あなたは演奏派?どこでも派?つまみ派?レゾナンス派?自作派?~シンセサイザーフェスタ2008
「タモリ倶楽部」という深夜番組があります。その名のとおり、メインはタモリこと森田一義さんが務めている訳ですが、その番組ではよく鉄道が取り上げられます。
タモリさんが鉄道ファン、ということもあり、始まったようですが、それのいつだったか、随分前の回で、「大きくくくると鉄道ファンだけど、それぞれ嗜好は違うんだ!」みたいな話をしてました。
はっきり覚えいる訳では無いのですが、
・乗る派・・・とにかく電車に乗ることが楽しい
・写真派・・・鉄道の写真を撮ることが楽しい
・収集派・・・古いものから珍しいものまで集めるのが楽しい。さらに細分化されて、切符を集める、だとか、払い下げ品を集める、だとかもある
・模型派・・・模型で鉄道を実現。さらに自宅にジオラマ作って自分がオーナーの”鉄道”を実現、というのもある
・時刻表派・・・西村京太郎氏の鉄道ミステリーよろしく、机上での旅行を楽しむ
・・・等、ざっくばらんに鉄道ファンと言ってもその楽しみ方は全然違う訳です。もちろん、全部オールラウンドにやっている、という方も居られるようですが。
さて、先週の金・土(2008年11月28日~2008年11月29日)に、東京の池袋にあるトヨタのショールーム「アムラックス」の5階にある「アムラックスホール」にて、「シンセサイザーフェスタ2008」なるイベントが開催されました。こういうイベントがある、というのは、先日、自分のブログでもご紹介させていただいたとおりです。
人に紹介しておいて、自分が行かないのもなんかな、と思い、また、現音ガ同メンバーとしては、唯一勤務先池袋方面メンバーなので「自ら行くしかあるまい!」と変な使命感を燃やして行ってきました。結果としてフルタイムでは無いものの、2日間とも行ってきましたよ、ハイ。
■初日(2008年11月28日(金))
この日は松武秀樹さんのライブが18時からスタート。そのオープニングアクトとして、Y.m.o(Yamaha mobile orchestra)の方が出演される、ということでした。Y.m.oのメンバーの方が以前自分のエントリーにコメントをくださったこともあり、これは是非見ておくべきでしょう、と、18時には間に合うように会社を出て、ライブのスタートから見ることができました。
実は、KDDIデザイニングスタジオで公開されていた「ガッキ ト ケータイ」展で披露されていたコンセプトモデルでの演奏を想定していたのですが、演奏していたのは極めて普通の携帯電話でした。
でも、そうか、普通の携帯電話でもこんなに様々な表現を出すことができるんだ、と改めて気づかされたのでした。
・・・自分は自分のケータイをほとんど使いこなせてないからなぁ・・・。
その証拠に・・・最初、画像ばっかり撮っていたのですが、「そうか!こういうイベントこそ動画で撮ればいいんだ!」と普段ほとんど利用しない動画機能で途中から撮影を切り替えたのでした。規制も無かったので。自分がつらつら語るより、まずは見ていただいた方が良いでしょう。(携帯に謎の再起動が掛かってしまい、途中で映像は終わっていますが)
http://youtube.com/?v=-Kwjq4rD25o
今後の展開、として、「Mofiano」(モフィアーノ)という商標で、携帯電話を楽器化できるソフトウェアの供給を始めるようです。これを利用したヤマハ自身での商品化は難しいものの、既に何社かと話は始めている、というお話がありました。ある意味、「vocaloid」と同じやり方なのかもしれません。
参考URL:
ヤマハ株式会社 「Mofiano」(モフィアーノ)公式サイト
http://www.yamaha.co.jp/product/lsi/mofiano/
その後、松武秀樹さんのライブが予定されていた訳ですが、嬉しい企画(?)、オープニングアクトと本編、という区切りがある訳ではなく、Y.m.o.演奏中におもむろに登場した松武秀樹氏が「おい!何やってんだ!演るぞ!」的な掛け声を掛けて、「RYDEEN」をY.m.o.に演奏させながら、自分のライブになっていく、という演出もあったのでした。
ぶいぶい発振してました。こちらも表現力の無い自分よりも動画の力を借りましょう。音の悪いのはご勘弁。(こちらも携帯の電池切れにより、途中で映像は終わっていますが・・・)
http://youtube.com/?v=PcDg_VcNnog
残念ながら、コメントをくださっていたY.m.o.のtakさんとはお話できませんでした(←お仕事のご都合で他のメンバーの方より先に会場を後にされていたようです)が、他のメンバーの方に図々しくも話し掛けお話させていただく機会を得ました。実は演奏に利用していたケータイは旧型で、最近のケータイは演奏しづらい、なんて裏話もいただきました。【音ガ同】の活動、話題にしてくださってるとのこと。ですって!>佐々木さん、ばんちょ~!
その後、(やっぱり?)来ていた松尾さんに声を掛けると、そこにはKORG開発担当の坂巻さんも。
坂巻さん大注目のREONなる新たなシンセサイザーファクトリーが出す新作「LEGEND」というシンセサイザーが目を惹きました。
※この撮影は二日目です。
※この撮影は二日目です。
えっと。機材の率直な印象として、かなりアバンギャルドなことができます。様々な音が作り出せます。楽器のサンプリング系に代表される○○の音が出ます、ということは一切期待しない方が良いです。発振・ブリブリ系が好きな方には超オススメかもしれません。
とりあえず、松尾さんや坂巻さんがしばらく触りたおしていて、他の人を寄せ付けなかったことを付け加えておきます(爆)。
なお、この「LEGEND」、プロトタイプ、ということで、10台限定の売り切りだそうです。その後はまた違うものを作るので、これと同じものは10台しか無い(というか作らない?)そうです。さらにそのうちの1台は、この日のプレゼントにて供出されてしまったので、あとは9台と。売価は未定だが3万円台ぐらいを予定しているって言ってらっしゃったかな?興味がある方は今すぐ専売店の方へダッシュして奪取だ!(←超古い表現)。
残念ながらまだREONさん自身のホームページは無いようですが、今後の最新情報は下記楽器店の情報を参照して欲しい、とのこと。
梅田ナカイ楽器(株)阪急グランドビル店 担当:片山
http://www.umenaka.com
implant4
http://www.implant4.com
(補足:ちなみに、梅田ナカイ楽器の片山さんって関西のシンセ業界では超有名。自分は一、二度しかお目にかかったことはありませんが、大阪に居る頃、よく名前を聞きました。だからチラシをもらった際「あー、片山さんだ~」とか思いました。・・・が同じ人かな?勝手な思い込みかな?)
自分は、と言えば、欲しいですよ、そりゃもちろん!でもね、自分が昨今強いている掛けて良い金額のボーダーを大幅に超えているので・・・。
その後、KORGのブースで見た「microKORG XL」なる機材に興味津々。やっぱ自分はミニ鍵盤好きですからね。本機材は10月開催の楽器フェアで既に参考出品されていたのですね。楽器フェアに行っていなかったので全然知りませんでした。「お!これは~!」と思ったのもつかの間。もう一日目の閉幕が近づいていたのでちょっと触ったぐらいで撤収したのでした。
後でブログに書こうか、と思ったら、「あ!写真も何も撮ってない!」。ということで、自動的に二日目参戦を決意しました。
■二日目(2008年11月29日(土))
本当は14時半からの「次世代シンセガジェット大集合」には間に合うように行くつもりが、諸事情により間に合いませんでした。
(その頃はまだ板橋の方で家族でダブルクォーターパウンダーを食べてました、とさ)
で、二日目は息子も連れて行った訳です、ええ、一応、親のシンセとかをちょぼちょぼ触っているのでね、どこまで興味を持ってくれるか別にして連れて行こう、と。
ある程度一日目で全体の展示の様子は見ていたので、一日目で見損なったものを中心に。
アナログシンセ・ビルダーズ・クラブの展示(すみません、写真取り損ないました)、なかなか興味深かったです。
チラシからこちらのクラブのイベントの宣伝文句を転載してみます。
全国から(ときには外国からも)電子楽器自作愛好者が集合、持ち寄った自作楽器の展示・実演、プレゼンテーション、情報交換、懇親会などをする交流イベントです。アナログシンセ以外のフィールドからの参加も多数。次回開催は2009年11月の予定。参加登録制。
だそうです。もちろん制作されてらっしゃる方ご自身も演奏をなさったりするのでしょうけど、まず作ってしまう!というのはなかなかやろうと思ってもできないことです。
結構、たくさんの人がいらっしゃったのでなかなか試奏はできませんでしたが、丁度間が空いた時に、阿部隆人さん制作の「山下モジュラーシステム」を触ることができました・・・というか、自分が弾こうと思ったら息子に弾かれてしまいました。
説明してくださる方の名札を見ると、「阿部隆人」の名前が・・・ご本人だ!
もう30年物、特段手入れはしていない、とのことでしたが、未だに綺麗に音が出ています。高校時分にご制作とのこと。「あの頃は当然シンセが高くて、欲しくても買えなかったので自分で作ったんですよ」とのこと。でも、実際に作ってしまうってすごい話です。音は(波形やパッチのセッティングもあるのでしょうけど)すごく柔らかい温かみのある音でした。
参考URL:
阿部隆人さんのページ アナログ震世界
http://analog-synth.jp/j_index.html
で、次。個人的な超目玉。KORG「microKORG XL」
全国3,000万人のミニ鍵盤ファンの皆様!・・・そんなに居ないか。また、KORGがミニ鍵盤機を出してきましたよ!
この画像でおわかりでしょうか。ちょっと他には無い鍵盤の厚み・・・そう、これ、単にベロシティが効くだけじゃなくて、ややピアノタッチライクなのです。
前日に坂巻さんにお伺いしたところによると、この鍵盤開発に携わっている方は”相当”この鍵盤にこだわりを持って開発してらっしゃる、とのこと。
ミニ鍵盤ファンにとってはまた新たな(出費の)悩みが増えそうですね!
こちらも動画でどうぞ。極めて適当な試奏で誠に申し訳ないですが。
http://youtube.com/?v=ijJ9JiWoq-o
オクターブ切り替えがレバー式で、また、ちゃんと段階に合わせてLEDの色が変わる、っていうのも素敵ですね。わかり易いユーザーインターフェースだと思います。
もちろん気に入りましたが・・・。ねぇ・・・購入の原資は?(苦笑)
待て待て。あくまでKORG社としては”参考出品”なのです。誰も発売する、なんて言ってませんよ!・・・でいいんですよね?KORGさん(笑)
その他には、学研の「大人の科学」の12月発売予定の「テルミン Premium」が実機展示されていました。実際触ってみよう、としたら、あちらこちらから音が出ていて、自分の音がどれなのかよくわからなかったのでした・・・(苦笑)
とまぁ、全体のレポート、というよりも好みの所ばかり見てきた、ということなのですが、今回取り上げなかった他のメーカーさんの製品ももちろん興味深いもので、かつ、元々このイベントの主催が日本シンセサイザープログラマー協会であり、各シンセメーカーも含め、展示するだけじゃなく、イベントを含めて、シンセサイザーを楽しむ、遊ぶ、興味を持つ、っていうところに取り組まれているところが、(うちの業界を含めて)消費が落ち込んでいる業界のどこにおいても必要な取り組みなんじゃないかな、と改めて思いました。
SX-150のイベントに出演されていたJCAA・日本作編曲家協会の外山さんが、そのイベントでも利用していた、iPhoneアプリのブライアン・イーノ監修のソフトウェア「Bloom」を紹介しながら、「私は最近これで遊びながらお酒飲んでます。こんなものでも楽器になる時代。是非皆さんもまずは一人でも遊んで見て、そしてみんなで集まって音を出せばもっと楽しいですから、是非やってみてください!」なんてお話をされ、”うちら先行してやってまっせ!”とほくそ笑みながら自分は会場を後にしたのでした。
・・・
と、今回の「シンセサイザーフェスタ2008」について、レポートをするように、とのお達しが松尾さんからあったので、長々と書き連ねてみました。
こんな感じでいかがでしょうか?松尾さん、(コメント欄の)佐々木さん。
追伸1:
「その他の雑記」。
氏家克典さんは雑誌で見るより若々しい顔だった。松武秀樹さんは思っていたより柄の大きい人だった。篠田元一さんは雑誌で見ていた以上に優男系だった、でも言葉の選び方はちょっと下手だった(→会場に居た人だけがわかる、と思います。あえて書きません(笑))
追伸2:
「子供は強い!」。
KORGブースにAQインタラクティブの「DS-10」がnintendo DSにセットされて展示されており、両日とも開発プロデューサーの佐野電磁さんがいらっしゃった。二日目、丁度microKORG XLを自分が触っていたら、隣に居た息子が目ざとく見つけたらしく、見ていたら、佐野さんに直接声を掛けられて「触ってみる?」ということになったらしい。
知っている側から言えば、なかなか頼むこともできないようなことだが、知らない+子供、という組合せは最強で、その後、直接佐野さんからうちの息子はDS-10の触り方についてレクチャーを受けていたのだった。
http://youtube.com/?v=C7hbD3Gr7GI
一宿一飯、恩義の上、ああ、もうこれで確実にDS-10を、さらに言えばDSを手に入れなくてはいけなくなったでは無いか!どうしてくれるんだ!・・・と息子のせいにしてみる(爆)