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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

やらされ仕事ばかりをしている人の典型的パターン~他人を否定しても自分の株はあがらない(#154)

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すべきことは「改善提案」であり、「改革提案」ではない。

●解説

腕もよく、見識も高いのに、やらされ仕事ばかりをしている人がいます。自分から企画を持ち込んでも、相手にされない人です。

紹介で仕事が来るので、食うには困りません。ただ、ビジネスを拡大しようと思って、自ら新規開拓しようとしてもうまくいかない。

こういう人って、けっこういませんか?

私は、こういう生き方もアリだと思っています。無理に変える必要はない。

でも、企画や提案が通るようになりたいというのであれば、何が悪いのかを知っておくのもいいかもしれません。

こういう人に対して、こちらから具体的で明確な指示を出している間は問題ないのです。あるいは、一からの仕事を丸投げでやってもらう場合も意外と問題は少ない。

問題になるのは、すでにあるものを改善して欲しいときです。

発注側の意図やこれまでの苦労など関係なく、思ったことをストレートに言うだけなんです。

ここは、こういう理由でよくないから、こう変えるべきです!

そう、「べき論」が大好き。

「なるほど。こういう意図でこのようにしてこられたんですね。そういう意味では、××という狙いに関しては、成功しているのではないかと思います。その上で、○○を△△にしたら、□□という狙いも同時に達成できると思います」

こんな言い方が、逆立ちしてもできない。

しかし、提案というのはこういうものなのです。今までやってきたことを認めたうえで、さらにこう改善できる。これが提案です。

たとえ、全面的な改革が必要でも、これまでやってきたことに対してきちっと敬意を払う。そのためには、改革でさえ、改善に見せる。

プロのコンサルは全面的な改革が必要であるほど、それを改革とは言いません。

改革なんていえば、現場の反発があるに決まっています。現場の反発は百害あって一理なし。

ところが、企画や提案が通らない人は、部分的な改善に過ぎないことでも、全体的な改革に見えるような言い方をする。

そのほうがカッコいいと思うからでしょう。

自分をよく見せたい間は、企画も提案も通りません。

●裏解説

実は、最近私自身が、このような提案を受けました。それも頼んでもいないのに・・・。

腕も確かだろうし、見識もあるようでした。意見には一理も二理もありました。

いただいた意見のいくつかは採用しようと思います。その意味では感謝さえしています。

でも、この人に仕事をお願いすることはないでしょう。

否定しかしない人と付き合いたい人間はいません。

仕事でぶつかることは、いくらでもあります。そのときに、否定されると思ってしまうからです。 

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