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一つの時代を終える時~東池袋「大勝軒」閉店に寄せて~

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既に各種報道等にてご存知の方も多いか、と思いますが、2007年3月20日、東京都豊島区にあります「大勝軒」というつけ麺ラーメンの元祖(当該店では”もりそば”と呼んでいます)が閉店しました。店主の山岸さんは72歳。地域の再開発、以前にも体調を壊したことがあるから、ということが、この度閉店をされることになったきっかけ、とされています。

と書き出したところで、自分はついにここの”もりそば”を食べ損なってしまいました。
相当おいしいらしいですね。マスコミ、ネット上、どれをとっても有名ですし、かつてのテレビ番組、”ガチンコ”で相当怖いラーメン師匠を演じていた(という書き方が良いのかどうかわかりませんが)佐野実氏が先般とある番組でここの”もりそば”を評して、「神様の味にどううまい、とか評することなんてできないんだよ!」とか(発言は正確ではないです。すみません)言われていたのもあって、
「そうか、神様の味なんだ。。。食べなきゃ。。。」
とか思っていたんですけどね。。。

どうしても凄く並ぶ、と聞くだけで躊躇してしまう方なのに、
元来、ひねくれもんなので、「そんなあっちこっちでウマいって言われているから流行りで食いに来てるって思われても・・・」(→誰に?って感じですが)というのもあって、
まぁ、今、東京で暮らしているんだから、いつかは食べる機会あるでしょ、と思っているうちに閉店になってしまいました。。。

前述の佐野さんが出てたテレビでも既に閉店のアナウンスはされていましたが、その番組で店主の山岸さんはお話されているのを見る限り、まだまだバリバリ現役でやれるはず、という印象は受けました。
また、再開発、と言う場合、代替地が用意される場合がほとんどでしょうし、もし気に入った場所では無かった、としても、これだけメジャーなお店だったら、いくらでもそれ相応の協力をしてくれる人は居たはずでしょう。

けれど、山岸さんは時代を終えることにした。

このことについて、ちょっと自分なりにいくつかの考察をしてみました。

一つには多くのお弟子さんにのれん分けした「大勝軒」が全国各地にできたこと、俺が「大勝軒」を引っ張るのではなく、あなたたちがしっかり次の「大勝軒」を担っていくのですよ、ときっちりバトンを渡すことを明確化するため、というものがあったのでは無いか。どうしても”大将”が居る間は何かと心の支えにもなるけど、その存在・看板に甘えてしまうことも無いとは言い切れないはずで、あなた達はもう十分やれるはずですよ!という最後の教えにしたかったのでは無いでしょうか?

二つには自分なりに頑張れるためのルールとして設けていたのが、”今の場所”・”今の店舗”をキッチリ守っていくこと、というルールであり、そのルールが再開発、という理由で破られる時、自分の足跡を振り返って、十分達成感が得られたから、では無いか。地域に、お客様に愛され、やってきたそのお店が”変えられよう”とする時、もう十分役割は担えた、と考えられたのでは無いでしょうか?

三つには一つ目の考察に近いのですが、マスコミ・雑誌には、どうしても”元祖”ということで東池袋の「大勝軒」が取り上げられる機会が多い、そこで、店そのものを終えることにより、他の「大勝軒」が登場できる機会を増やす、後進に道を譲る、場所を開けてあげる、という理由もあったのでは無いか。もちろん、東池袋の「大勝軒」の記事が出なくなったから、と言って、どこかの「大勝軒」が、”じゃあここでいいか”、という適当な理由で選ばれることは無いでしょうし、そもそも「大勝軒」では無いどこかのラーメン店に記事を譲るかもしれません。でも、少なく共場所は一つ空けたのだから、全力でそこが取れるようにこれからも頑張っていきなさい、という応援があったのでは無いでしょうか?

これって、企業経営において、創業社長がどんなタイミングで二代目、もしくは後を任せられる誰かに道を譲り、”院政”をひくことなく、いかに引き際を上手に行うか、の話に似ている気がします。
丁度、(株)オートバックスセブンの代表取締役CEOの住野公一さんが書かれている本「アホな二代目につけるクスリ」を読んでいたところだったから余計に思ったのかもしれませんが。。。

ちなみに、20日の閉店日、朝のニュース等で「前の日から並んでいた」だの、連日数時間待ちだの話が出ていたので、食べられる訳は無い、と思いながら、前述の何だかよくわからない理由で食べに行かなかった自分の悔しさもあって(→特別ラーメン大好き!って程では無いのですが、気にはなっていたのです。でも後悔先に立たず、とか、孝行したい時に親は無し、とかそういう感じでしょうか)、店に行くだけ行ってみました。

午後10時半頃、お店に到着すると、多くの人が閉店の片付けをされていました。
自分が行った後からも、どうやら何組かお客様が来られており、「もう食べられないの?」旨の会話を店員さんとされているようでした。
店主の山岸さんはおられないようでしたが、お店の方は閉店作業をきびきびと丁寧に行われており、また前述の問合せに対しての回答も丁寧に行われており、たったその一瞬しか知り得ませんが、「接客業として働くことをきちんと教えられていたんだな」と感じました(よりそう感じるエピソードもあったのですが、もうだいぶ長いので省略させていただきます)。

味だけでなく、そういった面も含めて、きちんと伝承することができた。

山岸さんはそう自負されているのでは無いでしょうか?

山岸様>今までお疲れ様でした。これからもお元気で。

※前述のように、自分は「大勝軒」の”もりそば”すら食べたこと無いので、山岸さんの人となりも正直全然知らないので、勝手書いてます。関係者の方、見られることありましたら、予めお詫び申し上げます。

<参考情報>

■山岸大勝軒(東池袋「大勝軒」)公式ホームページ
http://www.tai-sho-ken.com/

■読みづらいと思いますが、お店に掲げられていた山岸さんの閉店の挨拶

■(株)オートバックスセブン代表取締役CEO 住野公一さん著
アホな二代目につけるクスリ―継承は創業より楽しい

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