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岡田監督はなぜベスト4にこだわったのか?~部下が変わる目標設定(一日一言 #70)

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高い目標をかかげて、それを可能にする行動は何かを問いかけるようにしよう。

●解説

誠ブログに書かせてもらっているからではありませんが、誠のこの記事(講演録)はすばらしいと思いました。

リーダーに必要なことは、ほぼ網羅されているのではないでしょうか?

▼岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0912/14/news010.html

とくに、4/7の下記の引用部分は、たいへん参考になりました。 

 明確な目標はもちろん「W杯本大会でベスト4入ることに本気でチャレンジしねえか」ということ。みなさんはいろんな成功の書とか読んで「目標設定って大事だ」と思っているでしょうが、今みなさんが思っている10倍、目標は大事です。目標はすべてを変えます。

  W杯で世界を驚かすために、パススピードを上げたり、フィジカルを強くしたりと、1つずつ変えていくと、かなりの時間がかかります。

  ところが、一番上の目標をポンと変えると、オセロのように全部が変わります。「お前、そのパスフィードでベスト4行けるの?」「お前、そんなことでベスト4行けるのか?」と何人かの選手にはっきりと言いました。「お前、その腹でベスト4行けると思うか?」「夜、酒かっくらっていて、お前ベスト4行ける?」「しょっちゅう痛い痛いと言ってグラウンドに寝転んでいて、お前ベスト4行けると思うか?」、もうこれだけでいいんです。

  本気でチャレンジすることは、生半可なことではありません。犠牲が必要です。「はい、ベスト4行きます」と言うだけで行けるわけがない。やることをやらないといけない。それは大変なことです。でも、「本気でチャレンジしてみないか」という問いかけを始めて、最初は3~4人だったのが、どんどん増えてきた。これは見ていれば分かります。本気で目指すということは半端じゃないことです。それを今、やり始めてくれているんです。

ちょっと長い引用になりました。

1976年のモントリオール・オリンピックで日本女子バレーが、オールストレート勝ちで金メダルを獲得するという偉業をなしとげました(そんな時代もあったのです)が、あのときに選手たちが他の全てを犠牲にしてバレーボールに取り組んだことを思い出しました。 

本気になるには、高い目標感が必要です。

1976年時点での日本女子バレーの実力は、金メダルを目指すというよりは、獲れないと恥ずかしいというレベルでした。だから、オールストレート勝ちが目標だったのではないでしょうか。でなければ、とてもできない偉業です。

今の日本のサッカーのレベルであれば、予選リーグ通過がちょうどいい目標感だったと思います。

それなのにベスト4にこだわったのは、もう少し頑張ればいけるレベルだという、絶妙の設定だったからでしょう。

予選通過が目標なら、予選通過も難しかっただろうし、ベスト8が目標なら、パラグアイ戦の好勝負もなかったと思うのです。

●裏解説

この絶妙な目標設定はなかなか難しい。

本田選手が優勝を目指すと言っていたのは、選手の発言としては立派だし、また本田選手の本気度がチームの中で突出していたからだと思います。

ただ、今回のW杯であれば、監督はやはり優勝と言ってはいけない。かといって予選通過でもダメ。よくぞベスト4と言ったと思います。

弱いリーダーは、部下に低い目標を与えますが、これは部下をスポイルするだけ。

かといって、一桁も二桁も高い目標を与えて、そのうえ出来なければ怒るリーダーは、部下をつぶすだけ。

目標設定は本当に難しい。

自分軸がないとできません。

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岡田監督が一番言いたかったことは、絶妙の目標を与えることで、部下が自分で考えるようになるということかもしれません。

ただ、こう結論付けると反論する方もいるでしょう。私は、この考えに与しますが、うまく納得させる自信がない(※)ので、今のところは保留とさせてください。もっと現場を見てまいります。

※というのは昨日、やっぱり現場は難しいなあと思う話を聞いたばかりなのです。詳しくは書けませんが、志のない経営者(リーダー)はやはりいるんだなというような類の話です。

 

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