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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

【自分軸とSWOTで知る】蘇我馬子

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しばらく時事ネタを中心に書いていたが、世の中腹の立つことばかりで、いやになってきた。

趣向を変えて、自分の得意分野で書いてみようと思う(普通のブロガーはそうなんですけど)。

 

はライターの仕事のほかに、自分軸発見支援コンサルタントと称して、人が自分軸を確立し、その後応用や見直しをするお手伝いをしている(正確に言うと、再びはじめた)。

僕は「"誰に・何を・なぜ"提供するのか」を「自分軸」と呼んでいる。実にシンプルなことなのだが、見つけ出すのは結構難しいし、その分見つけ出せると大きな効果がある。

興味のある方は、無料の連続メール講座としてまとめたのでそちらをお読みいただきたい(行き詰まり感のある方、将来に不安がある方、なんとなくやる気が出ない方のお役にたてるコンテンツだと思っている)。

また、SWOT分析も得意だ。SWOT分析とは、強み(S)・弱み(W)・機会(O)・脅威(T)の4つを洗い出し、組み合わせて分析することで、次の打ち手などを見つけ出すツールだ。

有名なので知っている方も多いと思うが、使い方となるときちっと確立していない。出てきたキーフレーズを見てうなりながら、なんとか打ち手を見つけ出すというやり方をしている人が多い。

これについても僕は僕なりの方法論を持っていて、簡単なことなので広めたいと思っている。SWOTも使いようで強力なツールになり得るのだ。

また、在学中は劣等生であり、卒業後も歴史研究などはしていないのだが、一応国史学が専攻だったので、考える材料として日本史上の人物はどうかと思った。

歴史上の人物を例に挙げて、自分軸を明らかにし、SWOT分析をしようというのである。なんとなく面白そうな気がする。

なお、研究書を書くのであれば当然史料に当たるべきだが、自分軸とSWOT分析の普及を目的に書いているので、教科書や百科事典、歴史事典、Wikipedia、その他書籍程度の資料で書いている。内容に関する異論が多いとは思うが、目的に免じていただければと思う次第である。

年代順に有名な人を取り上げていこう。今回は、蘇我馬子だ。

 

我馬子(551?~626)。

「敏達天皇のとき大臣に就き、 以降、用明天皇、崇峻天皇、推古天皇の4代に仕え、54年に渡り権勢を振るい、蘇我氏の全盛時代を築」(Wikipedia)いた人物だ。

まずは、馬子の自分軸を作ってみよう。

2012062801.jpg

自分軸の作り方はここでは書ききれないので、興味のある方は無料連続メール講座を参考にしてほしい。 

馬子に関しては(孫の入鹿に関しても)天皇や皇子たちを殺したとして悪人とされるが、そのような評価はこのブログではあまりしないことにする。

どんなことをしたくて、どんな課題があって、実際にどうしたかということが、評価のポイントとなる。

自分軸を見る限りでは、仏教の普及と中央集権化を推進した、つまり当時の日本の"近代化"の中心人物だったということになる。

なお、日本書紀を見る限りでは、蘇我氏本位の人物のように書かれている。このあたり、自分の氏や家を中心に考えるのは、少し前まで日本では当たり前のことだったので差し引いて考えるべきだろう。

また、蘇我氏が天皇家を簒奪しようとしていたという非難は当時まだ天皇家の権力が確立してなかったので正当ではない(海音寺潮五郎氏など)という意見もあることを申し添えておく。

ただ、日本全体のことを考えていたかと言われると、そのような証拠もないようだ。

 

に、馬子のSWOT分析である。

2012062802.jpg強み・弱み・機会・脅威は、できるだけ資料に忠実に書いてみた。その他の部分は、僕が馬子の政治顧問だったらこういう分析をするということを書いている。

なお、「●リソースを集中すべきこと」、「●手を打てること」、「●改善できること」、「●撤退または縮小すべきこと」という部分が、僕のオリジナルである。

普通は、「強み」と「機会」を組み合わせて思い浮かぶことを書けと言われるのだが、途方に暮れる人続出なのである。しかし一言「リソースを集中すべきこと」と書いてあれば、比較的に容易に浮かんでくるようになる。こういうことを教えてくれる人が意外といないものなのである。

これだけでもSWOT分析はかなり考えやすく、また強力なツールとなるので、ビジネスの現場で試してみてほしい。

閑話休題。このSWOT分析と馬子の事績を比べてみると、さすがに僕が思いつく程度のことは、すべてやっている。一部厩戸皇子(聖徳太子)の事績とされるものもあるが、馬子と厩戸はツーカーであったのは事実であり、馬子の事績に入れても差支えないだろう。

 

上より結論づけると、蘇我馬子という政治家は、日本の"近代"化のさきがけであり、その後の仏教隆盛の立役者と言える。

歴史の常識とは違うのかもしれないが、後の大化の改新なども、先に馬子がいなかったらなかったかもしれない。そうすると、唐と新羅の連合軍に日本が征服されていたというシナリオもあったかもしれない(なお、歴史にIFはないとする考え方は少し偏りのある思想だと考える。歴史のIFを論じることで戦略策定などに役立てている人たちも多い)。

近年、蘇我氏が再評価されているが、理由のないことではないようだ。

 

回は試しに、自分軸とSWOT分析で歴史上の人物評価をやってみた。

人物評としては人間性や人望なども含めた総合評価が必要なのかもしれないが、政治家としての評価としては面白いと感じた。

今後も何人かやってみたいと思う。

 

 

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