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沢渡あまねさんの『越境思考』は、未来予想図ならぬ「未来現実図」だった

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こんにちは、しごとのみらいの竹内義晴です。

沢渡あまねさんの『新時代を生き抜く越境思考~組織、肩書、場所、時間から自由になって成長する』を拝読しました。

一言、「これからの未来は、こうなっていくよね」ということを感じる一冊でした。

みなさんもきっとお感じのように......

  • モノが多くの人に行き渡り、「作ったら売れる」という時代ではない
  • 人口減少社会になり、人口構造がこれまでの「ピラミッド型」から「逆ピラミッド型」となっていく中で、年金やら何やらの社会システムはどうなっちゃうの?
  • (特に大手の)企業の人口構造も、ベテラン世代が多く、若い世代が少ないという構造の中で、年齢とともに給与が上がっていく終身雇用制で企業の体力は持つの? 中堅以上の人材どうする? 45歳定年制にしないといけない?
  • 人生100年時代といわれ、いままでより20年長く働かなくちゃいけないっぽいよ
  • 地方はどんどん人が減っていっているけれど、このままで大丈夫なのだろうか?
  • 新型コロナウイルス感染症はまだどうなるか分からないし、世界では戦争も起こっていて......何が正解なんだろう?

と、ざっとあげるだけでも、ボクらが生き、働いている環境は課題が山積です。何が正解なのか、よくわからない。

だからといって、個人ベースで考えると、そんなにこう「自分ごと化」できるわけではないし、まぁ、言わんとしていることは分かるけれど、いまのところ実害があるわけでもない。「まぁ、よくわかんないけど、なんとかなるんじゃない?」というのが、一般的なのかもしれません。そうなりますよね。だって、何をしたらいいかなんて、分かんないもん。

まぁ、そんなに大きなことは考えなくてもいいのかもしれないけれど、「じぶんの未来」を考えた時に、「いまのままで大丈夫なのかな?」と感じている人は、少なからずいるんじゃないかなぁと思います。あなたはどうですか?

沢渡さんの『越境思考』は、そんな方にお読みいただくのがいいのではないかなぁと思います。

沢渡さんによれば、越境学習とは、普段の環境(ホーム)と普段とは異なる環境(アウェイ)とを往還することで生まれる「価値観の揺らぎ」により、「気づき」「発見」「学び」を得る学習方法

もう少し具体的に言うと、複業やパラレルキャリア、女性活躍やダイバーシティ、ワーケーション、地方創生、DXなどなど、これまでの「一社に生涯尽くす」「男性中心の社会」「仕事はオフィスで」「都市中心」「非効率なのに変わらない仕事のやり方」など、これまで当たり前だった「境」を「超」えること。

もし、これまでの「境」の中にいて、「いまのままで大丈夫なのかな?」と思っているのなら、これまで「正しい」と思ってきた価値観や働き方を、一度見直してみませんか? というのが、本書に書かれている沢渡さんの提案だと思います。いままでの「逆をやる」というか。

「一社に生涯尽くす」「男性中心の社会」「仕事はオフィスで」「都市中心」「非効率なのに変わらない仕事のやり方」みたいなことって、ちょっと勘のいい人なら、「いまの時代、ちょっと違うよな」と思っていると思うんですよね。だけど、「変えよう」と思っても、なかなか「変わらない」この現実。

一方で、「複業やパラレルキャリア」「女性活躍やダイバーシティ」「ワーケーション」「地方創生」「DX」を推進しようと思っても、これもまた、なかなか実現できない、この現実。どうすればいいんだろう? 複業したいけど、この気持ちを分かってほしいけど、ワーケーションしたいけど、地方に関わりたいけれど、DXしたいけど......どうやったらいいの? と思っている人も多いと思うんですよね。

だけど、「この先は、おそらくこうなっていくよね」ということを知って、荒波のビジネス環境を波乗りしていくのと、知らないでおぼれていくのでは、知って、波乗りを楽しんだほうがいいんじゃないかなぁと思っています。つまり、沢渡さんの本は「未来予想図」ですね。いや、「予想図」ではないな。現実です、現実。

以前はね、こんなこと考えなくてよかったんです。ボクらより前の世代は何とか逃げ切れました。でも、ボクらは逃げ切れない。逃げ切れない世界で、どう生き、働くか。それを問われているのだと思います。

でも、そこにあるのは、悲観ではありません。一人ひとりがさまざまなしがらみから解き放たれて、自分らしく生きる「希望」です。

少し話はずれますが、ボクは越境しているタイプだと思います。でも、ボクの場合は偶然そうなっただけで、越境を目指していたわけではありません。だけど、今後は越境できる仕組みが必要だと思うから、「地方で複業できる仕組みができないかな?」とか、「時間と場所の制約がない働き方をすることによって、多様な働き方・学び方の実現や、価値観交流、価値観の揺らぎが起こせないかな」とか、「そういった取り組みで地方創生できないかな」とか、「名ばかりDXじゃなくて、多様な働き方をするためのITの使い方を見せることができないかな」とか、あれこれ関わりながらも、もう、難しすぎて、毎日悩んで、悩んで、悩んで、悩み疲れました(笑)。

でもね、作りたいんですよ。一人でも多くの人が「越境」できるような仕組みを。

というわけで、沢渡さんの『越境思考』は「いまのままで大丈夫なのかな?」と感じているあなたに、「未来現実図」としてオススメです。

最後に、5/9~14にかけて、「MYOKO WORKATION WEEK」というイベントを開催します。あなたもオフィスや在宅を離れて「越境」してみませんか?

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