共感に関するはじめて?の観点~共感されているのにイラっとしたことがありませんか?(#166)
共感とは、相手に寄り添うことであり、感情移入することではない。
●解説
人に共感したつもりが、相手にイライラされてしまうことがあります。
逆もあります。相手は明らかに共感してくれているつもりなのだけれど、なんとなくイライラする。
それは、共感について誤解があるから。
相手に感情移入して、自分がこう感じているから、相手もこう感じているに違いないと思い込むこと。
本人が全然辛くないのに、「いや、辛かったでしょう。分かるよ。私がついているからね」と言われると、イライラします。自分の気持ちで人を推し量るなといいたい。しかし、相手に悪気はないし、同情してくれてもいるので、怒るに怒れない。
残るのは、所詮この人には私のことは分からないのだなという気持ちだけです。
※ちょっと観点は変わりますが、男性が女性にふられる原因のほとんどが共感に関する勘違いではないかと思っています。
共感とは、あくまで相手の気持ちを考えること。自分の気持ちで推し量るのは愚の骨頂です。
相手の気持ちを考えるには、きちっと対話するか、あるいはただそばにいるだけか、どちらかが賢明と言えます。
対話には、傾聴や質問などのスキルが必要。
ただそばにいるだけ(もちろん、そばにいることを伝える必要はあります)のほうが、失敗はなく、また心が通じるものです。
●では、共感される側に立つときは?
以上は、共感するときに気をつけることですが、共感される側に立つときに気をつけるべきことも書きたいと思います。
まず、自分の感じ方と人の感じ方が一緒だと思う人が世の中には多いということを、あらかじめ受け入れておきましょう。
※そもそも「共感」自体がこのことを前提としている面もあるので、話がややこしいのです。
このことを受け入れておけば、不意打ちのような「共感」にも、対処できます。
以上は、共感を特に求めない場合ですが、広告などで共感される文章を書かなければならないというケースもあります。
このような場合は、二つの留意点があります。
- 基本的には、過去の辛い経験など、すでに乗り切ってきたことに共感してもらうようにする
- 現在の姿に共感して欲しい場合は、同情される話ではなく、崇高な理念とそれに基づく行動に共感してもらうようにする
裏を返せば、
- いまの同情的な話に共感してもらおうとしてはいけない
ということです。
●事例
「いまの同情的な話に共感してもら」うとは、どういうことか?
要するに、愚痴を言ったり、弱音を吐いたりすることです。
私は、これを数年間続けてきたために、「否定的」(私はそう思っていない)なコメントに対して、「腹が立っていない」、「前向きに受け止めている」、「ありがたいと思っている」などと明記しても、素直に信じてもらえず、さらに同情されてしまって哀しい思いをしています・・・。
先週末の「にこにこ おじん」さんのコメントについても、私はチャンスと捉えていると書いているのに、「さぞプライドが傷ついたでしょう」なんていうメールをもらって、一生分のため息が出そうでした。
もうちょっと大きなプライドを持っているつもりなんですが、長年愚痴や弱音を続けてきた報いだと思います。
まあ、私のような憂き目に会わないように、気をつけてください。
●補足
「ただ、そばにいるだけ」というのは、もう少し補足したほうがいいかもしれません。
いろいろなやり方がありますが、折に触れて、メールを送る、手紙を出すなど、
気にかけているということを伝えるだけ
でよいのです。
その際に、本人にアドバイスをしたり、意見をしたりするのは厳禁です。
アドバイスや意見は、する側が上位に立ちたいという気持ちを感じさせてしまうからです。
一般論やたとえ話、あるいは金言などの形で何かを伝えるのはOKのようです。「あなたに当てはまるかどうかは分からないけれど・・・」という配慮が感じられるからでしょう。
共感に関して、する側とされる側に分けて考えた文章を、私は読んだことがありません。
先週末にそれなりに苦労して、考え付いたオリジナルと思うのですが、既に言っている人がいたらご教示ください。
なお、「関連記事」へのリンクを見ていて気づきました。
「リスペクトでいいと思うな。求められるのは感情移入~『7つの習慣』【9】(#127)」という過去記事がありました。そこでは、「感情移入」という言葉を「共感」を前提とした心の働きとして使っています。
言い訳をすると、上の記事での「感情移入」というのは、『7つの習慣』に出てきた語彙をそのまま使っています。今回の記事は、私の普段の使い方であり、「感情移入」と「共感」を区別して使っています。
記事どうしの内容の矛盾はないと思いますので、ご勘弁ください。
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