会・3次会と続き、かなり飲んでしまいました。最後は午前様です。
翌日は二日酔いでグッタリ。身体が全く動きません。
「まぁ、話をする立場ではないし、...」と思っていましたが....。
このチームリーダーの方、とてもお茶目な方でした。
この日、彼が行うことになっていたプレゼン。
彼は急に気が変わり、プレゼンをやりたくなくなったようで、
「ボク、気が変わった。この会議を休んで、ホテルの自分の部屋に戻る。永井さん代わりにみんなに話しておいて。できるでしょ。そもそもコレ、永井さんの担当分野なんだから」
ううむ、「今さら、それ、言いますか?」って感じでしたが。
「永井さんの仕事でしょ」と言われると、ちょっと断りづらいものもあり...。
頭が普段の10%位しか動いていなかったこともあって体調は最悪でしたが、中途半端な責任感で引き受けて、私がやることになりました。
しかし、プレゼン資料を見直しますが、全く頭に入りません。
予行練習もままならない状況で、時間は刻一刻と過ぎ、自分の時間が来ました。
トップ・マネージメントの面々がいる前で、チームリーダーが事情により話が出来なくなった状況を説明し、プレゼンを始めました。
ちなみに、英語です。
だめでしたねー。
全く頭が動きません。
話せません。
二日酔いのノドはカラカラ。
頭は真っ白。
同じ言葉をボソボソと繰り返すばかり。
そのうち立っているのがやっとの状態。天井が歪んで見えたような気もします。
(「ううむ、これは現実なのだろうか?」)と思ったり。
出来は散々でした。
覚悟が足りなかったのですね。
実際、私のメロメロなプレゼンで、出席されていた方々の、二度と戻らない貴重な時間を無駄に数十分間使ってしまったのです。
まず本来は、私がいつでもプレゼンの内容を理解し、自分が担当している業務のプレゼンは常に即座に出来るようにしておきべきですし、体調管理を徹底し、翌日に響くような深酒はすべきではないですね。
また体調が悪い場合、チームリーダーにその旨を伝えて責任あるプレゼンができないことを申し出るべきだったと思います。
自分に出来ること、出来ないことを明確にしておかないと、自分が困るだけではなく他人にも迷惑をかけてしまうことを痛感しました。
しっかりと体調管理をするのは大前提、仮にできない場合はできないと言うべきで、中途半端な責任感は害があることが、身に染みました。
二年前の記事ですが、大和総研特別理事の田谷禎三さんが、2008/2/25の日本経済新聞「私の苦笑い」でも、プレゼンの最中に頭が空白になったときのことを語っておられます。
田谷さんは以下のように語っておられます。
場慣れすること、中途半端な準備はしないこと、体調を整えること
全くもって、ごもっとも。耳が痛いです。
ちなみに、やはり身体で覚えると身に染みるのか、その後十数年間、同じような過ちを起こしていないのは、救いかもしれません。