ワーケーションは「経費で落ちるか」「金太郎飴でないか」がカギ
こんにちは、竹内義晴です。
日本ワーケーション協会、入江真太郎さんの取材記事、日本ワーケーション協会に聞いた、ワーケーションのもつ地域活性の可能性を拝読しました。
現在のワーケーション業界の課題が浮き彫りとなっている、示唆に富んだ内容です。以下、引用します。
法人に対して『観光プラン満載のワーケーションを導入すれば、社員のモチベーションや生産性アップにつながります』と伝えたところで、『本当?というか、そもそも平日の業務時間内に観光するってどういうこと?労務や経費などのルールはどうする?補助が自治体からでるの?行くことでどういった効果がある?』などなど、様々なルールも整っておらず導入には程遠い。
観光や遊び目的のワーケーションを法人に提案しても意味がないんです。大前提、それは経費で落とせないので。だからこそ、法人に来て欲しいのであれば、経費が出せて、費用対効果の明示もしやすい、会議型や研修型といったプランを作るべきではないかなと思います。
ボクは、ワーケーションを「多様な働き方、学び方」だと捉えており、以下のことが大切だと思っています。
- 業務時間中に行うことができること
- 経費として落とせること
- 上司に「目的や効果を説明できる」こと
- 同僚から「理解してもらえる」こと
なぜなら、上記が実現できないと、企業で働く多くの人ができないから(できるのは、労働人口のたった5%であるフリーランサーや経営者だけ)です。多くの人が取り組めてこそ意味があると考えています。
上記の記事では、
新潟県妙高市のように研修旅行にきてもらって、テレワーク時代に分断されてしまった社員のコミュニケーションを学んでいきましょうといったものもいい取り組みだなと思いますね。
と、妙高の取り組みについて触れていただきました。ありがとうございます。
これまで、自然環境の専門家と企画した、変化への対応力を学ぶチームビルディングプログラムや、森林セラピーを活かしたストレス改善プログラム、在宅勤務が増える中で分散されがちなコミュニケーションを改善するプログラムなどを実施してきました。
なぜ、このような企業向けの研修プログラムをつくったかというと、研修であれば、企業にとっては人材育成という目的があり、投資にあたるからです。
また、個人向けとして、春休みに親子ワーケーションを企画しました。これは会社の経費にはなりません。でも、「子どもは長期休みだけれど、親は仕事でどこにも連れていくことができない」という困りごとが解決できます。
でも、心のどこかでは、在宅勤務によって「仕事と家庭の両立」で大変な親御さんたちの心労が少しでも下がるように、福利厚生の一環で、親御さんの分だけでも経費で負担できるといいなと思っています。
入江さんの記事では「金太郎飴を作るのはもうやめよう」と指摘しています。流行に乗ることも大切だとは思います。でも「流行っているから」だけでは長続きしないし、「観光の焼き直し」で成果が出るほど簡単ではなかったぜ......というのが、この2年の取り組みでした。観光なら、観光と言った方が分かりやすいですしね。
一過性の流行ではなく、時間や場所の制約のない、それぞれの企業や人の事情に合った、多様な働き方、学び方が実現できるように、これからも取り組んでいきたいです。