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NHKのポアンカレ予想の番組の感想

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スラドなどでそのニュースは聞いていましたが、ポアンカレ予想というとても難しい数学の問題が解決されて、そのことに対して数学界のノーベル賞と言われるフィールズ賞が与えられたけど、当人である数学者が受賞を辞退した、ということがあったそうです。今晩NHKでその流れをまとめた番組が放映されていました。(ポアンカレ予想・100年の格闘)番組では証明そのものはほとんど解説されませんでしたが、どうせ見てもわからなかったと思います。ポアンカレ予想がどんなものか、素人向けの解説ではなんとなく理解できたかな?という程度でした。

世の中には趣味で科学が好きという人がいるように思います。Newtonや日経サイエンスを読んだり、Wikipediaの科学カテゴリから知らない単語の解説を読みまくって休日が半分終わってしまったり、図解雑学やわかる!シリーズの本を読んでしまう人も少なくないのではないでしょうか。私は見事にあてはまります。勝手な想像ですが、ITmediaにお越しの皆さんは特にこういう傾向にある方が多いように思います。そういえば、ITmediaアンカーデスクに「科学なニュースとニュースの科学」というシリーズがありました。第5回はポアンカレ予想だったのですね。

ここ、ITmediaで見てみると、SFの話題にコメントを多くいただいたりですとか、SFカテゴリをお持ちのブロガーさんがおられたりですとか、科学関連のエントリ()がいくつもあったりします。スラッシュドットジャパンには、科学系研究者向けニュース、ITニュース、エンターテイメント系ニュースなど色々な分野のニュースがタレこまれますが、理系の香りがするものが多いように思います。閲覧者に理系の人が多いせいか、コメント欄もそういった傾向の内容が多く、それがスラドっぽさを醸し出しています。

それではシステムエンジニアに科学好きが多いかと言われると、そういう感じもしません。コンピュータが好きな人は多いのですが、科学全般の話題が好きという人は多くないようです。ベンチマークとして「かぐやの打ち上げ成功したらしいですね」という会話をしたときのことを思い出してみたのですが、「かぐや?」とかそういうリアクションが多かったように思います。ひょっとすると理系の人に科学っ子が少なく、文系の人こそコンプレックスで科学っ子になってしまうのかもしれないと考えたのがどうでしょうか。

一方で、オルタナブログでも論語に学ぶ:その1というエントリがありましたが、理系分野の人で哲学ですとか歴史を好んでおられるという人はたくさん知っています。私の従兄弟の理学博士も新婚旅行でイスタンブールの遺跡を見に行っていました。普段から科学に関する色々なことを押しててもらっている人でしたので、てっきりバイコヌールかどこかに行くものだと思っていました。

そういった形で文系だけど科学が好きな人と、理系だけど人文が好きな人というのはごく普通のことのようです。原子力開発や宇宙開発で文系の人がトップに立っているせいで現場の研究者・技術者さんが大変な思いをしているという事をしばしば聞きます。文系の人は文系の人で若かりし頃の数学へのトラウマにより理系の人に対してルサンチマンというか憧れと恨みの混ざったドロドロしたものを抱いているのかもしれません。それの埋め合わせに文系パワーを発揮して作ったルールや法律で理系の人を自分の尻に敷きたがっているのでは?というのは考えすぎでしょうか。今日はテレビを見ながらそんな事を考えました。

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