自動車保有関係手続きのワンストップサービスを利用して自家用車のナンバーを変更しました(意外と簡単、でも癖強し)
先に結論から言ってしまうと、国土交通省が提供している「自動車保有関係手続きのワンストップサービス」を利用して、自家用車の住所変更を個人で行い、練馬ナンバーから大阪ナンバーになりました、という話です。
そもそも、自動車保有関係手続きのワンストップサービス、ってどれぐらい認知されているんでしょうね。
少し前置きが長くなりますが。
自動車保有関係手続きのワンストップサービスは2006年1月からスタートした、と記憶しています。
従来、自動車を登録したり内容の変更を行う場合は、住民票なり印鑑証明を用意し、変更の内容によってはその車を利用するのがメインとなる地域の管轄で車庫証明を取得し、それらを運輸支局に申請を行い、受理されれば完了(交付)となるものが、全て個人がインターネットで手続きできますよ、というのが元々の自動車保有関係手続きのワンストップサービスの概要です。
※かなり説明端折りましたが。地域によっては車庫証明が不要なところもあります。またこのサービスは届出車(いわゆる軽自動車)とは別。
ただし、2006年1月の段階では、新車の新規登録のみ、対応地域も限られていて、個人を認証するのに住基カードが必要で、それを読むためにはICカードリーダーが必要で、さらに電子署名を埋め込むのにAdobe Readerのアドインを組み込んで、ソフトウェアのバージョンはこれで・・・とか、どれだけ個人でやろうと思うとハードル高いんだよ、と思ってました。
それでもその制度が始まる以上、メーカー側としても準備が必要なため、自分は制度を理解し、自動車販売会社でのワンストップ登録の代行も可能、ということからその必要機能の企画や顧客管理機能へのデータ連携仕様策定などに携わりました。2005年頃の話です。
それから約20年が経ちました。住基カードはマイナンバーカードに代わり、スマホにICカードリーダーが搭載され、車検証も電子化されました。対象地域も全国に拡がり、新規登録以外の申請もできるようになりました。
ここからが本題です。
自分の車の住所が練馬のままだったので、大阪ナンバーに変える必要があります。もうそろそろ車検なので業者の方にお願いするかなぁ、とも思ったのですが、自分も自動車業界に関りがあった端くれとして、自分で自動車保有関係手続きのワンストップサービスにて変更登録してみることにしました。変更点は所有者、使用者、使用の本拠の位置の住所変更、車庫は自分の家の車庫なので、あとはナンバーが練馬から大阪ナンバーになることが一番大きな変化となります。
亡き親父が利用していたICカードリーダーがあったので、最初はパソコンを使ってやろう、としたのですが、接触型のため電子車検証の読み取りができず断念。以前のブログにも書いたiPhone 11を使うことにしました。
はっきり言ってパソコンで「自動車保有関係手続きのワンストップサービス」の公式サイトを利用して申請するよりも、スマホで、これまた国土交通省提供の「車検証閲覧アプリ」を使う方が簡単でした。ちゃんと車検証閲覧アプリにその機能が含まれていることを知ったのは今回自分でやってみて、で、わかったのですが。
全てが完了したら簡単であったことに気づくのですが、癖が強いと書いた理由をいくつか書いてみます。
- 最初はパソコンを使って公式サイトで、ICカードリーダーでマイナンバーカードを読み込もうとしたのですが、読み込み中のまま進まず。この段階でパソコンを使うのをほぼ諦めました(あとでわかったのですが、マイナンバーカードの電子証明書のパスワード入力画面が裏に隠れていて、それを行わないので進まないだけだったようです。自分のパソコンのブラウザの設定の問題かもしれません)。
- マイナンバーカードを利用していても、国土交通省の住所コードとは異なるため、国土交通省の住所コードを調べる必要があります(調べるのは簡単だけど少し手間)
- 希望ナンバーにしたければ、希望ナンバーの申請を先にしてナンバーが決まってからではないと申請できません。
- 申請の流れは書かれていても、申請に必要な車庫証明取得用の書面の書き方までは書いてません。車庫の場所を使って良い、というのを自分の土地であっても「自認書」という形で申請するんですが、これ、手書きじゃないとダメなの?パソコンで打ち込んでいいの?というのがわからない。車庫のスペースはどこにどのようなサイズで、というのを「配置図」という書面に記すんですが、通常警察に届け出るフォーマットは、左に自宅とその申請対象の該当する車庫がどこにあるか、という「所在図」の欄があり右側に「配置図」を記載する形になっているので、配置図のみをアップロードするのにそのフォーマットで良いのかどうか、配置図だけ画像で作って申請して良いのか、こちらもわからない。ダメならダメ、と言われるだろう、ということで自認書の記載もパソコンで打ち込み、配置図はパワーポイントで配置図のみを作って画像にして申請しました。
(結果はこれでOKでした。) - 申請して数日経っても、未受付という状態から進まない。画面には「決済情報の登録がありません。OSSポータルサイトの「電子納付のご確認」ページで電子納付(キャッシュレス納付)の流れをご確認の上、決済情報の登録をしてください。」と出ています。OSSポータルサイトの「電子納付のご確認」ページで決済情報の登録もしたのに。コールセンターに電話してみました。電子納付をしたければOSSポータルサイトの「電子納付のご確認」ページで決済情報の登録を行ってから申請をする必要がある、と。もうその状態では先に進みませんので、一から新規でやり直してください、とのこと。そんなこと書いてたかなぁ、と思いつつ、もう一度やってみると確かに途中に書いてあった。だったら申請途中でアラートが出るなり、申請完了にさせないようにできないものか、と思いつつ、コールセンターに聞くまでわからないのもなぁ、と思いました。
- 車庫証明は管轄の警察署で取得することになるので、まぁ電子納付の手続きとは別になるだろう、とは思っていましたが、いざその時が来たら(大阪府の場合は、ですが)決められた金融機関のみが納付可能であることがわかります。普段自分がメインで利用しているネット系の銀行はほぼ無し。慌てて某都銀にお金を用意して、支払い手続きを行おうとしても何度やっても画面が切り替わった瞬間にNGになります。色々調べると、自分でその某都銀に公金支払いの手続きができるような口座設定をしておかなくてはいけないことがわかります。その設定をしたらあっさり終わりました。
となんだかんだで戸惑いながら申請したのですが、車庫証明がOKになったらあっという間に処理が完了しました。あとは実際に運輸支局に書類をもらいに行き、ナンバープレートを手に入れ、封印をしてもらうだけです・・・が、また行った際にどの窓口でそれを受付してくれるかわからない。
結論から言えば、あとは交付のみなので、「交付」の窓口で良いことがわかりましたが、別の窓口で問い合わせたら「ここじゃないので相談の窓口に行って」と言われてその相談の順番が来る時間が運輸支局では一番長かったです。
次の機会があるかどうかわかりませんが、「自動車保有関係手続きのワンストップサービス」で変更登録する手続きだけはもう迷わずできる自信が付きました。掛かった費用は希望ナンバー5,300円、車庫証明2,200円、申請手続き費用350円(これらは窓口で申請しても掛かる費用)のみです。強いて言えばあとは運輸支局まで出掛ける手間・時間、ガソリン代ぐらいでしょうか。郵送も選べるみたいですが封印をどのように手続きするのかがわからないので自分は運輸支局に出向くことを選択しました。ちなみに車庫証明があることを証明するステッカーもこの4月から廃止になっているんですね。お恥ずかしながら知りませんでした。だから警察署に行く必要もなく、ステッカー代(確か550円)も掛からなかったです。
ちなみに、運輸支局の方々は「自動車保有関係手続きのワンストップサービス」とは言いません。前述のポータルサイトの話にあるようなOSS(オー・エス・エス)と呼びます。「オー・エス・エスの手続きの妹尾さん」、とか呼ばれます。自分は業務に携わっていたこともありオー・エス・エスという呼び名は当然良く知っているのですが、全く知らない人は何のことやら、と思うんじゃないか?と思ったり、一方でオー・エス・エスという呼び名を知らないような人は「自動車保有関係手続きのワンストップサービス」を利用しようと思わないのかなぁ、とも思ったりしました。