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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

12月1日 境涯~ブレイクしないのが賢明かも(#557)

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逆境は尊いが、逆境でなければ人間が完成しないと思いこむことは、一種の偏見ではないか。逆境でも順境でも、その境涯に素直に生き、謙虚の心を忘れないことである――松下幸之助さんはこのように説きます。

12月になりました。泣いても笑っても今年もあと31日で終わります。

今月のテーマは、"道をきりひらく"です。

私の周囲には、数千万円から数億円まで、多額の借金を抱えながらも、そこから這い上がってきた人たちがいます。

正直に言いますと、私は彼らに多少の劣等感を抱いていました。私がなんとなくブレイクしないのは、そのような過酷な経験がないからではないか、と。

なので、今日の言葉には救われました。

私の人生もそれなりに順境も逆境もありました。ただ、それを謙虚に受け止めてこなかっただけなのかもしれません。

また、ブレイクということにも実はあこがれがあったのですが、昨日『資本主義卒業試験』(山田玲司、星海社新書)という本を読んで考え込んでしまいました。

山田玲司さんは、マンガ家で『Bバージン』や『絶望に効くクスリ』がよく知られています。私は、『ゼブラーマン』を記憶しています。

マンガ家でヒットするのは大変です。マンガ家志望者は何万人もいるうちで、メジャー誌でレギュラー連載をもつ作家は600人程度。100倍以上の倍率です。そのうえ、その顔ぶれはめまぐるしく変わります。10年以上ヒットを続けている作家となれば100人を切るかもしれません。

長い下積みを経て、編集者の過酷な要望に応え、ようやくレギュラーの座を手に入れたときに待っているのが、税金地獄。

下積み時代の年収は稼いでいる人でも数百万円。寝る間も惜しんでその稼ぎ。それでも、ブレイクという夢を信じて、それまで貯金すると思って働く。ブレイクという満期が来たと思ったら、税金で半分以上持っていかれる......。

脱税は論外でも、節税に走る気持ちは分かります。法人化して、税金を払うぐらいならと経費を使い、保険などにも入る。赤字にすれば税金は取られないと、借金までする。周りもみんなやっていて、しないやつはバカだと言われる。

「国なんかに取られるくらいなら使っちゃえよ」――友達はみんなこう言うんだそうです。

山田さんが気づいたときには、「毎年1500万円以上の収入がないと赤字になる会社の経営者」になっていました。

マンガ家になりたかったのに、低業績の会社の社長になっていたというわけです。

ブレイクすれば、好きなテーマで書けると思っていたら、下積み時代以上に金の奴隷になっていた。金のために描く毎日。山田さんは、鬱病になってしまいました。

決して珍しいことではないようです。マンガ家、ミュージシャン、俳優、お笑い芸人、etc.――我々から見ると大成功者が、借金まみれになっていたり、それが原因で自殺したり、やばい人たちに暴行されたり、そういうことが年に何回かは起こっています。

なんであんなに稼いでいるのにと、不思議でならなかったのですが、似たような経緯のようです。

高額納税者として名前が出ている人のほうがうまくいっていて、本当は稼いでいるだろうに名前が出てこない人のほうがいろいろと大変なような気もします。

馬車馬のように働き続け、毎年倍々の勢いで成長し続けている人たちが私の周りにもいます。

以前はうらやましかったのですが、最近はそれに憧れる気持ちはまったくなくなりました。

夢をかなえるためだから苦にならない、と言うのですが、その言葉自体に無理を感じます。何が夢なのかよく分からないのですが、かなったときが心配です。

中には自分が生きているうちにはとうていかなわないような夢のために努力している人がいますが、これは賢明だと思います。

今日の一言)自分の境涯をすなおに振り返り、すなおに見つめればいい。

 

 

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見込み客には会えるのに、なかなか提案や見積に進めない営業マンっていますよね?

ほとんどの場合、初回訪問で持っていく商談ツールに問題があるようです。

まさかとは思いますが、会社から与えられた商品パンフレットなんかで説明してはいないですよね?

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本年の一日一言は、『松下幸之助 成功の金言365』を毎日1ページずつ読んで、自問自答するという趣向です。

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