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サービス化時代の潮流、ビジネスモデルを探る。週末はクワッチ三昧!

オオクワガタとサービスサイエンス -冬眠に入る前に少しだけ

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 様々なコトづくりに関して連載しているこのコーナーで久しぶりに"オオクワガタとサービスサイエンス"に関して連載してきました。

本連載では、最近のセミナーの内容に最新のサービスサイエンスの研究内容も含めて9回に渡り連載してきましたが、いよいよ今回で最終回となります。最終回のお題は、サービスサイエンスとデジタルビジネスについて考えてみたいと思います。

◼️サービスサイエンスとデジタルビジネス

 連載の3回目に最近注目されているアフターデジタルという概念を紹介しました。サービスサイエンスの世界でもこの概念を踏まえた議論が必要だと思っています。これまでの世界観は、当たり前ですがまずはリアルの世界が前提でした。つまりリアル(店や人)で接点を持つ人がたまにデジタルでもつながる世界です。

一方、アフターデジタルの世界観は、デジタルで常につながっている人が、たまにリアルの場での接点を持つようになると指摘します。言われてみれば、オオクワガタブリードサービスは、既にアフターデジタル前提のつながりをブリーダーの皆様と持っているように思います。

このアフターデジタルの世界をサービスサイエンスの考え方を元に整理したのが、下記の図になります。これまで主にリアルの世界でのオペレーションを対象としてきたサービスサイエンスの概念を拡張することができるのではと感じています。

これまでは、ホテルや店舗の顧客接点の現場を中心にサービス品質や顧客の事前期待を議論していましたが、アフターデジタルの世界では、初めからデジタルで常につながっていることを前提としたサービスの設計が重要になります。リアルでのサービス提供以上にサービス品質で議論されている「共感性」「好印象」が求められ、より「個別の事前期待」に応えること(パーソナライズした対応)が求められてくると考えられます。

サービスサイエンスの拡張.png

◼️デジタルワールドでの新たな試み

 リアルの世界でのサービス提供以上にデジタルの世界で「共感性」「好印象」が求められるのはなぜでしょうか?

それは対面でやりとりのできないバーチャルの世界だからこそ、リアルの世界以上にお客様を理解するために五感を総動員してお客様のニーズや状況変化を汲み取る必要があります。またネット上の活字だけでの対応では、好印象は得られないかもしれません。リアルで接する時以上に顧客接点を工夫して設計する必要があります。

これは、事前期待も同様です。特に「個別の事前期待」に応えようとするとリアルの場合よりも共感性を高めて察知しなければなりません。

そのため、デジタルの世界ならではの対応手段を考えなければなりません。例えば、お客様とのファーストコンタクトを取った時に何らかの質問、言って見れば"リトマス試験紙"のような問いを忍ばせておく必要がありそうです。また、複数のメディアでのコンタクト情報を総合的に判断してお客様を理解するように努めなければなりません。FacebookだけでなくInstagramやTwitter、You tubeなどでどんな反応をして足跡を残しているかです。ビデオ会議システムへの違和感もコロナ禍の影響でなくなっている層も存在します。場合によっては、直接顔を見ながら対応をする選択肢も出てくるかもしれません。

またARやVRを駆使することでバーチャルの採集体験ができるようになるかもしれません。バーチャルワールドならではのカスタマーエクスペリエンス(CX)が実現できるかもしれません。

その意味で"アバターを、すべての人の、新しい能力にすることで、人類のあらゆる可能性を広げていく"という企業理念を掲げるANAの深堀さんたちが今春立ち上げたavatarin株式会社の取り組みは注目しています。

例えば、こんなアバターが既に存在します。

釣りアバター 家の中でも魚が釣れる?(出典:avatarin株式会社Webサイト)

釣りアバター 家の中でも魚が釣れる?.png

魚が餌を咥えた瞬間の引きの感覚を遠隔地で同じように感じることができます、慶應大学が開発したリアルハプティクス技術を、慶応のスタートアップRe-al(リアル)が、開発した釣りロボットと掛け合わせ、遠隔釣りを可能にしています。

将来、アバターを介して山梨県韮崎市の台場クヌギでのオオクワガタの樹液採集や青森県や岩手県、福島県のブナの森でオオクワガタが飛来する灯火採集体験が家の中でできるかもしれません。真っ暗なブナの森から大きな羽音を立てて飛んでくるオオクワガタを手に取る感覚は都会のブリーダーにとっては何事にも代えがたい体験になると思います。

今後の研究テーマにしていきたいと思います。

◼️さて、冬眠に入る前に

 意外と知られていないことなのですが、クワガタムシの成虫は冬眠します。正確には、Dorcus属(ドルクス属、黒くて平べったいクワガタ、オオクワガタやヒラタクワガタ、コクワガタ)が冬眠します。子供の頃に馴染みのあったノコギリクワガタやミヤマクワガタは、実はひと夏であの世に行ってしまいます。

自然界では、特に青森や山形など東北地方では既に冬眠のモードだと思われますが、ブリーダーのクワ部屋(屋内の環境)ではまだモゾモゾしています。最近の住宅は気密性も高く、実は冬眠させるには不都合な場合もあるのです。しかし、流石に12月の中旬に差し掛かると我が家のオオクワガタの成虫たちも冬眠の時期となります。しっかり冬眠させることは個体を成熟させ、寿命も伸ばすことにつながりますのでそろそろ冬眠させたいと思います。成虫の冬眠は、これまで飼育してきた個別の容器のマットを深めに入れてあげます。餌切れが心配なので念のため新しい餌に交換してあげます。それから一番大切なのは水分の補給です。クワガタ達は寒さよりも乾燥が苦手でなので加水も忘れずに。

一方、幼虫たちは、別の部屋で室温を20度前後にキープしながら菌糸を食べ続けさせます。彼らには冬眠させないのかというとそんなことはなく、2月〜3月までは暖房器具の電源を切り常温で冬眠させます。四季のある日本で生息してきたクワガタなので一ヶ月でも"冬"を経験させることは重要なのです。

実は、幼虫に冬眠させることは、来春蛹化して羽化するために必要な儀式なのです。冬眠させることで羽化不全を防止して健全に成虫に羽化することを促します。

そろそろお休みの時間ですよ.png


 過去に数回、ITmedia エグゼクティブ勉強会にて「オオクワガタとサービスサイエンス」をテーマに勉強会を開いてきました。本年7月にも夏休み前の緊急企画としてセミナーを開催予定でしたが、新型コロナウィルスの影響を考慮して泣く泣く延期となりました。

このブログの反響もあり、お陰様で来年の3月にオンラインで開催させていただくことになりました♪

3月18日(木)18:30~19:30 ブリードシーズンいよいよ到来‼️「オオクワガタとサービスサイエンス」

ちょうど成虫たちが冬眠から目覚めた頃に開催となりそうです。ご興味ある方は掲記サイトの事務局までお問い合わせくださいませ。デジタルワールドでお会いしましょう。

それでは暫しの間、さようなら。

(おわり)

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