いまなぜ、「コトづくり」か? 〜「企業の変化」を考える②〜
いまなぜ、「コトづくり」なのか?このブログでは、「コトづくり」が必要とされる背景について「企業」「個人」「社会」の変化から考えています(いまなぜ、「コトづくり」か? 〜「企業」「個人」「社会」の変化から考えてみる〜)。
前回のブログ(「企業の変化」1回目はこちら)では、「モノのコモディティ化」「モノづくりの新しい潮流」「新しいビジネスモデルの出現」について紹介しましたが、「企業の変化」の2回目は、「共創(コ・クリエーション)」「クラウドソーシング」について詳しく考察したいと思います。
- 共創(コ・ クリエーション)
コトづくりを進める上でもっとも注目したい考え方が、オープン・サービス・イノベーションです。この考え方は、オープン・イノベーションの父として知られるカルフォルニア大学バークレー校のヘンリー・チェスブロウ教授が提唱しているものです。
ヘンリー・チェスブロウ教授によると、オープン・サービス・イノベーションの推進にあたっては以下の4つの基本コンセプトの確立が重要だという。
まず、最初はコモディティ・トラップが進行する世界で差別化を維持するために①サービスとしてビジネスを捉え、オープン・サービスのビジネスとして位置付ける。これは、まさにモノやサービス単体ではなく、コトの中に製品やサービスを埋めこむことを意味する。
次いで、顧客の価値ある体験を創出するために顧客をイノベーションの②共創に引き入れる。
そして、サービスのイノベーションを加速し、深化するためにオープン・イノベーションを利用し、イノベーションのためのコスト、リスク、時間を減らす。そのために、オープン・イノベーションを使って第三者も参加できるプラットフォームのビジネスに変革する。これは、言ってみれば「ビジネス・エコシステム(生態系)」を構築することを意味する。
4つめは、従来のビジネスをオープン・サービス・イノベーションを伴う④ビジネスモデルに変換し、イノベーションによって利益が得られるようにすることだ。
- クラウドソーシング
調達の観点でも共創を考えてみたいと思います。従来、アウトソーシングという形で企業などが、外部に専門性の高い業務を外注するというトレンドでした。しかし、昨今では、インターネットの普及により社外の「不特定多数」の人にそのような業務を外注するというケースが増えています。それらを総称し、クラウドソーシングと呼んでいます。 知的生産力やコンテンツなどを、多数の人々から調達・集約し、事業成果を得ることを目的とした新しい仕組みです。
たとえば、P&Gは商品開発に、ボーイングは機体組み立てにそのような手法を取り入れているという。既にアメリカなどでは、クラウドソーシングのサービスやビジネスが数多く立ち上がっているが日本でも今後この形態が普及することは時間の問題ではないだろうか。
企業の変化につづいて、次回は「個人の変化」について考察してみたいと思います。
(つづく)