座る場所を変えると見える景色が変わる。景色変われば、発想も。-座席問題、ふたたび
マリコさんが「いつもとちがう席に」とお書きになっているのを見て、思い出したことをふたたび。
研修で、グループワークが多いものは、長机を2つ組み合わせ、4人掛けの島を作ります。たとえば、参加者が16人だと4島できるわけです。
よほど、プログラム上同一メンバで進行しないといけないという場合を除き、このグループの編成はしょっちゅうシャッフルします。
シャッフルの仕方はさまざまで、上記4人×4島だと、一番ぐちゃぐちゃに混ざるのが、
●1人ステイ(滞留)
●残り3人が全員別の島に散る
という方法です。(じゃんけんや誕生日の順とか、移動する人をどう決めるかはその時々で違います)
この時、移動する3人は、違う島に行って、これまでの時間と異なる景色で研修に参加することになります。
問題は、ステイの1人です。他の3人は、他の島から移動してくるので、4人のメンバ構成は新鮮なものとなりますが、ステイの人は、それまでと同じ位置に座ったままになります。
そこで、
「ステイの方も、座る場所だけ変えてください。見える景色が変わりますよ。見える景色が変わると、また何か新しい刺激がありますから」
と言って、同じ島の中でも席を移動していただきます。
こうやって、全員が一瞬で、シャッフル。
参加者も新鮮な気分になり、ディスカッションをする場合も、異なるメンバとの間でまた違った刺激を受けることとなりますし、講師から見える景色が変わると、目が合いやすい方も多少変化するんです。クラス全体に流れる空気も微妙に変化します。席替えしただけで。
・・・
そういえば、以前参加した数百人規模の大セミナーで(5-600人だったか)、午前の部が終了。ランチタイムに入る前、主催者が、こう言いました。
「ランチから戻ってきたら、午前中と異なる席に座ってください。全員ですよ!」
荷物を全部持って離席し、午後、戻ってきたら、異なる席に座る。見える景色も変わるし、言葉を交わす相手も異なるので、新鮮でした。
人間、どこへ行っても、どうしても「定位置」を見つけ、作りがちで、そこを「自分のテリトリー」としてしまうものだと思います。本能的にそうするのでしょう。
が、たまーに「定位置」を崩してみる、席を替えてみる、というのは、いいことだと思うのです。
そういえば、私、勤務先ではフリーアドレス組です(固定席組と半々くらい)が、既に我が席は固定気味。いつも同じ席に陣取る。他の人もそうだから、なのですけれども。
ただ、ほんの時々、座る場所を替えると、いつもと違う同僚が目に入るようになったり、オフィスを違った角度から眺められ、妙なものを発見したり、と何かと新鮮な気分は味わえます。
セミナーの話からスタートしましたが、オフィスの席でも「時々席を替えてみる」というのはよいことですね(それが可能なら)。