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心が折れてしまう前に予防的視点でのメンタルヘルス情報発信

認知行動療法 その3(自動思考を捉える)

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また少し更新できていませんでしたが、前回の続きで "自動思考" をどの様にキャッチするかと言うことをお話しします。

前回も述べました通り、"自動思考" はその名の通り、様々な状況下で自分の中で勝手に考えてしまっていることなのですが、これが感情を湧き起こす元になっている事に中々、自分自身で気付いていません。

"感情" は人間が生きていくうえで重要なナビゲーションであり、危機回避などに必要な本能でもあります。例えば目の前にライオンがいれば人は「恐怖」と言う感情を抱き、逃げるなど回避行動をとりますが、この感情が無ければ食べられてしまいます。

これは、自動思考として「ライオンは襲い掛かってくるに違いない」「食われてしまう」など、自分自身の中にある"ライオン"へのイメージを元に自動的に考えていて、その結果「怖い」と言う感情につながります。

極論になりますが仮に、その人の中に "ライオン" のイメージが一切なかったとして、動物好きな人だったりすると、「大きな猫だな」「かわいいな」と言う、自動思考が出て、「楽しい」「ワクワク」などの感情になるかも知れません。その場合はライオンに近づき、食べられてしまうかも知れません。これは少し極端な例ですが、その人の価値観で状況を"危険"と感じるか"楽しい"と感じるか全く変わってしまうと言うことです。

さて、この "自動思考" の捉え方ですが、実はかなり難しいです。それは普段意識せずに "自動" で "無意識" に考えているであり、短期記憶に浮かんですぐに消えてしまうためです。

そこでこの "自動思考" を自分で意識的にキャッチする必要があります。まず重要なのは "自動思考があることを意識する" ことです。普段から何かしらの感情(特に"怒り"や"悲しみ"などのネガティブなもの)が湧いたときに、「今自分は何を考えたのか」、「何を感じたのか」を自問自答して、その瞬間をメモなどで外在化します。

以前このブログでも紹介しましたが、メンタルログをのコツと同じで人間の短期記憶は直ぐに忘れてしまうため、その瞬間を外部記憶に残しておくことが大切です。人は普段使わない記憶は潜在意識下にしまい込んでしまいますが、外部記憶を手掛かりに思い出すことは可能です。

一日の中で、自分にとって一番心に引っ掛かって、引きずるような感覚があるもの(認知行動療法では"ホットな思考"と言います)に関して、その時に自分が「何を感じて、どう考えたのか」をメモしておきます。

①状況(その時何があったのか)

②感情("怒り"、"悲しみ"などその時にどの様な気持ちになったのか)

③自動思考(何を思ったか)

この3つをセットで外在化することを習慣化することで、普段から自動思考を捉える習慣を作ることができます。

まずは、"自動思考" の存在を意識して普段の生活の中で、"ホットな思考" を捉えて行くことを試してみて下さい。

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