地方のテレワーク誘致は、企業よりも個人のほうが向いているのでは?と思う理由
しごとのみらいの竹内義晴です。
地方創生の一環として、サテライトオフィスやワーケーションなど。テレワークの推進により企業を誘致しようとする試みが、さまざまな地方自治体で行われています。
例えば、私の地元の妙高市でもそうです。市長の所信表明によれば、
情報通信技術を活用したテレワークを切り口に、都市部の企業や人材と連携・交流することにより、多様な働き方を通じた人口の流入を目指すとともに、市内企業の人手不足の解消や生産性向上を促進するため、子育て中の女性や障がい者などの容易な就業を可能とする、在宅でのテレワークの導入を支援してまいります。
としています。
ITが進化した今、ネット環境さえあれば、どこでも仕事ができるのは多くの人は否定しないでしょう。もちろん、サービス業や介護、生産ラインなど、人が直接サービスする仕事や、物理的なモノを扱う仕事では、すべてをテレワークにするのは難しいかもしれません。でも、普段の業務がデスクワーク中心なら、パソコンとネットがあれば、会社じゃなくても仕事はできます。
そして、「自然豊かなところで仕事がしたい」というタイプの人にとっては、テレワークで仕事ができたらうれしいはずです。
そういう環境を地方に整えることで、人の流入を増やそうと、地方自治体は企業や個人を誘致しようとしています。これまで話した行政機関のみなさんの声によれば、どちらかといえば、個人よりも企業に来てほしいようです。企業を誘致すると、ある程度人がまとまって移動するので、企業に目を向けたくなるのも分かります。
でも、企業の誘致はなかなか難しいのではないかと、個人的には思っています。もちろん、神山町や海士町など、一部の自治体では企業誘致がうまく行っている例もありますが、有名どころ以外で成功している事例はあまり聞きません。「経営者が地元に特別な思いを持っている」といった企業なら別ですが、何の縁もないところにいきなりサテライトオフィスを作るのはハードルが高い。営業面や、旅費交通費などの費用面を考えると、なおさらです。
それならば、個人に目を向けたほうがフットワークも軽いし、何かしらの形にしやすいのではないかと思います。
これまで、二拠点ワークや関係人口に関するイベントを企画したり、登壇したりしてきました。都市部では二拠点ワークやテレワークに関心が高い人は多いですし、熱量も高いです。個人の場合、滞在費など費用面の課題はありますが、それでも、地方がテレワークを推進するなら、まずは、企業よりも個人のほうが向いているのではないかと思います。